親子関係

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【Q】川畑先生こんにちは。
実母84歳について相談させてください。

今年3月末に父を認知症の末に亡くし、
父の葬儀5日後に
今度は母が脳梗塞で倒れました。

病気の治療とリハビリのため
1ヵ月半ほど入院した後、退院しました。

半側空間無視という後遺症が残りましたが、
家で過ごすことはできるように
なってきています。

ただ、後遺症の1つになるのか、
不安障害が強く、
今少しずつできていることよりも
起きていないことへの不安が過度で、
どうしても苛立ってしまいます。

私の弟は母と同居していて、
父が亡くなった後、
本当によく面倒をみています。

私は職業柄、病院の付き添いや
医師からの説明をわかりやすく
母に説明することや、
介護申請を含めたいろいろな段取りは
私の役割として勤めていますが、

感謝をしているという言葉を口にする
ものの、常に顔を歪め、不安を象徴する
ような眉間に深く刻まれた皺を見ると、
どうしても関わりを最小限にしたいと
思う自分がいます。

その理由は、父が亡くなる際に、
母がどうしても家で看取りたくないという
独特な思想を持っていて、

それに対して
とても強い違和感を持ちながら、
葛藤しながらも奔走し、

父の介護サービスの手続きも
全て私がやっていたからです。

結果的には、母の思い通りに、
家で看取ることなく
救急車の中での最期でした。

その出来事がどうしても引っ掛かり、
許せずにいます。

短い期間で起きた親問題に翻弄された私に、
アドバイスをいただけませんでしょうか。

どうぞよろしくお願い致します。

【キャリコ・50代・看護師】

【A】お父様を亡くされた悲しみも
癒えないうちに、お母さまが脳梗塞で倒れ、

入院やリハビリ、介護保険の申請、
医療機関とのやり取りなど、
本当に目まぐるしい日々を
過ごしてこられたのですね。

しかも、看護師というお立場から、
ご家族の中では自然と
「説明役」「調整役」「問題解決役」を
担われてきたことと思います。

キャリコさんが、今感じていらっしゃる
お母様への苛立ちは、
思いやりが足りないからではなく、

むしろ、それだけ責任感をもって
懸命に家族を支え続けてきたからこその
心の反応だと思います。

ご相談から、
「母を許せない娘」ではなく、
「父の最期まで誠実に向き合おうとした娘」
の姿を感じました。

キャリコさんにとっては、
お母様の不安そのものよりも、
お父様の最期についてのわだかまりによって
お母様を許せない気持ちが強いのですね。

「家では看取りたくない」というお母様の
気持ちに、キャリコさんは強い違和感を
覚えながらも、自分の気持ちには蓋をして、
お母様の希望を尊重したのですね。

そして結果として、お父様は救急車の中で
最期を迎えられた出来事が、
キャリコさんの心の中で

「あれで本当に良かったのだろうか。」
「もっと違う形があったのではないか。」

と、未だに十分に整理されていないのが
感じられます。

そんな思いが残っているからこそ、
今、お母様の不安げな表情や悲観的な言葉に
触れるたび、当時の葛藤が呼び起こされて
しまうことと思います。

私たちは、解決できていない悲しみや怒りを
抱えていると、その感情のきっかけとなった
相手の言動に敏感になります。

おそらく、
今キャリコさんが反応しているのも、

現在のお母様だけではなく、
ご自身の未解決な気持ちを呼び起こす
「あのときの母」に強く反応していることと
思います。

ただ、ここでキャリコさんに
一つ忘れないでいただきたいことがあります。

それは、
お母様も、キャリコさんも、お父様も、
誰もが、その時点での限界の中で最善を
尽くしていたということです。

キャリコさんは、お父様にとってできる限り
良い環境を整えようと全力を尽くされました。

お母様もまた、家で看取ることへの恐怖や
自分にはその責任を負えないという
限界の中で、

「病院で看てもらいたい」という選択を
されたのではないでしょうか。

それがキャリコさんの価値観とは
一致しなかったとしても、お母様なりの
精一杯だった可能性があります。

夫の存在が大きいからこそ怖く辛く、
正面から死に向き合えなかったのかも
しれません。

その直後に脳梗塞になったという経緯からも、
口にせずとも、お母様にとって夫の死が
いかにダメージがあったかが伝わります。

キャリコさんもおそらくそのことには
気づいていたので反対せず、

救急車の中で逝くことなどは想定せずに、
お母様の意に沿った流れを支援したのでは
ないでしょうか。

もちろん、救急隊員を含む医療者も
介護者も、それぞれの立場で
最善を尽くしていたはずです。

振り返れば、「もっとこうすればよかった」
と思えることはあるかもしれませんが、

しかし、それは結果を知っている今だから
見える景色であり、

そのとき、その場で、
それぞれが持てる力と情報の中で
選択していたことも、
同時に忘れないでいただきたいのです。

そのように、お母様の行動をすぐには
許せなくても、その背後にある苦しみを
深く理解していくことは、
キャリコさんの癒やしにとって
大切なプロセスとなると思います。

