親子関係

Autumn,Forest,Background.,Vibrant,Color,Tree,,Red,Orange,Foliage,In

【Q】はじめまして。
50代の女性です。
実家の庭のことで悩んでいます。

実家には80代の母が
一人で暮らしています。
父は2年前に他界しました。

父は生前、庭をとても大切にしていて、
季節ごとに業者を呼び、
植栽や剪定などを欠かさない人でした。

母はその頃から庭に特別な関心はなく、
父が亡くなってからは
手入れがほとんどされていません。

私は今、実家から車で2時間ほど離れた
所に自分の家族と住んでいます。

日帰りで様子を見に行こうと思えば
行けますが、毎週というわけにもいかず、
季節によっては、行った時には
雑草が伸び放題になっているというのが
現実です。

実家の地域のシルバー人材センターに
依頼したこともありますが、
草取りをしても、しばらくすれば元通り。
いたちごっこです。

「もういっそ、庭をなくして
 コンクリートで固めてしまうのはどう?」
と母に提案したこともあります。

ですが母は、
「お父さんが大事にしていた庭だから…」
と乗り気ではありません。

たしかに父の思い出が詰まった場所
ではありますが、

今の母の気力・体力を考えると、
維持管理は容易ではなく、
かといって放置しておくのも気になります。

結局、私が行くたびに、できる範囲での
草取りや片づけをするのですが、
帰る頃にはぐったり。

母の「ありがとう。お父さんが喜ぶから」
という言葉を聞くたび、
どこかモヤモヤした気持ちになります。

「庭=父の思い出」として
母が手放せない気持ちも分かりますし、
「放っておけない」と
動いてしまう自分もいます。

草取りや剪定だけでも定期的に業者に頼む
という方法が現実的なのかもしれませんが、
それなりに費用がかかりますし、

母が元気なうちはそれで良くても、
将来的には子どもたちである私や兄弟に
管理が任されることになるわけで、、、

それならば、
母がさほど庭にこだわらないのであれば、
早めに手を打った方がいいのでは、
と思ってしまうのも正直なところです。

父の思い出を大切にしつつ、
今の暮らしに合った形で庭を手放す、
あるいは変えていくにはどう考えたり、
動いたりしたらよいでしょうか。

何かヒントをいただけたらうれしいです。

兄が一人いますが、
遠くに住んでいるうえに年中多忙のため、
この話はまだしていません。

【もみじ・50代・女性・パート・群馬県】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

お父様が大切にされていたお庭、
それを守りたいお母様の気持ちと、
現実的な維持の大変さとの間で揺れる
もみじさんの複雑なお気持ちが
よく伝わってきます。

お母様にとって庭は、
単なる物理的な空間ではなく、
お父様とともに過ごした時間そのものを
象徴する、大切な思い出の場所になって
いることと思います。

お母様の「お父さんが喜ぶから」という
言葉には、お父様が大切にしてきたもの
を保存することで、いまもなお、
お父様とつながりを保ちたい願いが
込められているのではないでしょうか。

庭は絆の象徴なのかもしれませんね。

ただし、同時に
管理しきれない現実があり、それを
娘であるもみじさんが背負っている…

この構図は、象徴的な遺産を
次世代がどう受け継ぐかという
普遍的なテーマでもあると思います。

まず、実際に庭をどうするかの前に、
お母様にとって、庭にどのような思いが
込められているのかを、
優しく丁寧に対話しながら聴く時間を
持ってみてください。

たとえば、
お父さんが大切にしていた庭の、
どんなところが一番好きか、

または、もしお父さんが今ここにいたら、
どんな庭にしてほしいと思うかなど、
尋ねてみるのも良いかもしれません。

お母様が形よりも気持ちを守りたいのか、
あるいは風景を保ちたいのかによって、
対応の仕方も変わってきます。

今、もみじさんの選択肢は、
庭をこれまでどおり維持するのか、
それともコンクリート化して庭をなくすか
という全か無かの二者択一状態かと
思います。

ここで、もうひとつオプションを
つくってみてください。

それは、
庭を縮小するというやり方です。

お父様が中でも大切にしていた木や
お母様が気に入っている草花など、
象徴的な“一軍”の植物を絞り込んで
維持する方法です。

たとえば、
お気に入りのツツジや松を数本残し、
その周囲を砂利にしたり、季節の草花は
花壇やプランターに移して楽しむことも
できるのではないでしょうか。

お父様の思い出の庭のエッセンスを残す
ことで、お母様も思い出を楽しむことは
できるでしょう。

メンテナンスも、庭の規模を縮小したこと
でお母様ご本人が楽しめるようになるかも
しれませんし、

もみじさんや業者がサポートするにしても
負担が軽減され楽にサポートできるように
なるでしょう。

外注との併用もよいですし、たとえば、
定期的な草刈りを人材センターに、
年2回の剪定だけ業者にお願いするなどの
方法もよいのではないでしょうか。

お父様の思い出が大切であれば、
庭以外にも「お父さんの思い出コーナー」
をお母様が触れられるところに
設置するのも良いかもしれません。

季節ごとの庭の写真や石や樹を
少しだけ記念に残すことで、
お父様の写真を飾ることで、
お父様の息遣いを感じられるでしょう。

庭を残さなくても
思いを残すことはできます。

お父様へのリスペクトを形にできるので、
お母様も納得しやすく、もみじさんの
モヤモヤも軽くなるのではないでしょうか。

また、遠方にお住まいのお兄さんが
サポートをするのは
手軽ではないかもしれませんが、
状態を共有しておくことは大切です。

お兄さんに、お母様の今の様子や
庭の現状、そしてもみじさんの負担感を
率直に伝え、

お母様の気持ちを尊重しつつ、
現実的な方向を探りたいという意図を
共有してみてはいかがでしょうか。

お兄さんはすぐに物理的なサポートは
できないかもしれませんが、
年に1度でも帰省した際に
庭の管理がタスクに入るかもしれません。

また、もみじさんの気持ちを彼なりに
受け止め、互いにアイデアを出し合う
などすることで、もみじさんも
「一人でがんばらなくてよい」と
プレッシャーが緩和されるかもしれません。

