
Q:はじめまして。
近くに住む70代の義母との関係について
アドバイス頂きたくメールしました。
昨年義父が亡くなり義母は一人暮らしです。
まだ義理の父が入院していた頃、
それまでも一部生活費を負担していましたが、
生活費を援助してほしいと言われました。
その場には私たち夫婦と義弟がいましたが、
その時の義母とのやり取りに
怒りと悲しみを感じました。
また私たちの同意を得ないまま
義弟が勝手に援助の金額を決めました。
その後すぐに義父が亡くなり、
葬式の場で夫は義母に
「弟はお金を援助してくれたのに
あんたは何もしてくれない」
と言われたそうです。
義弟から援助について報告はなかったです。
葬式代は夫が負担し、その後は可能な範囲で
義母に生活費を渡しています。
この一連の出来事で感じた
怒りや悲しみの感情が
しこりのように残っています。
また義実家はモノで溢れており、
義母は掃除が好きではないので
私の感覚からすると汚部屋状態です。
義実家に行く度に
家の状態を見て悲しくなります。
見かねて台所の掃除をしたことも
ありましたが、
義母は汚れていても気にしないようです。
家の片づけもいずれ
やらなければならない日が来るので、
今のうちから少しずつ片づけようと
夫に伝えていますが何も進みません。
義母とは価値観に大幅な相違があり、
どちらが良い悪いではないと
頭では分かっていますが
彼女の言動に苛立ちを感じます。
もっと気にかけなければと思いますが
思いやりのある対応ができません。
夫も用事があるときしか
母親と連絡をとりません。
夫との関係は良好で、大切な夫の母親を
嫌いでいる状態が苦しいです。
よく相手は自分の鏡だと言いますが、
私は義母との関係から何を学び、
どう自分が変わるべきでしょうか?
アドバイス頂けたら幸いです。
【ももきち・40代・女性・サービス業・富山県】
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A:FROM 川畑のぶこ
価値観が合わず
怒りや悲しみを感じるにもかかわらず、
義母にきちんと向き合おうとする
ももきちさんの真摯な姿勢が伝わってきます。
同時にそのような真面目さが
ご自身をすり減らしてしまっていることも…
このような流れの中で、
ももきちさんが夫と愛ある良好な関係を
保てていることは大きな救いで
素晴らしいことです。
夫婦はもともと他人で、
結婚は異文化交流の場ですから、
ましてやその親兄弟となると
もっと距離感が出てくるのは当然です。
相手と自分の価値が異なるときに、
どちらが良い悪いではないことは
ももきちさんも理解しているとのことですが、
苦しみはももきちさんが
その距離を縮めなければと
努力していることにあるように見えます。
ここはひとつ、ももきちさんが
直接お手柄を立てることにこだわらず、
夫に言いたいことを伝えた上で、
夫の家族のことは
夫に任せてみてはいかがでしょうか?
私たちは、家族であっても、
それが夫婦であっても
適度な距離感というのは大切です。
どちらかに合わせて仲良し家族を演じるべく
ベッタリする必要などないのです。
むしろ、私たちは
自分のパーソナルスペース(縄張り)を
侵されたと思うと、不快に感じたり
怒りを感じたりします。
相手が困っておらず、頼まれていないのに
片づけや掃除をしてはいけないのも
このためです。
良かれとしてあげているつもりが
相手のパーソナルスペースを侵して
関係が悪化するだけという
残念な結果になります。
また、無理をすれば
相手に貸しをつくった感覚に陥りますが、
相手はそもそも自ら頼んでいないので
ありがたく思わないかもしれませんし、
借りを返そうという発想に
至らないかもしれません。
すると、そのことに
恨みの念を抱いてしまいます。
お金の援助も無理せず、
もしそのようなゆとりがないのなら、
それを率直に伝えれば良いだけです。
求められたら与えねばならないと
無理をしようとするから怒りが湧きます。
親はあるのにくれないと思っているだけで、
そもそも与えるお金が無いとわかれば
そこまで要求しないかもしれません。
お金の援助ができないのなら、
はっきりできない、
あるいは少額ならできるなら
そのことを伝えてみてください。
心理学用語にバウンダリーと呼ばれる
大切な概念があります。
バウンダリーとは、
心理的、感情的、物理的な境界や限界を
指しますが、人間関係においては、
個人の価値観、感情、
プライバシーを守るための線引きのことです。
好きでもない相手、むしろ嫌いな相手に
好かれようと無理な努力をして
近づこうとするから、
疲れて相手が嫌になりますし
相手もそれを感じとることでしょう。
バウンダリーを設けて無理をしなくなれば、
相手のことを悪く思わなくて済むように
なりますから、
自分自身も相手も守れますし、
ストレスを軽減できます。
大切にしたいから近づくのではなく、
大切にしたいからこそ
適度な距離を置くのだと
考えてみてください。
健全なバウンダリーは
自他を尊重することに繋がり、
むしろ良好な関係に必要なことと
考えてみてください。
私たち人間は好き嫌いがある生き物です。
みんなを好きになるのは
不自然で不可能です。
たとえ夫のことが好きだからと言って、
夫の大切なものまで好きになる必要は
ありませんし、
夫ですら距離をとっているものであれば
なおさらその必要はありません。
分かり合えないことがあってよい。
全てを好きになる必要などない。
すべての人に好意的に思われなくてよい。
家族であっても距離をとってよい。
価値観の合わない姑は嫌いのままでよい。
といった具合に、
執着を手放す潔さを育んでみてください。
みんなに好かれなくてよい。
みんなを好きになれない私で良い。
ももきちさんは
それでも素敵な人なのですから。
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