まずは、

「私はまだ怒っているんだな。」

「私は父のことをそれだけ
 大切に思っていたんだな。」

と、ご自身の気持ちを
認めてあげてください。

もう一つ、キャリコさんの苦しみは、
親の感情の責任まで背負おうとしていること
によるものではないかということです。

キャリコさんは、看護師というご職業柄、
「苦しんでいる人を安心させなければ」
「不安を取り除かなければ」という姿勢が
自然と身についているのかもしれません。

ですので、
お母様の辛そうな姿を見ることで、
ご自身の不甲斐なさを感じて
辛くなるのかもしれません。

ただし、お母様が不安になること、
お母様が悲しむこと、
お母様が将来を心配することは、

お母様自身が向き合っていく人生の課題で
あって、キャリコさんが責任を取れる範囲外
のことです。

キャリコさんは、
寄り添うことや話を聴くこと、共感すること
はできても、相手の不安を消すことや、
安心を保証してあげることはできません。

相手の感情の責任は、最終的には
相手本人しか負うことができないのです。

もし、「母を安心させる責任は私にある」
という思い込みがあると、お母様の不安は
そのままキャリコさんの重荷になり、

それが積み重なるほど、
疲れや苛立ちとなって表れてしまいます。

ですから、お母様の不安は受け止めつつも、
その先の

「安心させなければ」
「何とかしなければ」

までは引き受けることなく、
手放す勇気が必要です。

家族といえども、適度な距離を保ち、
一本の境界線を引いてよいのです。

それは決して冷たい態度ではなく、
お母様の人生を尊重する態度でもあります。

自分の不安と向き合い、折り合いをつけて
いく力は、本来お母様自身の中に
育まれていくものだからです。

キャリコさんは、お母様の伴走者には
なれても、お母様の人生や感情の運転手
にはなれません。

どうか今は、
お母様を変えようとすることよりも、

「私は本当によくやった」

「私もあのとき、
 私なりの最善を尽くしていた」

そう、ご自身を労う時間を
大切にしてください。

その優しさをまず自分自身に向けられたとき、
お母様との関係にも、きっと少しずつ
穏やかな風が吹き始めることでしょう。

「母も同様に、私の理想通りではないが、
 彼女のその時点での最善を尽くした」

と受け入れることができるようになるかも
しれません。

許しは、
無理な努力をして生み出すものではなく、

十分に悲しみ、十分に怒り、
自分自身もまた限界の中で最善を
尽くしていたことを認められたとき、
結果として心に訪れるものです。

今その大切なプロセスにいることも
覚えておいてください。

最後に、キャリコさんはお父様に
手を合わせることはありますか?

もし、お父様のたましいが今もどこかで
継続していて、キャリコさんやお母様を
見守ってくれているのであるとすれば、

自身の人生の卒業式の場所について、
未だにこだわり苦しんでいる娘を
見守ることをどう思うでしょうか?

そのように自分のことを大切に思って
くれている娘がいるということ自体が
何よりも大切ではないでしょうか。

肉眼や肉声でやりとりができずとも、
ぜひ、心の声でお父様と対話をして、
これからも良い関係を継続してみてください。

ー川畑のぶこ

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あっちさん(60代・女性・パート)
のご相談にお答えします。

【Q】33歳の娘との関係で悩んでいます。

2018年に、私は離婚しています。
夫の酒乱から逃げ、結果、私の不倫。
私が悪いです。

でも、娘たちは夫の酒癖を知っているので
私を非難しませんでした。

でも、それから私は
負い目と申し訳なさもあり、
娘たちには強い母ではなくなりました。

姉妹も些細なことで喧嘩して、
ずっと仲良しだったのに
お互い無視して3年経ちました。

長女は結婚して近くに住んでいるので、
何かと呼ばれて手伝ったり、
夫婦喧嘩したと言えば呼ばれ…
都合のいい母でした。

今年に入って、会話の中で
「自分はママに本心を言ってなかった。
ママは逃げてばっかり」と罵倒され、

思うところもあったけれど、
謝って、なんとかおさまりました。

そんな長女が、先日出産しました。

出産の当日も、
「実母は待合室で待つことができる」
という書類にサインしたにも関わらず、

「義母が来るので」と追い返され、
私は産まれてから呼ばれました。

原因は、私が怒らせたからです。

陣痛部屋からLINEで
いろいろお願いされている時に、
「もう3分間隔やから」と言われ、
それにビックリして「えー!」と返すと、

それがおかしい、と。
そんな感じなら来なくていい、と。

それでも、長女の旦那に
「産まれました」と呼ばれたので行くと、
そこには義母がいました。
ショックでした。

それからもなかなか会わせてくれず、
出産前は、退院したら私に通いで
来てもらうと言ってくれていたのに、
聞けば、義母がお世話に行っているとか…。

初孫の写真も送ってくれず、
LINEしても読んでくれません。

何を話してもねじ曲がって取られてしまい、
話すのも怖いので、
なかなかちゃんと伝えられません。

とても気を使います。
会えば何かと怒られます。

楽しみにしていた孫とも会えず、
娘からは何も教えてもらえず…

私も言いたいことがあります。
モヤモヤしています。

でも、凄い勢いで怒られると、
謝るしかないです。

悲しかったことを、言いたいです。
でも、きっと逆に怒られるのが
わかるので、言えません。

長女のイライラは他にもありますが、
私には何もできません。
妹との仲違いもひとつです。

心臓が痛くて、毎日本当に眠れません。

「いつか親の気持ちがわかるよ」と
アドバイスはもらいますが、
支えにもならないくらいに痛いです。

【A】あっちさん、お孫さんの誕生、
本来なら喜びにあふれるはずの出来事
なのに、とてもつらい時間を
過ごしておられるのですね。

娘さんとの関係に気を遣い続け、
何を言っても怒られてしまう。

楽しみにしていた初孫にも
なかなか会えない。

その苦しさは、
本当に大きなものだと思います。

ただ、今の娘さんは出産という
人生最大級の出来事の直後にいます。

出産後は、身体的にも精神的にも
大きな負荷がかかり、
ホルモンバランスも大きく揺れます。

普段なら気にならないことが気になったり、
感情的になったりすることも
少なくありません。

ですから今は、
「なぜそんな態度を取るの?」
と答えを求めるよりも、

「娘も今は余裕のない状態なのかもしれない」
と、一歩引いて見守ることが
大切かもしれません。

もちろん、あっちさんの悲しみや寂しさが
消えるわけではありません。

けれども、今は無理に関係を修復しようと
するより、「いつでも味方だよ」
「何かあったら言ってね」という
静かな愛情を届けながら、

娘さん自身に振り返る時間と余裕が
生まれるのを待ってあげてほしいのです。

そしてもうひとつ大切なのは、
娘さんやお孫さんだけを
心の支えにしないこと。

ご自身がほっとできる時間や人とのつながり、
楽しみや癒やしを日常の中に増やしていく
ことも、今のあっちさんには
とても大切だと思います。

焦らなくて大丈夫です。

今は「見守る愛情」が
必要な時期なのかもしれません。
 

続きはビデオでお話ししています……

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アメリアさん(50代・女性・個人事業主)
のご相談にお答えします。