このように、子どもたちが親のことに
思いやりや優しさをもって耳を傾け、
提案したり行動することによって、
お母様の心も自然に次の段階へと整う
可能性もあります。

また、もみじさんも、ご自身の思いを
伝えて受け止めてもらえたことによって、
より能動的にお父様の思い出を
大切にする気持ちが生じてくるかも
しれません。

ぜひ、ご自身の気持ちを抑圧することなく、
ご家族と思いをシェアしてください。

そして、積極的に助けを求めてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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サムネ_20251106

おちゃさん(50代・女性・主婦・北海道)
のご相談にお答えします。

【Q】離れた所で一人暮らしをしている
実母との関係に悩んでいます。

父は私が高校生の時に亡くなり、
父が亡くなった年齢と同じ年齢の時に、
兄がアルコール依存からの内臓疾患で
亡くなっています。

小さい頃は、私が喘息で病院通いを
していたからお金がなかった、
親族に借りるほど苦しかったと
聞かされていましたが、

年代が変わると、その頃父が転職して
給料を入れてくれないからなど、
「お金がない」理由も変わってきました。

父の外ヅラの良さや営業職のせいも
あって、外での飲み代でお金がなく、
父の死後は借金も発覚した苦労が
あったようで、そのことを、
去年86歳で圧迫骨折で入院した後から
毎回会うたびに聞かされます。

生まれながらに
身体が丈夫でなかった母は、
なにくそと気丈に生きてきて、
私への要求もきついです。

「娘は黙って聞いているものだ。
 家族しか正直に嫌なことを
 言ってもらえないのだから」と、
会うたびにメンタルを傷つけられます。

今は、週3回ヘルパーを頼み、
長年住んでいる場所で
一人暮らしをしています。

お金のことも、
今は不自由はないようです。

自分の考え方が一番と
揺るがない人です。

私も知的障害の我が子にイライラ
していたこともあり、
先日母のところから帰宅した後には、
「私が生まれなければ良かったかな」と、
自らの環境に涙が出てきました。

健全ではない思考だとわかっています。
 
母も年老いたのと、
一人しかいない子どもの私なので、
放置しっぱなしも気がかりで、
今の環境に心苦しくなります。

義理の母は何でも
「ありがとう」と言う人なので、
私としては、実の母に会うほうが、
何を言われるか怖いです。

会った時も、後半には
たくさんの愚痴をずっと聞かされて、
「もう、聞きたくない!」と
逃げるように帰ってきます。

私もコミュニケーションは
良い方ではないけれど、昔から、
母と居ると食べる物も私の意思は
すんなりは尊重されないので、
息苦しくなり、無口になります。

今は金銭的には問題はなく、
身体的に思うようにならない問題
ばかりの母です。

なんで私はこんな環境なのだろう
と、悲しくなってきます。

【A】おちゃさん、優しさゆえに
毎回心が削られてしまうのは
本当につらいですね。

まず「いい娘=全部応じる」
ではありません。

相手を変えるのは難しいからこそ、
自分側の調整をすることが大切です。

・会う時間を決める
・NOと言う
・話題を選ぶ
・一旦離れて呼吸を整える

こうした境界線が、被害者ではなく
“主体”に戻す力になります。

「娘である前に、私」。

自分の限界とニーズを尊重することは、
関係を壊すのではなく整えることに
つながるということをぜひ知ってください。

具体的な距離の取り方と関わり方は、
ビデオでお話しします……

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【Q】80代後半の母と実家で
約30年ぶりに同居を始めて、
2年半ほどが経ちます。

もともとは、
普通に仲の良い親子関係でした。

母は、身の回りのことや
慣れた料理はできるので助かりますが、
物を溜め込んでキッチンやダイニング、
そしてリビングが狭く乱雑になったり、

母が買い込んで持て余した食材で
冷蔵庫が満杯状態になることに、
私は毎日イライラしています。

共に暮らす私の夫や娘の物を収納したくて
棚や納戸を整理しようとすると、
親が処分を先送りにした物が
後から後から出てきて、
怒りが込み上げてきます。

つい母に嫌味を言ったり、
「自分が手に入れたものは、
自分で責任を持って片付けて」と
強く言ってしまいます。

そして後悔します。
片付け自体がストレスになります。

年齢なりに身体が動きづらいのも
当然ですが、
腰が痛いと漏らすのを聞いても、
最近はあまり親身になれません。

同居前のように気軽なお喋りをする気に
なれず、素っ気ない態度になっています。

休日も家にいるのが気詰まりで、
私が外出しています。

一緒に暮らせるのはあと数年と思いつつ、
穏やかな気持ちや笑顔で過ごせない自分
が情けなく、悲しいです。

何かアドバイスいただけると
とてもありがたいです。

【えだまめ・50代・女性・団体職員・東京都】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

えだまめさんのお悩みは、
お母さんとご自身とご家族の暮らしを
大切にしたいからこそ、
きちんと向き合おうとしているからこそ
のお悩みですね。

まず、えだまめさんのご相談を伺って
感じたことは、

お母さんへの苛立ちは、もしかしたら、
えだまめさんが「母の家に戻ってきた」
のでどこかに遠慮があって、
素直に思いを伝えられていないことに
あるのでは?と思いました。

たとえ同居の経済的・介護的理由が
あっても、無意識のうちに
「自分たちはお客さん」
「母の領域に入り込んでいる」という
遠慮や抑圧がないでしょうか?

