Q..私は主人、2人の息子、母と
5人で暮らしている会社員です。
私の悩みは、
一年前に留学生の女の子を迎え入れた時に
主人の過剰なもてなしに反論したことから
夫婦関係がおかしくなったことです。
それまでは夫婦として距離感は感じているものの
家族幸せに過ごしていましたが
私が反論したしたことに対し、
「今まで我慢していた。
私や母を見ないように暮らしていた。
亡くなっている父のことも嫌いだった。
結婚を後悔してる。
今後母とは食事をしたくない。」
など辛辣な言葉が私を傷つけました。
長年主人がそんな風に思っていたのかと思うとショックで
主人が別人に思えて
以前のようには接することができなくなりました。
主人のそこまでの不満に気づけなかったことや、
気づいても私にはどうしようもないことだったり、
学歴や家柄にもコンプレックスがありましたから、
尚更落ち込み自分の存在すら消したくなります。
父で苦労していた母を楽にさせようと
仕事も続け、子育てもありましたから、
自分を省みることもできず
歳を重ねてきたことを反省しています。
母のことも重荷に感じ、母と接するのも苦痛です。
結婚当初にも主人の言葉で心が傷つき、
心を開けなく寂しい思いをしていたこと、
父親に甘えられなかった思いから
主人が留学生に接する時間は苦痛でした。
原因は自分の中にあると気づいているものの、
一年たった今でも涙が溢れ、心がぐちゃぐちゃです。
どのように整理したらよいのでしようか。
【ミルク・50代・女性・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
留学生というこれまで縁のなかった人を
我が家へ長期間受け入れるというのは、
かなり非日常的なことであり、
心理的負荷もかかりやすい一大ライフイベントだと思います。
これはライフスタイルがガラリと変わる、結婚当初も一緒ですね。
このようなときは互いに緊張もしますし、
うまくやろうと張り切ったり、ナーバスになったり、
困惑したりすることでしょう。
それぞれが、ストレス下に陥ったときの
それぞれのパターンや課題が浮き彫りになりやすい状況であり、
これまで溜め込んできたものがあるなら
それらが噴出しやすい状況でもあるかと思います。
我が子のように女の子と日常的に関わりを持ってきたことのない
お二人であれば、無意識な心理的負荷は
なおさらだったのではないでしょうか。
ご主人の留学生に対するもてなしが、
果たして過剰かどうかはここでは判断できませんが、
ご主人の立場に立って考えてみると、
他所の家の大切な娘さん、
しかも海外の子を預かるという、初めての経験に、
日本の体験、我が家での体験をぜひとも
豊かなものとしてあげたいという気持ちから、
できる限りを尽くそうとされたのが想像できます。
それがミルクさんにとっては「過剰」に思えたわけですね。
おそらく、身内に対する態度というよりは、
お客さんをもてなす態度に見えたのでしょうか。
そして、反応してしまう理由として、
ご自身の父親との関係を投影させ、
比較してしまっているご自身にも気づかれたのですね。
このように素直に、冷静にご自身を分析できるのは
素晴らしいことだと思います。
おそらくミルクさんご自身も自分のそんな部分に
嫌気が差していることもあると思いますし、
それを認めるのは勇気のいることだと思います。
ご主人がそのような状況下で放った言葉が真意なのか、
それとも、自分の好意や誠意を批判され、
場合によっては人格否定をされたような気持ちになって、
防衛的かつ発作的にその場の勢いで、
それこそ目には目を歯には歯をの心理から
反撃に出たのかどうかは、冷静に振り返る必要がありそうです。
私たちは、それが夫婦であれ、義理の家族であれ、
さらには血のつながった家族であれ、
私たちは社会生活を営む以上、少なからず我慢を強いられます。
それらを健全なかたちでコミュニケーションしたり、
自身の心のなかで適切に処理をしたりしてこなかったのであれば、
小さな抑圧の積み重なりがいつかはけ口を求めて、
たとえば今回のような事件をトリガーとして
溢れ出てくることがあります。
実際は、いいこともたくさんあったけれども嫌なこともあった。
だけれども、今回は相手を攻撃する意図なので、
嫌なことだけをとりあげて仕返しをしたのか、
それとも本質的にこの結婚にいいことなど感じられず、
常に我慢ばかりをしてきたと思っているのかを
冷静に振り返ってみることです。
同時に、ミルクさんご自身が、
自分が父親にされたかったけれどしてもらえなかった、
あるいは自分が父親に対してしたかったけどできなかったことを
ご主人と留学生のあいだに見て、
有る種の嫉妬心が言動となってご主人の行動を批判したのであれば、
その部分に関しては素直に謝ることが得策ではないでしょうか。
一方で、ミルクさんの中には、
ホストファミリーとして、留学生をお客様としてではなく、
家族として身内のように接すれば十分であり、
そのことで相手も気遣いしなくて心理的な負荷が減る
という思いもあったかもしれません。
もし、そのことを伝えたい場合は、
ご主人の善意を理解し、認めたうえで、
また自分自身も気をつけているとしたうえで、
嫉妬心とは切り離したうえで、コミュニケーションしていれば
伝わりやすかったのかもしれません。
嫉妬心を原動力に正論を走らせるのではなく、
自分がこの部分は純粋で健全だと感じられる部分
(=適度なもてなし)に意識を向けて、
そのニュートラルな意見として伝えるということですね。
また、ミルクさん自身が、
父親との関係をご主人に投影させてしまっていることが
苦しみになっているのであれば、
父親との関係を振り返り、
いったいどんな決め事をしてしまったから苦しいのか
(たとえば「父は私を愛していない」とか
「私は基本的に愛に値しない」など)を振り返り、
そこを正していくことが
過剰反応を低減させるうえで大切になってくることと思います。
相手を大切にできる人というのは、
自分をも適切に大切にできる人なのでしょうね。
どうかまずはご自身を大切にされてください。
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