【Q】息子(19歳・大学1年生)
のことで相談です。

幼少期より慎重でマイペースな性格で、
新しい環境への適応が苦手な傾向があります。

興味のあることへの集中力は非常に高く、
幼少期から分析・分類・統計的なことを
好む特性がありました。

一方で、計算分野に学習困難さがあり、
発達特性を感じています。

高校1年頃から
「人体や生物学を研究したい」という
強い目標を持ち始め、かなり努力して
勉強するようになりました。

もともと成績は高くありませんでしたが、
補習塾の先生の支えもあり、
浪人も含めて大学受験に
全力で取り組みました。

しかしこの2年間で、家族内に
大きな出来事が重なりました。

高校3年時、総合型選抜直前に
祖母が倒れ介護状態となり、
浪人中には共通テスト直前に
祖母が亡くなりました。

本人は精神的負荷を抱えながらも
受験勉強を続けていました。

第一志望群だった大学(応用生物学部)
は不合格となり、追加合格候補まで
進んだ大学(バイオサイエンス)も
最終的には繰り上がらず、
現在は農学部へ入学しました。

しかし本人は、
生物学・人体・心理学・統計学などを
深く学びたい希望が強く、
現在の学部内容や大学環境への適応に
大きな苦痛を感じています。

また、浪人中に「心理学」にも
大変興味を持ち始め、心理学部への道
も考えるようになりました。

入学後より、自分が学びたかったことと
異なるカリキュラムへの拒否感、
過去の失敗への自己否定、
未来への強い不安などから
不眠と苛立ちなどが続いています。

ゴールデンウィーク明けから
大学へも行けなくなりました。

一方で、真面目で責任感が強く、
「単位を落としたくない」
「二年次編入の可能性を残したい」
という思いもあり、
自分を追い込み続けている状態です。

親としてどのように接するのが良いのか、
息子にとって「大学休学」は
回復につながるのか?
二年次編入の希望を支えに使うべきか? 

アドバイスをお願いいたします。

【A】アメリアさん、
息子さんのことを本当に大切に
思っていらっしゃるのですね。

ここまでの受験生活を振り返るだけでも、
息子さんは本当に
よく頑張ってこられたと思います。

ご家族の大きな出来事を抱えながら、
それでも目標に向かって努力を続けてきた。
その歩みは決して無駄になっていません。

ただ今は、
「思い描いていた場所にたどり着けなかった」
という喪失感や、
「本当に学びたいことが学べない」
という苦しさの中で、

息子さん自身が人生の大きな分岐点に
立っているのでしょうね。

私は、今の息子さんの悩みは
とても建設的なものだと思うのです。

なぜなら、「何もしたくない」のではなく、
「本当に学びたいことがあるのに、
それにたどり着けない」
と苦しんでいるからです。

人生は、ときに遠回りに見える道が、
後になって大切な意味を持つことがあります。

農学部に進んだことも、
第一志望に届かなかったことも、
今は失敗に見えるかもしれません。

でも、その経験があったからこそ
見えてくる景色や、新たな可能性も
あるかもしれないのです。

休学するか、編入を目指すか——。

その答えを急いで出そうとするよりも、
まずは「今は人生の途中にいる」
という視点で、少し大きな流れの中から
息子さんを見守ってあげてください。

そしてアメリアさんご自身も、
「これは無駄かもしれない」ではなく、
「ここから何かが見えてくるかもしれない」
という愛ある好奇心を
大切にしてみてくださいね。
 

続きはビデオでお話ししています……

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心さん(60代・女性・介護職パート)
のご相談にお答えします。