つまり、自分の居場所なのに
自分の家でない感覚が
ストレスを生んでいないでしょうか?

その結果、言いたいことを飲み込み、
溜め込み、イライラという形で
噴き出している可能性があるのでは
と感じました。

まず、お母さまに「空間の主導権」を
譲ってもらう提案をすることを
お勧めします。

その際、お母さんへの思いやりが伝わる
伝え方を心がけます。

たとえば、

「お母さん、この家の空間をもう少し
 私たち3人も使いやすく整えたいと
 思っているんだけど、私たちに
 譲ってもらってもいいかな?

 お母さんが使いたい場所や必要な場所
 はもちろん、お母さんが使って、
 私たち3人が使って良い場所は自由に
 できたらとても助かるんだけど。」

と、依頼をしてみます。

そのことで、お母さんは自分の領域を
勝手に支配されるのではなく、
ご自身が優先的な選択権を持っている
という安心感を得られると思います。

もし許可が出たなら、
えだまめさん自身も遠慮から解放され、
行動に主体性を取り戻せるでしょう。

同時に、お母さんのモノの整理の手伝い
をオファーしてみてください。

85歳で腰痛があり、特にモノを溜め込む
傾向のある方に「自分で考えて捨てて」
と言っても、現実的には難しいです。

体力のみならず、
脳の処理スピードや執着の構造が、
若いときとはまったく違うからです。

どう手をつけていいか
わからないでしょうし、
助けてほしいけど、恥ずかしかったり
不安だったりするかもしれません。

ですので、えだまめさんから率先して
お母さんが安全で動きやすいように
整理のお手伝いをしたいことを伝え、

「お母さんの好きなものや
 大事なものは残して、
 使わないものだけ一緒に見直そう」
と提案してみてください。

決して怒りからではなく、
思いやりからのアプローチにすることで
空気が和らぎますし、

お母さんも自分が否定されているわけ
ではなく、大切にされていることを
感じられることでしょう。

まずは、
「ここまではお母さんゾーン、
 ここからは私たちのゾーン」
とスペースの区切り方を一緒に決めて、
お互いの安心と自由を確保します。

次に、お母さんのモノを一旦テーブルなど
平面に出して棚卸しをします

これだけあるんだと、量をお母さん自身が
しっかりと視覚で認識することが第一歩です。

そして、一緒に選びます。

「これはまだ使う?」
「これは〇〇さんにあげてもいい?」など、
えだまめさんが決めるというより
相談の姿勢で進めてください。

「捨てる」という言葉に抵抗があるかも
しれないので、不要なものは「卒業する」
と伝えるのも効果的かもしれません。

その際、「今までありがとうね」と
感謝を声に出して処分するのも感情の整理
を促す儀式的プロセスになります。

「片づけ=関係のリセット」でもあります。

お母さんのモノとの関係が
リセットされるのと同時に、
えだまめさんとお母さんの関係も、
思いやりあるモノの片づけ方によって、
良好な関係に整えることができるでしょう。

親子の間に張り詰めた空気が生まれたときは、
モノの整理を通じて関係を整理するチャンス
と捉えてみてください。

「これ、若い頃どうやって使ってたの?」

という声かけから、
お母さんの知らない素敵な過去や、
お母さんが心の中で大切にしているものが
見えてくるかもしれません。

そうであれば、片づけを通して
優しいやり取りを再開する
きっかけになるかもしれません。

関係修復は
空間整理と同時進行できることを
ぜひ覚えておいてください。

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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【Q】はじめまして。
55歳、未婚です。

