親子関係

サムネ_202600517修正

心配ママさん(50代・女性・パート)
のご相談にお答えします。

【Q】4月に入った頃、大学生の息子が
昨年12月に食べ物を喉につまらせた
トラウマで、食べ物を飲み込む際に
恐怖心があると言ってきました。
 
今は、食べ物によっては
一旦咀嚼してお皿に出し
それを再度口に入れ、

本当に飲み込んで大丈夫か?
確認しながら食べているため、
食事の量は以前よりだいぶ減ったのに、
時間は相当かかっています。

息子に受診を2度勧めましたが、
乗り気ではありません。
そして、受診を勧めてから
症状が重くなった気がしています。

他人より自分を信じる、
意志が強い息子の性格では
心療内科の受診は難しいと思い、

嚥下機能の訓練をしてくれる病院に
問い合わせると、まず内科を
受診して欲しいと言われました。

食べられる食材も限定的になり、
市の栄養相談を受けたところ、

今は本人が無理せず食べられる
形態と量で、本人のペースで
食べさせてあげて、と言われました。

週1・2回体力作りのため
プールで泳いでいますが、
おやつの量も減っていて、
エネルギー不足で倒れないか心配です。

元々細身体形ですが、
最近顔や体つきがさらに
ほっそりしてきたように思います。
それを見るのが辛いです。

3月に亡くなった私の父が
誤嚥性肺炎だったのですが、
口から食べること=生きることを
目の当たりにしたこと、

母からは栄養を考えた料理を
食べさせてもらった経験から、
私は食事に対する思いが強い方です。

この状況がいつまで続く?
今後他人と外食はできる?
と考えると、私は夜も眠れません。

息子が苦労しながら食べている姿を
側で見ているので、
私の精神が削られています。
メニューを考えるのも苦痛です。

つい数日前から、息子は
数年後に受ける国家試験の勉強を
始めました。

ストイックな子なので、
自分の身体が二の次になって
しまうのではと心配です。

息子の身体面、精神面、栄養面は
大丈夫でしょうか?

私は、課題の分離が
できていないのでしょうか?

私の心の持ちようと、
息子への接し方やできるサポートが
あれば教えて頂きたいです。
 

【A】息子さんが「食べること」を
怖がるようになってしまった姿を
見ているのは、本当につらいですね。

食べる量が減って、時間もかかる。
どんどん痩せていくように見える。

しかも、ご本人も苦しそうで、
お母さま自身も
眠れなくなってしまっている…。

でも私は、息子さんは
「食べられなくなった」のではなく、

“怖さと向き合いながら、
それでも食べようとしている”んだ
と思うんです。

一旦口から出して確認しながらでも、
彼なりに安全を確かめながら、
ちゃんと食べようとしている。

そこは、
ぜひ見てあげてほしいなと思います。

窒息体験は、命の危険を感じる、
とても強い恐怖体験です。

ですから、「またあの苦しさが
起きたらどうしよう」と怖くなるのは、
ある意味とても自然な反応です。

だからこそ今は、
「ちゃんと食べなきゃ」
「もっと栄養を取らなきゃ」
とプレッシャーをかけるよりも、

“今の彼ができていること”に
目を向けてあげることが大切です。

「ちゃんと食べられているね」
「少しずつで大丈夫だよ」

そんな安心感のほうが、
今の息子さんには
必要なのかもしれません。

また、もし可能であれば、
一度は内科的な検査を受けてみる
ことをお勧めします。

実際に嚥下機能や身体的な問題が
隠れていないか確認できれば、
それだけでも安心につながることが
あります。

そして心配ママさんご自身も、
“何とかしなきゃ”と
抱え込みすぎないこと。

心配するお気持ちは当然です。

でも、今の息子さんに必要なのは、
「大丈夫」「ゆっくりでいい」
という空気感かもしれません。

食べることへの不安と
どう向き合っていけばいいのか。

親として、どんな距離感で
支えていけばいいのか。

続きはビデオでお話ししています……

ーーー

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【Q】いつもメルマガを
読ませて頂いています。

私には、息子3人(20歳:発達グレー、
17歳、13歳)がいます。

主人は転勤族で、
この10年単身赴任をしており、
私がワンオペで育ててきました。
(月1度帰省。両方の両親も遠方です)