【Q】結婚・出産後に離婚した娘が、
うつで15年ほど休んでいます。

厳しい生活環境の中での子育てで
愛情のかけ方を間違っていたのか、

「毒親」「ネグレクト」「寂しかった」
と訴えていた時期があり、
EMDRの治療を受けたりしていました。

寝たきり状態が長く、
お世話をしながら受け止め、
「ごめんね」と謝ると、

娘は「お母さんには苦労ばかりかけて
申し訳ないね」と言ってくれました。

幼い頃から我慢が多く、おとなしく、
反抗することのなかった娘ですが、

一年少し前、
身体が回復しているように見えて以来、
反抗的な態度が出始めています。

半年前に「お母さんにばかり忙しい
思いをさせている」と、通院、買い物
等の用を父親に頼むようになりました。

夫も依頼されることだけは
対応しています。

そんな中、今年3月の初めに突然
「一方的に母とは縁を切る」と夫に伝え、
以来今日まで、顔を見ることも、
話をすることもしていません。

主治医からは
「寂しかった気持ちを分かってほしい」
と伝言されましたが、
娘は「母から虐待されていた」と
訴えていたそうです。

私としては良い関係を保てていたと
思っていたのですが、私は仕事柄、
人のお世話ばかりなのもあり、
娘は自分が大切にされていないと
感じていたのでしょうか、、、。

今の状態は、私は苦しく、
受け止めきれていませんが、

娘は怒りと憎しみの感情を出すことができ、
日常生活も自分のことだけはできている
ので、寝たきり状態だった時よりは、
私も安堵しています。

夫は「このままでは溝が深まる。
メールしろ、声掛けしろ」と、
不機嫌な毎日です。

両親に大切に育てられ、
平穏無事な日々以外、
何かあると耐えることができない、

思い通りにならないと怒る、
異常に過干渉でしつこい夫の
その態度が重くのしかかっています。

冒頭に「厳しい生活環境の中での子育て」
と書いたのは、当時同居していた
義理の両親が大きく関係しています。

義両親は二人とも、強くて厳しく、
自分の子どもだけを信じ大切にする人で、
亡くなるまで親中心で
実権を握っていました。

同居時代、私はそれに遠慮し、我慢して、
自分の子どもを大事にすることが
できませんでした。

娘のことはしばらく見守ってみようと
思っているのですが、、、

どのような関わり方をしたらよいのか、
川畑先生、アドバイスを
よろしくお願いいたします。

【A】心さん、とてもお辛いですね。

一生懸命育ててきた娘さんから、
突然「縁を切る」と言われてしまった。

しかも理由として伝わってきたのは、
「寂しかった」「虐待されていた」
という言葉。

親として、これほど胸が締めつけられる
ことはないかもしれません。

でも私は、今回のお話を伺っていて、
娘さんの中に何か大きな変化が
起きているようにも感じました。

これまで娘さんは、
自分の気持ちを抑え込み、
我慢し続けてきたのではないでしょうか。

長い間うつ状態が続き、
寝たきりのような時期もあった。

そんな娘さんが今、怒りや悲しみを
表現できるようになってきた。

もちろん、その矛先がお母さんに
向かうのはとても苦しいことです。

でも、心理的な成長のプロセスとして
見ると、自分の感情を外に出せるよう
になったこと自体は、
大切な一歩とも言えるんですね。

だから今は、
「どうしてこんなことを言われるのか」
「私の何が悪かったのか」
と答え探しを急がなくてもいいと思います。

娘さんが悪いわけでも、
心さんが悪いわけでもありません。

お二人とも、それぞれ厳しい環境の中で
精一杯生きてきた。

義理のご両親との同居生活。

その中で心さんも、
娘さんを十分に守りたくても
守れなかった苦しさがあったと思います。

一方で娘さんも、幼い心で寂しさや孤独
を抱えていたのかもしれません。

だから今は、
白黒をつけようとするよりも、

「私たちは同じ家族のシステムの中で、
 それぞれ傷ついてきたんだな」

そんな視点を持ってみてください。

そして何より大切なのは、
心さんご自身を労わることです。

ご主人から
「連絡しろ」「声をかけろ」
と言われても、

今は無理に距離を縮めようとしなくて
大丈夫。

娘さんが距離を必要としているなら、
その気持ちを尊重しながら
見守ることも愛情です。

私は今回、
娘さんの「縁を切る」という言葉を、
人生を前に進めようとする
不器用な自立宣言のようにも感じました。

だから心さんもまた、
「娘次第の人生」ではなく、
「自分自身の人生」を
大切にしていただきたいんです。

焦らなくて大丈夫。

時間という薬が、今は見えないものを
見せてくれることもあります。

苦しい時期だからこそ、
まずはご自身の心を癒やすことを
優先してください。
 

続きはビデオでお話ししています……

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【Q】両親とのコミュニケーション
の取り方について、
最近少しモヤモヤを感じています。

私は、誕生日や母の日などの節目には
感謝や気持ちを
丁寧に言葉で伝えたいタイプで、
メッセージも自然と長めになります。

一方で、父と母からの返信は、
ほとんどがLINEスタンプだけです。

スタンプだけだと、どんな気持ちで
受け取ってくれたのかが分からず、
少し距離を感じてしまいます。

同じように長文で返してほしいわけ
ではありませんが、せめて
一言でも気持ちを添えてもらえると、
やり取りがもう少し温かく感じられる
のでは…と思ってしまいます。

特に母は、人の話は聞かず、
自分の話(世間話)ばかりするのですが、
自分の本音や想いを言葉にすることは
あまりなく、怒りの感情だけが
表に出やすい傾向があります。