父が亡くなってもうすぐ1年、
83歳の母と2人で暮らしています。
兄弟はいません。

母は寂しさもあってか
とにかく話し相手が欲しいようで、
朝から晩までご近所の話や愚痴など、
とりとめのない話を延々と続けます。

最初はうんうんと聞いていても、
途中で私の返事が少なくなると
「ちゃんと聞いてない!」と怒り、
不機嫌になり、テレビを大音量に
してずっと無言で見ています。

毎日のことなので、
正直、私もかなり疲れています。

父が大病をした数年前、
私は看病のため、契約社員として
勤めていた会社を辞めたので、
今は定職も収入もありません。

本当は母と別居すれば
少しはラクになると思うのですが、
経済的にその余裕がありません。

家の中のことや母の相手をしていると
なんだかんだとやることも多く、
1日はあっという間に終わります。

私も年齢的に気力・体力が少しずつ
衰えているのか、新たに仕事を探す
気力もなかなか湧かず、

結局この生活をダラダラと
続けてしまっている自分にも
嫌気がさしています。

母に対して「このまま一緒に暮らす
のはしんどい」と思う一方で、
仮に今から別居をするとなれば
それだけの収入を得なければならないし、

何より、老齢の親を見捨てるような
罪悪感があり、どうしたらいいのか
途方に暮れています。

年老いてわがままになっていく
母との距離感を、
どう取っていけばいいのでしょうか。

【モモンガ・50代・女性・無職・愛知県】

【A】とても正直なお気持ちを
言葉にしてくださいました。
これだけでも大きなステップでは
ないでしょうか。

親の老いと向き合いながら、
自分自身の人生も見つめなおす――
これは多くの人がぶつかる
大きなテーマです。

とくに一人っ子で、親と長く
同居されてきた方にとっては、
心身の負担と「罪悪感」が
複雑に絡み合いやすい状況です。

まず、 母の寂しさとモモンガさんの
疲れは共存して当然ということを
覚えておいてください。

お母様が愚痴や世間話を繰り返すのは、
「話を聞いてほしい」「ひとりが怖い」
という寂しさの裏返しかと思います。

でも、それに四六時中付き合うことは
モモンガさんの心身のエネルギーを
すり減らします。

ここで大事なのは、「母の寂しさを
すべて受け止める責任がある」という
思い込みを手放してみることです。

モモンガさんが疲れているのは
冷たいからでも親不孝だからでもなく、
お母さんのすべてを一人で抱え込んで
しまっているからではないでしょうか。

そして、相手とのあいだに
境界線(バウンダリー)を引くことは
冷たさではなく「健全な距離」です。

人間関係には、どんなに近い間柄でも、
たとえ親子であっても、
適度な距離が必要です。

特に親子関係では
この線が曖昧になりやすく、
「全部応えなければ」という気持ちに
なりがちですから注意が必要です。

たとえば、こんな工夫をしてみるのは
いかがでしょうか?

・母とのおしゃべりタイムを
あらかじめ時間で区切る
 (「夕食後30分」など)

・それ以外の時間は、
「今は自分の時間ね」と
 やさしく線を引く

・一方的な愚痴には
 「へえ」「そうなんだ」と短い相槌で返す
(全部に丁寧に反応しなくてもいい)

最初はお母様が反発するかも
しれませんが、これは決して
モモンガさんの冷たさではなく
行動パターンの変化に対する
一時的な反応で、

習慣化することで、少しずつ受け入れ
られるようになる方も多いです。

そして、モモンガさんご自身の
生活の軸を取り戻すことを
大切にしてください。

母のことを最優先にしていると、
自分の時間も気力も削られ
消耗してしまいます。

自分の時間を持つことは
決してわがままなことではなく、
共倒れを防ぐために必要なことです。

たとえば、

・1日10分でも、自分のための時間
(例:散歩・読書・友人との連絡など)
 を確保する

・すぐに働き出さなくても、
「生活を母中心から少しずつずらす」
意識を持つ

・近隣の地域包括支援センターや
ケアマネジャーに相談して、
今後の介護や支援体制について
情報を得ておく

などはどうでしょう。

将来のことを見据えて、
即「別居しなければ」といった極端な
選択だけでなく、

距離をとりつつ共存する
グラデーションの選択肢を広げること
が、心の自由度を上げてくれます。

罪悪感が湧くかもしれませんが、
それは「あなたが悪い」というサイン
ではありません。

「親を見捨てるようでつらい」という
気持ちの裏には、
モモンガさんの深い優しさがあります。

でも、その優しさを「自己犠牲」で
燃やし続けると、

モモンガさんが先に壊れてしまい、
結局、あなたのためにも
お母様のためにもなりません。

その罪悪感に振り回されることなく
「これは私の優しさの証」と理解して、
冷静にご自身のための行動を
選んであげてください。

変化や決断をするときは、
いきなり大きな変化や決断をする
必要はありません。

「1日中話を聴く」生活を
「夕方30分だけ」に変える――

その小さな変化でも、自分の心身が
回復していくのを感じられることでしょう。

その余裕が、新しい仕事や
ライフプランを考える気力に
つながっていくことでしょう。

ご自身を大切にすることは、
周囲の人を大切にすることにも
つながることをどうか忘れずに。

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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おもちさん(30代・女性・会社員・東京都)
のご相談にお答えします。

【Q】外国籍のパートナーと
交際して数年になりますが、
母に猛反対されています。

両親ともに彼に会ったことはありますが、
彼が中華圏出身であることが不安なようで、
「絶対に苦労するから“ちゃんとした日本人”
にしなさい」と言われています。

これまで彼の人柄を知ってもらうよう
努力してきましたが、

「あなたのためを思って言っているのに」
「親を不安にさせるな、許さない」
「養育費を返せ」

などとヒステリックに言葉を返され、
心がとても傷付き、
自分を責めてしまうこともありました。

親戚や友人に相談したり、
カウンセリングを受けたり、
書籍を読んだりするうちに、

これは母の心の問題であると
気づくことができたため、
今は距離を置いています。

この経験から、母に対する強い恐怖や
不信感が芽生えてしまいました。

私が小さいころから両親は不仲で、
母は精神的に不安定なところがあることから、
兄弟のうち一人娘である私に対する
愛情が強すぎるのだと思います。

近いうちに彼との結婚を予定しており、
父からは「まずはお互いに話し合いを
したら」と言われますが、

これまでの経験から、私の気持ちや
話は冷静に聞いてもらえず、
「話し合い」にならないと感じています。

課題の分離は終わっているし、
私の心は決まっているのですが、
まだまだ親に対する罪悪感や怖さが
出てきてしまいます。

どのように乗り越えたら良いでしょうか。

【A】こちらまで胸が痛くなってくる
ようなご相談ですね。

おもちさんの、お母様に対する優しさ、
思いやり、誠実さがあるからこそ
罪悪感が出てきてしまうのだろうなと、
そんな親子関係が見えてきます。

今回のご相談に関しては、
すでにおもちさんが大正解の答えを
出していらっしゃるように感じますので、
おそらく、背中を押して欲しくて
ご相談してくださったのかなと思います。

「課題の分離」というのはアドラーの
すばらしい概念ですが、そうなんですね、
母には母の、私には私の、人生の課題がある。

他人の感情の責任は
誰にも取ることができないのです。

ですから、罪悪感については、
ご自身を責めることなく、
お母さんのことを大切に思っているが故の
反応なのだと、ちょっと俯瞰視して
いただきたいなと思います。

続きは、ビデオでお話しします……

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【Q】15歳と13歳の息子がいる、
45歳のシングルマザーです。

5年前に離婚し、それまでの家を出て、
今は2DKのアパートで3人で生活しています。

正社員で働いており、家計は私ひとりの収入
でなんとかやりくりしていますが、
仕事と家事・育児の両立で精一杯の毎日です。

成長期の息子たちはどんどん体も大きくなり、
部活や趣味の道具も増えて、手狭な間取りは
ますます片づかなくなっています。

もともと私自身も物が多く散らかりやすい
タイプでしたが、断捨離の本を読み、
「他人のモノに手を出してはいけない」
という言葉にドキッとしました。

というのも、
離婚前に夫婦仲が悪化していた頃、
夫の持ち物を勝手に処分してしまったことが
あり、今では深く反省しているからです。

その思いもあって、息子たちが散らかし放題
でも手を出せず、見て見ぬふりをしています。

ただ、息子たちの部屋は、衣類やわけの
わからないもので床が見えないほど散乱。
「しつけの問題」と言われても
仕方ない状態です。

思春期のせいか、片づけ以外でも口を出すと
反抗的な態度を取るので、ここ1〜2年は
生活態度や勉強のことも含めて
一切口を出さないようにしています。

するとますます散らかりはエスカレートし、
私は自分のエリアだけを断捨離して
整える日々です。

「自分がやっていれば家族もそのうち
やり始める」と聞きますが、今のところ
その気配はまったくありません。

仕事で疲れて帰ってきて、
さらに家の散らかりを目にすると、
心底げんなりしてしまいます。

これは思春期・反抗期と割り切るべき
でしょうか。
それとも、息子たちを傷つけず、
効果的に片づけへ促す方法はあるでしょうか。

アドバイスをいただけたら嬉しいです。

【悩めるシンママ・
    40代・女性・会社員・千葉県】

【A】悩めるシンママさん、
正直に、そして丁寧にご自身の状況を
共有してくださりありがとうございます。

お話から、
仕事も家事も子育ても背負いながら、
さらに断捨離を通してご自身の内面とも
向き合っていらっしゃる姿が伝わって
きました。

まずは、
その頑張りと誠実さに敬意を表したいです。

15歳と13歳という思春期の男の子にとって、
自分の部屋や持ち物は
「自分の城」であり「自己表現の場」です。

つまり、
縄張り意識が強く働き始める時期ですね。

ですので、多少散らかっているのも、
自己主張や親からの独立の表れでもあります。

このような時期は、親が一方的に片づけを
押しつけたり片づけ出したりすると、
ますます反発したくなってしまいます。

これは「片づけの問題」というより
「自立のプロセスの問題」と捉えてみると、
少し気持ちが楽になるかもしれません。

思春期や反抗期は嵐のようなものですから、
嵐のときは抵抗せずにひたすら過ぎるのを
待つというのも大事な対策となります。

また、断捨離の原則の一つは
自分の持ち物に責任を持つことです。
人のモノに勝手に手を出してはいけません。
(人のモノを勝手に捨てるのは暴力行為です)

そのときに大切にしていただきたいのは
「共有スペース」と「個人スペース」を
区別することです。

リビングや玄関、キッチンなど共有する
空間は、みんなが快適に過ごせるよう
最低限のルールをつくってみてください。

たとえば、
危機管理からも床にモノは置かない、
通路は確保するなどです。

ただし、個室や子ども自身の収納は
個人スペースですから彼らに任せ、
散らかっていても原則ノータッチとする。

共有スペースに関しては
「私が疲れて帰ってきたときにここだけは
片づいていてほしい」と正直に伝えるのは、
しつけではなく「共に暮らす人間としての
お願い」になります。