昔からコミュニケーションが
すれ違いやすく、
ケンカになることも多くありました。

そのため、

「どうせスタンプだけなら、
 私もシンプルに『ありがとう』だけ
 送った方が、期待せずに済んで
 気持ちが楽なのかもしれない」

と思うこともあります。

ただ一方で、私は本当は
もっと気持ちを共有したり、
家族と分かり合いたいという思い
もあります。

このような状況の中で、
私はどのような距離感やスタンスで
両親と関わっていけば良いのでしょうか。

自分の気持ちを大切にしながら、
家族との関係をどう整えていけば
良いのか悩んでいます。

【Lani・40代・主婦】

【A】Laniさんの中には、
「家族だからこそ、気持ちは
 ちゃんと言葉で交わしたい」
という願いと、

「期待して傷つくくらいなら、
 最初から期待しないほうが楽」
という自己防衛の両方があるのですね。

特に、幼い頃から気持ちが噛み合い
にくい親子関係を経験してきた方は、

大人になってからも、
「わかってほしい」
「でも、どうせわかってもらえない」
の間を揺れ続けやすいものです。

そして、Laniさんの場合、
単にLINEの返信が短いことだけが
苦しいのではなく、

「私はこんなに気持ちを
 差し出しているのに、
 受け止めてもらえている実感が
 持てない」

という、長年の関係性のテーマが、
スタンプひとつに象徴されている
可能性があります。

ただ、ここで大切なのは、
どちらが正しいかを決めることよりも、
もしかしたら、愛情表現の言語が
違う家族なのかもしれないと
理解することかもしれません。

たとえばLaniさんは、
「言葉」で愛情確認をするタイプ
かもしれませんが、

一方、お母さまやお父さまは、
もしかすると、

「反応を返しているだけで十分」
「スタンプ=ちゃんとあなたの
 気持ちを受け取ったよ」
という感覚なのかもしれません。

世代的な違いもありますし、
感情を言語化する訓練を受けずに
生きてきた方も多いでしょう。

特に、怒りだけが前面に出やすい人
というのは、実は怒り以外の感情表現
が苦手なことが少なくありません。

寂しい、ありがたい、嬉しい、
申し訳ない、愛している─

そうした柔らかい感情を表現する
回路が育たず、結果として、
世間話か怒りか、
どちらかになってしまうのです。

ですから、Laniさんがどれだけ丁寧に
気持ちを届けても、同じ温度で
返ってこない可能性は高いでしょう。

これは、Laniさんの価値が低いから
ではありません。

相手の表現力の限界の可能性がある
のですね。

また、愛情表現のツールに関しても、
親世代の方は、もしかすると
手書きの手紙なら慣れていても、

スマホで親指で長文を打つのは
苦痛だったり、世代的に苦手な
場合もあるかもしれません。

逆に、Laniさんが
「温もりある手書きで手返して」
と期待されたら、同じように
苦痛に感じるかもしれません。

こう考えると、
ツールの違いも正解はありません。

「親なりの愛情表現」があることを
温かく理解しつつ、自分の気持ちも
大切にしてあげてください。

「返してもらえないものを、
 返してもらおうとし続ける執着」
を手放すことも大切な学びでもあります。

ただし、
ここで誤解してほしくないのは、
期待を手放す=心を閉ざすではない
ということです。

むしろ成熟した関係とは、
「この人はこういう表現の人」と
理解したうえで、

自分は自分として
自然な愛情表現を選べることです。

ですから、無理に長文をやめる
必要もないと思います。

ただ、
「この文章で、親を変えよう」
「この気持ちを察して返してほしい」
という期待を少し降ろしてみる。

すると、返信がスタンプでも、
「あ、この人なりに受け取ったんだな」
と、以前より消耗せずに済むことが
あります。

一方で、もし長文を送ったあと
毎回虚しくなるなら、それは
与えすぎのサインかもしれません。

その場合は、
「私は伝えたいから伝える」を
大切にしつつも、

分量を少し軽くする、
温度を調整する、
という関わり方も健全でしょう。

家族関係というのは、
「理想の親子像」を追い続けるほど
苦しくなることがあります。

でも、深く語り合える親子だけが
良い親子ではありません。

スタンプしか返せない親にも
不器用ななりの愛情があることは、
実は少なくないのです。

Laniさんは、
きっととても感受性が豊かで、
人との心の交流を大切にされる方
なのでしょう。

だからこそ、「通じない痛み」にも
敏感なのだと思います。

これからは、分かり合えなさを
ゼロにすることよりも、
「違いがあっても、
 自分の心が荒れすぎない距離感」
を育てていけると良いですね。

そして、ご両親に求めきれなかった
情緒的なキャッチボールを、
人生の別の場所──友人、伴侶、仲間、
コミュニティなどで育んでいくことも、

大人の心の成熟には
とても大切なことだと思います。

ー川畑のぶこ

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サムネ_202600517修正

心配ママさん(50代・女性・パート)
のご相談にお答えします。

【Q】4月に入った頃、大学生の息子が
昨年12月に食べ物を喉につまらせた
トラウマで、食べ物を飲み込む際に
恐怖心があると言ってきました。
 
今は、食べ物によっては
一旦咀嚼してお皿に出し
それを再度口に入れ、

本当に飲み込んで大丈夫か?
確認しながら食べているため、
食事の量は以前よりだいぶ減ったのに、
時間は相当かかっています。

息子に受診を2度勧めましたが、
乗り気ではありません。
そして、受診を勧めてから
症状が重くなった気がしています。

他人より自分を信じる、
意志が強い息子の性格では
心療内科の受診は難しいと思い、

嚥下機能の訓練をしてくれる病院に
問い合わせると、まず内科を
受診して欲しいと言われました。

食べられる食材も限定的になり、
市の栄養相談を受けたところ、

今は本人が無理せず食べられる
形態と量で、本人のペースで
食べさせてあげて、と言われました。

週1・2回体力作りのため
プールで泳いでいますが、
おやつの量も減っていて、
エネルギー不足で倒れないか心配です。

元々細身体形ですが、
最近顔や体つきがさらに
ほっそりしてきたように思います。
それを見るのが辛いです。

3月に亡くなった私の父が
誤嚥性肺炎だったのですが、
口から食べること=生きることを
目の当たりにしたこと、

母からは栄養を考えた料理を
食べさせてもらった経験から、
私は食事に対する思いが強い方です。

この状況がいつまで続く?
今後他人と外食はできる?
と考えると、私は夜も眠れません。

息子が苦労しながら食べている姿を
側で見ているので、
私の精神が削られています。
メニューを考えるのも苦痛です。

つい数日前から、息子は
数年後に受ける国家試験の勉強を
始めました。

ストイックな子なので、
自分の身体が二の次になって
しまうのではと心配です。

息子の身体面、精神面、栄養面は
大丈夫でしょうか?

私は、課題の分離が
できていないのでしょうか?

私の心の持ちようと、
息子への接し方やできるサポートが
あれば教えて頂きたいです。
 

【A】息子さんが「食べること」を
怖がるようになってしまった姿を
見ているのは、本当につらいですね。

食べる量が減って、時間もかかる。
どんどん痩せていくように見える。

しかも、ご本人も苦しそうで、
お母さま自身も
眠れなくなってしまっている…。

でも私は、息子さんは
「食べられなくなった」のではなく、

“怖さと向き合いながら、
それでも食べようとしている”んだ
と思うんです。

一旦口から出して確認しながらでも、
彼なりに安全を確かめながら、
ちゃんと食べようとしている。

そこは、
ぜひ見てあげてほしいなと思います。

窒息体験は、命の危険を感じる、
とても強い恐怖体験です。

ですから、「またあの苦しさが
起きたらどうしよう」と怖くなるのは、
ある意味とても自然な反応です。

だからこそ今は、
「ちゃんと食べなきゃ」
「もっと栄養を取らなきゃ」
とプレッシャーをかけるよりも、

“今の彼ができていること”に
目を向けてあげることが大切です。

「ちゃんと食べられているね」
「少しずつで大丈夫だよ」

そんな安心感のほうが、
今の息子さんには
必要なのかもしれません。

また、もし可能であれば、
一度は内科的な検査を受けてみる
ことをお勧めします。

実際に嚥下機能や身体的な問題が
隠れていないか確認できれば、
それだけでも安心につながることが
あります。

そして心配ママさんご自身も、
“何とかしなきゃ”と
抱え込みすぎないこと。

心配するお気持ちは当然です。

でも、今の息子さんに必要なのは、
「大丈夫」「ゆっくりでいい」
という空気感かもしれません。

食べることへの不安と
どう向き合っていけばいいのか。

親として、どんな距離感で
支えていけばいいのか。

続きはビデオでお話ししています……

ーーー

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【Q】いつもメルマガを
読ませて頂いています。

私には、息子3人(20歳:発達グレー、
17歳、13歳)がいます。

主人は転勤族で、
この10年単身赴任をしており、
私がワンオペで育ててきました。
(月1度帰省。両方の両親も遠方です)

次男についての相談です。

もともと口調がキツく、
トラブルの多い子で、
苦労してきました。

中3の頃から行き渋りがあったものの、
高校受験は無事に志望校に合格しました。

ただ、ずっと朝が苦手で、
私が必死に起こす生活が続いていて、
高校入学後も変わらずで…

高1の6月から何をしても起きなくなり、
五月雨登校→不登校
→出席日数不足で進級不可
→通信に転学で、現在高3です。

昼夜逆転が続いており、
バイトをいくつかしてみたものの
起きられないので続かず。

自宅では、食事もろくに取らず、
私が話しかけてもキレるか無視でした。

やっと先日少し話せたのですが、
「やりたいことがない、
 社会不適合者だから」とのこと。

先のことを考えるのは
面倒くさいそうです。

次男は、主人に対して
強い恨みを持っていて
「一生許さない!アイツはゴミだ!」
と言います。

(小中学生の頃、2.3回、
お前なんか出てけ!と家から
引き摺り出されたことがあり、次男は
暴力だ、虐待されたと思っています)

今は、主人が帰省しても
一切顔を合わせることもありません。

この2年間、私自身、沢山学び、
カウンセリングも受けながら、
子どもへの過保護、過干渉をやめ、
期待を手放しつつあるとは思いますが、
目の前の現実が苦しいです。

私はどうしていけばいいでしょうか?