片づけを「やりなさい」と指示すると
反発されますが、

「私は散らかっていると
 疲れが倍増してしまう」
「整っていると安心できる」と、

自分のフィーリングをシェアする形で
伝えると、

子どもたちも
「母さんのために少し協力するか」と
思える余地が生まれるかもしれません。

モノの整理を「対話のきっかけ」にする
ことも、この時期の
しなやかなコミュニケーションに
つながるかもしれません。

部活や趣味の道具は、彼らにとっては
「夢」や「未来」とつながる大切なモノです。

もし片づけを促すとしたら、

「今のあなたにとって大事なモノって何?」
「これはこれからも使う?
 それとも卒業した?」

と問いかけ、モノを通して自分を振り返る
時間にしてあげると、
ただの片づけが「自己確認の作業」になる
のではないでしょうか。

また、母親は自分と自分のモノに敬意がある
ことが伝わります。

この時期は「散らかし放題」も一つの通過点
と受け止め鷹揚に構えてみてください。

息子さんたちも社会に出れば、
いやでも整理や管理が必要になります。

そのときに「お母さんが自分のエリアを
整えて生きていた」姿が、
必ず彼らの潜在意識に残っています。

今は表に出なくても、数年後に
ふっと芽を出すこともあります。

このように、思春期の息子たちと向き合う
際には、割り切りと信頼が必要です。

ティーンエイジャーの男子2人の成長と
ともに家が狭く感じるなら、
カフェや図書館なども自分の家の
「離れ」と思って活用してください。

悩めるシンママさんがくつろげる時間や場所
は、必ずしもご自身が所有している必要は
ありません。

賃貸住宅が月極の支払いなら、
カフェは飲食を提供してくれるだけでなく、
時間単位で自分のスペースを提供してくれて
いると考えればよいのです。

住む街全体もシンママさんの拡張自己として
意識を広げてみてください。

このように、
ご自身の空間を整えて背中を見せつつ、

• 共有スペースには最低限のルールを
• 指示ではなくフィーリングを伝える
• モノを通じて対話する
• ご自身のパーソナルスペースを確保する

この4つを意識しながら、
「たとえ散らかっていても彼らの成長の一部」
と割り切ることが、母としての心の平穏にも
つながることと思います。

悩めるシンママさん、
どうかご自身の安らぎを最優先に。

ご自身が整っていれば、きっと息子さんたち
にもそのエネルギーは伝わっていくことを
信じて前進してください。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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0818(大)

FROM 川畑のぶこ

のりちゃんさん(50代・女性・自営業・岡山県)
のご相談にお答えします。

【Q】1年半ほど前に精神的な病にかかり、
そのストレスから身体にも不調をきたして
いる大学生の息子がいます。
現在、東京のアパートで
一人暮らしをしています。
病識はあり、信頼できる医療機関で
受診は続けていますが、今のところ
目に見える改善は見られません。

友人関係も広くはなく、
体調が優れなければ登校もままならず、
一週間、誰とも言葉を交わすこともなく
過ごすこともあるようです。
食事をまともに摂っているのかも
わかりません。

いつでも戻ってきていいんだよと
伝えてはいるのですが、
親元に戻ることは頑なに拒んでいます。
私も可能な限り様子を見に行こうと
してはいますが、距離と時間の制約から
頻繁に通うのは難しい状況です。

金銭的には十分な仕送りをすることは
できているのですが、
本人の心身の状態は常に不安定で、
生活習慣も整っているとはいえず、
このまま一人暮らしを継続させるのは
無理があるのではと感じています。

ただ、本人の「東京で暮らしたい」
という気持ちは非常に強く、
環境を変えた方が良いと思っても、
実家に戻ることはもとより、
東京以外に移ることは
今のところは受け入れられないようです。

そんな中で、たとえば
心に不調を抱えた若者が
少しでも安心して暮らせるような、
見守りのある居場所、あるいは
家族以外の誰かとつながりながら
生活できるような共同生活の場が
東京にないものかと模索しているのですが、
これという決定打が今のところありません。

いわゆるルームシェアでは、
相手に迷惑をかけてしまうのでは
という懸念があり、できれば
受け入れ側に理解や支援の意識が
あるような環境が望ましいです。

医療ともつながっていられると
さらに安心ですが、
そこまで望むのは難しいのでしょうか。

本人の意思を尊重したい気持ちと
親としてのケア、
そのバランスに悩む毎日です。
母としてできることは何でしょうか?

【A】のりちゃんの親心が伝わってくる
ご相談ですね。

離れた所にいるとなお、ちゃんと
食べているのかな、と心配になりますね。

ただ、ご相談文の中にあったように
息子さんご本人に病識があって
信頼できる医療機関で受診できている
ということ、これは大きなセーフティ
ネットになると思います。

また、息子さんが、
社会的ニーズからであれ、
心理的ニーズからであれ、
今の東京暮らしを
続けたいと言っていること、
このニーズがとても明確で、そこに
希望を持っているということは、
良い兆候だと思います。

彼なりの希望であり、
頑なさなのではないでしょうか。

そして、こうした時に
親にできることというのは限られています。

もちろん経済的な援助はしたうえで、
あとは、尊重して見守るという姿勢を
貫いていただけばいいのではないかなと
思います。

すでに、のりちゃんもなさっていますが
「いつでも戻ってきていいんだよ」という
オープンな姿勢もとても大切です。

続きは、ビデオでお話しします……

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0728(大)

FROM 川畑のぶこ

おこちゃんさん(60代・女性・看護師・新潟県)
からいただいたメッセージをご紹介します。

こんにちは。

私自身の相談ではないのですが、
少し前に配信された40代の女性の方からの
「お母様へのプレゼントを断られてしまった」
という動画についてとても共感し、
エールを送りたいと思いましたので、
メールさせていただきます。

6月16日公開
「母へのプレゼントを断られ、寂しいです。」

私は、この相談者の方と本当に
そっくり同じような経験をしていました。

二つ違いの兄と同じことをしても
母からはいつも私だけ厳しくされたり、
プレゼントをしても
「金もないくせに!」と言われ
泣きながら帰宅した経験があります。

幼い頃から、大好きな母に甘えたい、
褒められたいと頑張りましたが、
兄には到底かないませんでした。

そんな母も、一昨年、認知症、
脳梗塞の再発の末、とうとう
向こう側の世界に引っ越しました。

でも不思議なことに、
思い出す母の顔は優しく、
私に向けてくれた笑顔です。

あんなに苦しんだのに、
良い思い出しか浮かびません。

今は、いつか私もあちら側に
お引越しした時に「頑張ったね!」
と褒めてもらえるように、
仕事や家族のことに取り組んでいます。

不器用な言葉しか出てこなかったことを、
実は、母は悔いていたというメッセージを
のちに受け取りました。

この相談者の方にも、
ぜひご自分の気持ちに正直になって
お母様に気持ちを伝えてあげて欲しい
です。私も応援しています。

FROM:川畑のぶこ

以前配信した動画の
ご相談者さんへの応援のメールを
おこちゃんからいただきました。
私もとても嬉しいです!