【natsu・50代・女性・パート】

【A】natsuさん、
いつもメルマガを読んでくださり、
ありがとうございます。

これまで10年もの間、
ご主人の単身赴任という状況下で、
3人のお子さんを実質お一人で
育ててこられたとのこと。

しかも、発達特性への配慮、
思春期の息子さんたちとの関わり、
不登校、昼夜逆転、進路問題――

おひとりで抱えるには
あまりにも重たい状況です。

その責任感と、どれほどの孤独な
努力があったかと思います。

とくに次男さんのことでは、
これまで何度も
心を砕いてこられたのですね。

natsuさんご自身が、
カウンセリングを受け、学び、

ご自身の「過干渉」や「期待」に
向き合ってこられたプロセスは、
並大抵の努力ではないと思いますし、

すでに大切な方向転換を
始めていらっしゃるように思います。

子どもが苦しんでいるとき、
親はつい「なんとかしなければ」と
前に出たくなるものですので。

ただ、今の次男さんに必要なのは、
「引っ張られること」よりも
自分で動ける感覚を取り戻すこと
なのだと思います。

今の彼は、一見すると
「怠けている」「やる気がない」
ように見えるかもしれません。

けれど実際には、

「自分は社会不適合者だ」
「やりたいことがない」
「考えるのも面倒」

という言葉の背後に、
かなり深い無力感や自己否定感が
あるように感じます。

人は、本当にエネルギーが落ちている
とき、「未来を考える」ということ
自体が苦痛になります。

けれど、次男さんの人生を立て直す力
は本来、次男さん自身の中にあります。
そのことを信じてあげてください。

そして、次男さんが父親と向き合う
課題があるなら、それもまた、
彼自身のちからで取り組むべきことで、
本来取り組めることです。

思春期前後の男子は、
表面的には反抗的でも、
内側では父親からの承認を
非常に求めているものです。

「父親はゴミだ」と言ったり
顔も合わせないのは、
単なる反抗というより、
本当は「傷ついた」「許せない」、

でも本当は「自分は親が思うほど
悪い人間じゃない」という痛みの
裏返しでもあるかもしれません。

彼の拒絶は、彼なりの自己防衛でも
あることを知っていてください。

「父親を許さない」と言うことで、
彼は傷ついたたましいを癒やし、
自分の尊厳を
必死に保とうとしています。

natsuさんが今できるのは、
彼らには彼らなりの課題があること
を信頼し、それに取り組む本人の力
を信じながら、

必要以上に背負わないこと、彼らの
感情の責任者にならないことです。

今の息子さんの状態をまずは
受け止めてあげることが大切です。

これは甘やかしとは違います。

人は、否定され続けると動けなく
なりますが、理解されると、
少しずつ自分の感覚を
取り戻していきます。

たとえば、

「どうしたら動けるの?」
「将来はどうするの?」
「昼夜逆転を直しなさい」

と未来へ引っ張ったりせず、

「今はしんどいんだね」
「エネルギーが出ないんだね」
「話してくれてありがとう」
「それほどまでに傷ついたんだね」

と、彼の痛みの事実だけを
そのまま受け止めてあげてください。

このような態度の変化はいずれ、
次男さんへの「安心感」に
つながることと思います。

「やりたいことがない、
 社会不適合者だ」という言葉も、
一見投げやりに聞こえますが、

実は、本当はみんなのように
上手くやりたいのに、
できない自分が情けないという、
彼の自己否定の叫びでもあります。

ただ、今の彼は、エネルギーが
枯渇している状態なので、

昼夜逆転も、食事を摂らないことも、
社会から自分を遮断して、
これ以上傷つかないための
「冬眠」のようなものかもしれません。

先のことを考えるのが面倒なのは、
未来に希望が見えない時の
防衛反応でもあります。

今は無理に前を向かせようとせず、
「今はただ、ここにいていいんだよ」
というメッセージを、
静かに見守る態度で
伝えてみてください。

natsuさんは今、次男さんの言動に
一喜一憂し、彼の人生を背負いすぎて
しまっているかもしれません。

彼が動けない現実を
「私の育て方のせい」と
引き受けてしまうと、
natsuさんのエネルギーまで
枯渇してしまいますので、

これからは、
「息子は息子の人生、私は私の人生」
という境界線を、
より意識的に引いてみてください。

人生、回り道をしながら、
ときに、回り道をしたからこそ
成熟する人もたくさんいます。

そのことを信頼して、

たとえ息子が不機嫌でも、
母親は好きなことをする。

息子が食べなくても、
母親は美味しいものを食べる。

息子が動かなくても、
母親は自分の楽しみのために外出する。

など、natsuさん自身が
ご自身の人生を楽しまれますように。

母親が自分の人生を楽しんでいる姿を
見せることは、彼にとって、
「自分が標準コースを辿っていなくても
 お母さんは大丈夫なんだ」
という安心感に繋がり、

結果として彼が背負っている
「母を悲しませている」という
罪悪感を減らすことになります。

そのためにも、たとえば、
豊かな自然を感じる場所へ出かけたり、
お仕事(パート)の時間を
「家庭を忘れる時間」として
活用したりして、

意識的に家庭以外の空気を吸い、
natsuさんの中に取り入れてください。

次男さんは現在17歳。
あと数年もすれば、
法的にも大人になりますね。

今すぐにすべてを解決しようとせず、
「今はこういう時期なのだ」と、
時間の流れに身を任せる勇気を
持ってください。

natsuさんが常に「良い母」である
必要などありません。

ただ、natsuさん自身が
「ご機嫌な一人の女性」でいられる
時間を、1日のうちに少しずつ
増やしてみてください。

その緩やかな空気が、
凍りついた彼の心を溶かす
いちばんの薬になることでしょう。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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Mature,Female,In,Elderly,Care,Facility,Gets,Help,From,Hospital

【Q】59歳の女性です。
3つ上の姉がいます。

私たちはそれぞれ家庭を持ち、
実家の隣県に住んでいます。

今年の初めに、3年間の闘病の末、
父が亡くなりました。

父は現役時代の職業柄、
本や書類など紙ものが多く、
家の中はどの部屋も
父の物であふれていました。

もともときれい好きな母は
長年それに悩まされていたようで、

「私の居場所がない」と
こぼすこともありましたが、
いつしか何も言わなくなっていました。

そんな父が亡くなったあと、
母はまるで何かに突き動かされるように
遺品をどんどん捨て始めました。

四十九日も終わらないうちから
迷いなく処分していく姿に、
正直驚きました。

姉や私も時間を見つけて
手伝いに行きましたが、
私たちはつい手を止めて、
父の物を眺めながら
思い出話をしてしまいます。

けれど母は一切立ち止まらず、
黙々と手を動かし続けます。

本当は、形見として手元に残したい
ものもありましたが、そんなことは
言い出しづらい雰囲気でした。

その後、無理がたたったのか、
母は腰を痛めてしまい、
現在は遺品整理を一時中断しています。

焦ることはないし、
少し休んだほうがいいと伝えると、
そこは素直に受け入れてくれました。

姉も私もほっとする一方で、
できればこのまま、父の部屋を
少しの間そっとしておいてほしい
という気持ちもあります。

両親は仲の良い夫婦でしたが、
母には母なりの長年の思いやストレス
もあったのだと思います。

夫婦のことは夫婦にしかわからない――
それは頭では理解しています。

それでも、娘としての私たちには
父との思い出や気持ちがあり、
母のやり方に戸惑いを感じてしまう
のも事実。

いずれ体調が戻れば、
母はまた整理を再開すると思います。

そのとき、私たちが残しておきたい
と思うものも、迷いなく
処分してしまうかもしれません。

母の気持ちを尊重したい思いと、
大好きだった父の娘としての
気持ちの間で揺れています。

こういうとき、どのように母と関わり、
どんな言葉をかけていけば
よいのでしょうか。

【ミチル・50代・女性・主婦】

【A】お父様のご逝去、
心よりお悔やみ申し上げます。

ミチルさんも、お父様の3年間の
闘病を見守り、そして見送られた後、
お母様の遺品整理の姿に
戸惑いを感じながら、
気持ちを抑えてこられたのですね。

お母様を傷つけたくない、
でもお父様との思い出も大切にしたい。

そのはざまで苦しまれていらっしゃる
のが伝わります。

お母様の「突き動かされるような行動」
について、四十九日も明けないうちから
迷いなく処分していく姿は、

ミチルさんやお姉様から見ると
「悲しくないのか?」と
映るかもしれません。

でも、もしかしたらこの行動は、
お母様なりの喪失の乗り越え方かも
しれません。

喪失の痛みがあまりにも大きいとき、
人は無意識に、「動き続けること」で
痛みを紛らわして自分を守ろうとします。

立ち止まろうものなら、
感情があふれ出してしまいそうなので、
心の均衡を保つのに必死で
手を止められないということもあるのです。

ですので、お母様は
決して薄情なわけではなく、
それどころか、麻痺させねばならないほど
深く傷ついている可能性があることも
知っておいてください。

悲嘆の表現が、お母様とミチルさんや
お姉様とでは違っただけかもしれません。

お母様が腰を痛めたことの意味もまた、
崩れてしまった心理社会的なバランスを
取り戻す機会かもしれませんね。

身体は正直です。

アタマが暴走してしまうところを、
「もう少しゆっくりしていいよ」と
身体がサインを出して
手綱を引いてくれたのかもしれません。

ミチルさんが「休んでほしい」と伝えたら
素直に受け入れてくれたとのことですので、
お母様自身もどこかで止まる許可を
必要としていたのでしょうね。

この機会にぜひ、お母様とゆっくり
話す時間も作ってみてください。

責めるでも諭すでもなく、
お父様の死に関して
お母様の中にある思いを外に出せる場
を作ってあげてみてください。

そして、じっくりと耳を傾けて
受け止めてあげてください。

これまでのお母様の献身や努力に
感謝を伝えることも忘れずに。

そのような会話の中で、
お父様の形見の希望を伝えてみてください。

お父様の部屋や遺品に囲まれていると、
親密さを感じ、懐かしみながら弔うことが
できる、ミチルさんにとって服喪の
大切なプロセスになるということを
伝えても良いと思います。

その際、お母様の整理の仕方に言及する
のではなく、ミチルさんご自身が
お父様が亡くなっても身近に感じたい
というニーズを、

そして、そのニーズをモノを通じて
満たせるので、形見を手元に置かせて
もらいたいと伝えてみてください。

もしかしたら、お母様も
嬉しく思うかもしれませんよ。

お母様が整理したいのは
あくまでも自分の家の空間であって、
娘たちの気持ちを踏みにじりたい
わけではないはずです。

お母様が長年望んできた
スッキリしたご自身の空間、開放感を
肯定したうえで、お願いとして伝えれば、
理解してその気持ちを受け取ってくれる
のではないでしょうか。

形見を分けることができたら、
その後の処分も一緒にすることを
提案してもよいかもしれませんね。

家族で思い出を語りながら整理する時間も、
お母様にとってもミチルさんやお姉様に
とっても、癒しのプロセスになるかも
しれません。

また、喪のプロセスがそれぞれである
ように、何より、夫婦のことは
夫婦にしかわからない……

これは、ミチルさんご自身も書いて
いらっしゃるとおり、
お父様とお母様お二人の課題があること
も受け入れてあげてください。

遺品整理のプロセスが、ミチルさん、
お母様、お姉様にとって豊かな
心の整理の時間となりますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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サムネ_20260419.2

ともちんさん(50代・女性・会社員)
のご相談にお答えします。

【Q】母が亡くなってから、
母のことを思うと、かわいそうでならず、
つらい気持ちが続いています。

私はこれまで、
母の自慢の娘になりたいと思いながらも
思うように成績が振るわなくなった頃から
関係がぎくしゃくし始め、

進学や結婚など、母の言うことに
反発しながら生きてきました。

距離を取ることで、今の自分が
形作られてきた部分もあると思います。

それでも、心のどこかでは
母は不器用で寂しい人だと感じていて、
本当は支えたい気持ちもありました。

しかし実際にはぶつかることの方が多く、
優しく接することができませんでした。

仕事で帰りが遅い私に代わり、母は
息子の食事を用意してくれていましたが、
そのことに対してもきちんと
感謝を伝えることができませんでした。

体調が悪く、夜中に病院へ行くことも
あったのに、寄り添うこともできなか
ったと、今になって悔やまれます。

そして何より、母が
「できるだけ苦しまずに最期を迎えたい」
と願っていたにもかかわらず、

在宅の準備が間に合わず、
結果的に長い間身体を拘束されるような
状況になってしまいました。

自分の判断の遅さによって、人間らしい
最期を迎えさせてあげられなかったことが
どうしても受け入れられません。

母が亡くなった今になって、
母の深い愛情に初めて気づきました。

長年抱いていた反発や憎しみは消え、
その分、自分の未熟さや愚かさ、
愛を素直に表現できなかったことへの
後悔が強く残っています。

感謝も、大好きだという気持ちも、
何一つ伝えられないまま
別れてしまったことが、
苦しくてなりません。

今も涙が出ない日はありません。

この後悔や罪悪感と、
これからどのように向き合っていけば
いいのでしょうか。

今からでも母への想いを届けることは
できるのでしょうか。

【A】ともちんさんのお母様への
愛の深さに、胸がキュンと締め付け
られるような思いになりました。

大切な人を失ったあとに
湧いてくる後悔や罪悪感は、
それだけ深く愛していた証でもあります。

「あのときもっと優しくできたのに」
「感謝を伝えればよかった」

そんな思いが何度もよみがえり、
自分を責め続けてしまうことも
あるかもしれませんね。

けれど、そのときの自分には
そのときの限界や状況があり、
その中で選び取ってきた関わり方
がありました。

離れて初めて気づく
想いや価値があるように、
今感じている後悔もまた、
大切な関係があったからこそ
生まれているものです。

そして、人生は一場面だけで
決まるものではなく、
関わり合ってきた時間すべてが
積み重なったもの。

最後の瞬間や一部の出来事だけを
切り取って、
すべてを否定する必要はありません。

また、たとえ形が変わっても、
心の中で想いを伝え続けることは、
今からでもできる関わりのひとつです。

この後悔や罪悪感と、
どのように向き合っていけばいいのか。

続きはビデオでお話ししています……

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アイコさん(50代・女性・会社員)
のご相談にお答えします。

【Q】娘が大学を留年してしまい、
卒業できませんでした。

就職も内定取消となり、
就活もやり直しです。

本人も相当ショックのようで、
落ち込んでいます。

卒業ギリギリの単位しか履修しておらず、
2単位落としてしまったのが
直接の原因です。

思い返せば、今までも
うっかりミスが多い子ではありました。

飛行機に乗り遅れる、
ポーチを置き忘れる、
朝起きられず単位を落とす、

アプリで単発バイトに申し込んでも、
日時を間違えて出勤する、などなど。

続けられたバイトもあり、
基本的には真面目なのですが、
詰めが甘く、大学生になってから
だらしなくなっていきました。

そして、今回の大きな失態へと
繋がってしまいました。

親としての責任も感じ、
ここまで、なぁなぁにしてきて
しまったことを深く反省しています。

本人からの反省の言葉も聞き、
9月卒業予定で勉学と就活と
バイトをしながら、
資格取得にも時間を充てたいと
考えているようです。

親としては、生活リズムを整えて、
4年間片付かなかった部屋を片付ける
生活を実行してほしいです。

本人もそう思っているようですが、
なかなか行動に移せません。

私の言うことはあまり聞かない娘に
どう向き合い、支えていくことが
よいのでしょうか?

【A】娘さんの留年や内定取消
という出来事は、
ご本人にとっても、ご家族にとっても
大きな衝撃だったと思います。

一方で、今回の出来事は、
社会に出る前に気づけた
「大切な課題」が浮き彫りになった
タイミングとも言えます。

やる気がないわけではないのに、
うまく行動に移せない。
ミスが繰り返されてしまう。

そんなとき、つい「意識の問題」
と捉えたくなりますが、
そこには“できない理由”や特性が
関わっていることもあります。

その場合、
必要なのは注意や叱責ではなく、
無理なく行動できる「仕組み」や
「環境」を整えること。

スケジュールを見える形にする、
タスクを細かく分ける、
リマインドを複数設定するなど、

行動を支える工夫を重ねていくことで、
「できる経験」を積み上げていく
ことができます。

また、親としては
指導する立場ではなく、
一緒に仕組みを考え、
伴走する関わりが大切になります。

そして「ちゃんとしなさい」と
伝えるほどに、本人の自信を
削いでしまうこともあるため、

できていない部分だけでなく、
「やろうとしている気持ち」にも
目を向けていくことが重要です。

どのように関わることで、
本人の力を引き出せるのか。

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