母親と娘の関係は本当に
一筋縄ではいかないことが多いですね。

母親は自分自身を娘に
投影してしまいやすいということも
関係していると思います。

自分の至らない部分を娘の中に見ると、
娘に厳しくしてしまう。自分自身に
厳しい人であればなおさらです。

それは、娘が良い人間に成長して
後々苦労がないように、という
母親の愛に他ならないと思うのですが、

表現の仕方が不器用だったり、
言い方がぶっきらぼうだったりすると、
言われた方は傷ついてしまいますね。

そんな、いびつな母親の愛のかたちを
少しでも理解するためのヒントを
私からもお伝えします。

続きは、ビデオでお話しします……

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shutterstock_591868226

【Q】90歳の母のことでご相談です。
父の七回忌を終えて、
現在一人暮らしをしています。

子どもは、娘である私一人、
母の兄弟も次々と他界して
いっているような状況です。

特に仲の良かった姉も一昨年亡くなり、
今は毎日一人でテレビを観て
暮らしています。

私が仕事をしており
思うように様子を見にいけないのと、
癒しになればと飼っている
インコたちがいるので、
私の代わりに主人が毎日、
母の住む実家へ行ってくれています。

ところが、最近、「薬が盗まれた。
◯君(主人)が盗んで、私を早く死なせ
ようとしている」と言い始めました。

説得して、一時は収まったかのように
見えたのですが、その薬が見つかり、
見つかったと思ったら
また失くなったそうで、

「◯君が薬を隠して、見つかったもの
だから、また盗んだ」「おまえ(私)も、
大学までやった恩も忘れて謝りもしない!」
と私を叩いてきます。

無理がある不自然なストーリーであることを
伝えると、なおさら激昂して、
「警察に指紋を取ってもらって◯君が
犯人と証明する!」とまで言い出して、
もう私たちだけでは
解決できそうもありません。

この先、どのように
対処していけばよいでしょうか。
アドバイスをお願いいたします。

【ハートレーン・60代・女性・薬剤師・山口県】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

ハートレーンさんのお母様やご主人を
大切にしたいお気持ちが伝わってきます。

きっとハートレーンさんの中に、
一人っ子なので、ご自身がお母様の面倒を
みてあげなければという使命感も
おありのことと思います。

そのような母親思いの娘さんを持てた
お母様は幸せだと思います。

お母様が「薬を無くした」というのではなく、
いつもお世話をしてくれているご主人から
「盗られた」と訴えるお母様の状態を
見る限り、認知症の物盗られ妄想の可能性
があるかもしれません。

認知症の症状には、
記憶障害や見当識障害などの中核症状以外に、
BPSDと呼ばれる行動心理症状があります。

もっとも身近な人で
自分のお世話をしてくれる人が
自分のものを盗むと信じたり、
暴力を振るったりするのは
典型的な認知症の行動心理症状で、

妄想は認知症全体の約15%の人に
見られると言われています。

このような妄想の対応に関しては、
事実でないことを否定したくなる気持ちは
わかりますが、お母様自身からすると
起こっていることは事実と信じていますし、
病識はありませんから、
否定や説得は効果がありません。

それらは、むしろ抵抗感や孤独感を強めて
しまいますので、このようなときは
それが病理であることを理解し、
寄り添う姿勢を大切にしてください。

たとえば、
お母様がご主人に薬を盗まれたというなら、
「お薬がないと大変だね」と、
犯人にはとくに言及せず
不安を受け止め共感してあげてください。

また、今後のお母様のサポートに関しては、
現状ハートレーンさんとご主人だけで
対応するには限界があるようですから、
専門家との連携を大切にしてください。

まずは地域包括センターに連絡を取り
今後の段取りを整えてもらうのが
良いでしょう。

診断をしてもらい治療をすることで
症状が緩和されることがありますから、
精神科、神経内科、もの忘れ外来など
受診することも大事です。

要介護レベルに応じて、通所や入所や
訪問介護などのサービスが受けられる
ようになれば、すべてを家族が
背負い込まなくて済むようになります。

薄情なことと思ってしまうかも
しれませんが、そのことで
家族が適度な距離感をもって
健全な状態で冷静に向き合えるなら
それもまた愛のかたちです。

サポーターである家族がごきげんでいる
ことは何より大切です。

ハートレーンさんご自身やご主人が
リフレッシュしながらセルフケアを大切に
お母様と向き合うことは、
お母様にとっても大切なことだということ
を忘れないでください。
       
        
ーーー

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川畑のぶこリード
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【Q】22歳の大学生の息子
についてご相談です。  

息子は一人暮らしをしているのですが、
大家さんや周囲の方に
ゴミ捨てなどで迷惑を かけているようで、
 
「何度連絡しても連絡がつかず、
大変だらしなくて困っております。
こんな学生は初めてです」と、
お叱りのお電話を2回いただきました。

息子は小さい頃から非常に育てにくく、
発達障害を疑ったものの、
夫が反対するため、病院には
連れて行ったことはありません。

小学生の頃は、
プライドが高く負けず嫌いで、
背の小さい子や細い子に力で勝つために
自転車の競争をして無理に追い抜こうとして
相手を倒して怪我させたり、

下級生とサッカーをして
思い切りボールを蹴って、骨折させる
というようなことが何回もありました。

中学生の頃は、人に怪我させることは
なくなりましたが、宿題をやったことが
ほぼありま せんでした。

宿題をやらない生徒が放課後集められて、
罰として終わるまで帰れない、
ということがありましたが、

その時は先生に何も言わずに
こっそり抜け出て習い事に行ったため、
親子で呼び出されました。

子どもの前で泣きながら
先生に謝罪する姿も見せてきましたが、
不誠実な性格はそんなことでは
直らなかったようです。 

同じように育てた下二人の娘は
このようなことで悩んだことは全くなく、
なんでこんなに違うのかと不思議です。

私がたまに用があって
息子に何度電話しても、出ない。
折り返しもこない。

「警察を呼ぶ」と言うと
やっと連絡がくる。

それなのに「要件だけ話して!」と
すぐに 切りたがるし、大事なことでも
じっくりと会話ができません。 

妹思いの優しさもあったり、
お友達付き合いも良好のようですが、
不誠実で面倒くさがりな性格は
今後社会人になってからもかなり心配です。

何かあった度に厳しく言い聞かせて
きたつもりでしたが、
育て方が悪かったと猛省し、
途方に暮れる日々です。

息子の性格を改めさせるには
どうしたら良いのでしょうか。

【マカロン・50代・女性・パート・栃木県在住】

【A】マカロンさんの親心が伝わってきます。

幼少期から「育てにくさ」を
感じてこられたとのことで、

息子さんの特徴には、
衝動性・自己中心的行動・不注意傾向、
宿題・ルール順守の問題、
社会的なトラブルやマナー違反、
コミュニケーションの困難さ
がおありとのこと。

一方で、妹思いで
友人関係は比較的良好であり、
妹たちにはそれらの問題が
まったくないとのこと。

すると、これらは単なる「性格」や
「だらしなさ」だけでは片づけられない、
発達特性の可能性があり、
ADHDやASDなどの可能性も考えられます。

そうであれば、彼の姿勢は
決して不誠実さや面倒くさがりや
性格が悪いことに起因するものでは
ありません。

これらは、
対処能力の未発達によるもので、

息子さんの行動の多くは
「自分で自分を管理する力」
=実行機能の未発達に起因している
可能性があります。

実行機能には、ワーキングメモリという
短期記憶を保持し、情報を処理する能力、

目標達成のために計画を立て、
必要なものを整理する計画力・組織力、
状況に応じて適切な対応を判断し、
実行する問題解決能力、

衝動的な行動を抑え、
感情をコントロールする自己制御、
状況に応じて考え方や
行動を切り替える柔軟性、

時間配分を考え、計画的に行動する
時間管理能力などがありますが、
ADHDの人は
これらの能力が弱い傾向があります。

息子さんがすぐに忘れたり
後回しにしたりする、
叱られても繰り返す
(失敗からの学習が困難)など、
課題の着手が遅れたりできないのは、

何から手をつければ良いか分からないので、
先延ばしにしてしまっているかもしれません。

着信無視も、情報過多で
パンクしている可能性もあり、
外界からの刺激に対する
選択的な反応の偏りがあるかもしれません。

妹さんたちとの違いに関しても、
同じ親から生まれ、同じように育てても、

子どもはそれぞれの気質、脳の特性、
外界との交流スタイルとや
その結果生じる相互作用によって
まったく違う成長をします。

息子さんも「なぜ自分はできないのか?」
と大変つらい思いをされてきたのでは
ないでしょうか。

息子さんの行動の原因が
発達のユニークさに起因するのなら、

マカロンさんの育て方の問題でもなければ、
彼の「やる気」の問題でもありませんから、
ご自身も息子さんも責める必要はありません。

また、息子さんへの叱責は
ストレスになるばかりですので注意が必要です。

彼に必要なのは、叱責よりも
彼の困っていることに対する
専門家との連携も含めたサポートになります。

いったい彼が何に困っているのか、
どうしたらうまくできるのかを
一緒に考える関わりを、

すなわち、
「ちゃんとしなさい」のかわりに、
「なにか困っていることがあれば
いつでも言ってね」という
オープンな姿勢に切り替えてみてください。

正解と比較して裁くのではなく、
愛ある好奇心をもって
彼の個性や他者との違いに
目を向けてみてください。

また、22歳という年齢からも、
彼は親離れして自立する時期です。

彼自身が問題に直面して
それを切り開くプロセスを
マカロンさんが見守るのも
大切な姿勢となります。

本人が「困った」と感じなければ、
周囲がどんなに騒ごうが
変化への動機づけは乏しいでしょう。

実際に彼が困る思いをするタイミングで
はじめて課題に真剣に向き合うかもしれません。

息子さん自身が
発達特性を自覚することができれば
解決への道も一気に開かれます。

マカロンさんにできることのひとつは、
そのようなときのための
情報収集と情報提供です。

地域の発達障害者支援センターや、
今なら大学の学生相談室や学生支援課などへ
相談を促すことも大事です。

支援機関と連携できれば、
彼が自身の課題への対処法を学ぶ
第一歩になるでしょう。

彼自身が連絡をとらなくても、
マカロンさんが各機関に
家族として連絡をとって
話をきいてもらうことも有効です。

マカロンさんがこれまでかけてきた
思いや努力は、
決して無駄にはなっていませんし、
今から築ける関わりがありますから、
諦めずに一つずつ
積み重ねていってください。

そしてどうか、マカロンさんご自身を
労う時間を忘れないでください。

応援しています!
       
        
ーーー

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