次男についての相談です。

もともと口調がキツく、
トラブルの多い子で、
苦労してきました。

中3の頃から行き渋りがあったものの、
高校受験は無事に志望校に合格しました。

ただ、ずっと朝が苦手で、
私が必死に起こす生活が続いていて、
高校入学後も変わらずで…

高1の6月から何をしても起きなくなり、
五月雨登校→不登校
→出席日数不足で進級不可
→通信に転学で、現在高3です。

昼夜逆転が続いており、
バイトをいくつかしてみたものの
起きられないので続かず。

自宅では、食事もろくに取らず、
私が話しかけてもキレるか無視でした。

やっと先日少し話せたのですが、
「やりたいことがない、
 社会不適合者だから」とのこと。

先のことを考えるのは
面倒くさいそうです。

次男は、主人に対して
強い恨みを持っていて
「一生許さない!アイツはゴミだ!」
と言います。

(小中学生の頃、2.3回、
お前なんか出てけ!と家から
引き摺り出されたことがあり、次男は
暴力だ、虐待されたと思っています)

今は、主人が帰省しても
一切顔を合わせることもありません。

この2年間、私自身、沢山学び、
カウンセリングも受けながら、
子どもへの過保護、過干渉をやめ、
期待を手放しつつあるとは思いますが、
目の前の現実が苦しいです。

私はどうしていけばいいでしょうか?

【natsu・50代・女性・パート】

【A】natsuさん、
いつもメルマガを読んでくださり、
ありがとうございます。

これまで10年もの間、
ご主人の単身赴任という状況下で、
3人のお子さんを実質お一人で
育ててこられたとのこと。

しかも、発達特性への配慮、
思春期の息子さんたちとの関わり、
不登校、昼夜逆転、進路問題――

おひとりで抱えるには
あまりにも重たい状況です。

その責任感と、どれほどの孤独な
努力があったかと思います。

とくに次男さんのことでは、
これまで何度も
心を砕いてこられたのですね。

natsuさんご自身が、
カウンセリングを受け、学び、

ご自身の「過干渉」や「期待」に
向き合ってこられたプロセスは、
並大抵の努力ではないと思いますし、

すでに大切な方向転換を
始めていらっしゃるように思います。

子どもが苦しんでいるとき、
親はつい「なんとかしなければ」と
前に出たくなるものですので。

ただ、今の次男さんに必要なのは、
「引っ張られること」よりも
自分で動ける感覚を取り戻すこと
なのだと思います。

今の彼は、一見すると
「怠けている」「やる気がない」
ように見えるかもしれません。

けれど実際には、

「自分は社会不適合者だ」
「やりたいことがない」
「考えるのも面倒」

という言葉の背後に、
かなり深い無力感や自己否定感が
あるように感じます。

人は、本当にエネルギーが落ちている
とき、「未来を考える」ということ
自体が苦痛になります。

けれど、次男さんの人生を立て直す力
は本来、次男さん自身の中にあります。
そのことを信じてあげてください。

そして、次男さんが父親と向き合う
課題があるなら、それもまた、
彼自身のちからで取り組むべきことで、
本来取り組めることです。

思春期前後の男子は、
表面的には反抗的でも、
内側では父親からの承認を
非常に求めているものです。

「父親はゴミだ」と言ったり
顔も合わせないのは、
単なる反抗というより、
本当は「傷ついた」「許せない」、

でも本当は「自分は親が思うほど
悪い人間じゃない」という痛みの
裏返しでもあるかもしれません。

彼の拒絶は、彼なりの自己防衛でも
あることを知っていてください。

「父親を許さない」と言うことで、
彼は傷ついたたましいを癒やし、
自分の尊厳を
必死に保とうとしています。

natsuさんが今できるのは、
彼らには彼らなりの課題があること
を信頼し、それに取り組む本人の力
を信じながら、

必要以上に背負わないこと、彼らの
感情の責任者にならないことです。

今の息子さんの状態をまずは
受け止めてあげることが大切です。

これは甘やかしとは違います。

人は、否定され続けると動けなく
なりますが、理解されると、
少しずつ自分の感覚を
取り戻していきます。

たとえば、

「どうしたら動けるの?」
「将来はどうするの?」
「昼夜逆転を直しなさい」

と未来へ引っ張ったりせず、

「今はしんどいんだね」
「エネルギーが出ないんだね」
「話してくれてありがとう」
「それほどまでに傷ついたんだね」

と、彼の痛みの事実だけを
そのまま受け止めてあげてください。

このような態度の変化はいずれ、
次男さんへの「安心感」に
つながることと思います。

「やりたいことがない、
 社会不適合者だ」という言葉も、
一見投げやりに聞こえますが、

実は、本当はみんなのように
上手くやりたいのに、
できない自分が情けないという、
彼の自己否定の叫びでもあります。

ただ、今の彼は、エネルギーが
枯渇している状態なので、

昼夜逆転も、食事を摂らないことも、
社会から自分を遮断して、
これ以上傷つかないための
「冬眠」のようなものかもしれません。

先のことを考えるのが面倒なのは、
未来に希望が見えない時の
防衛反応でもあります。

今は無理に前を向かせようとせず、
「今はただ、ここにいていいんだよ」
というメッセージを、
静かに見守る態度で
伝えてみてください。

natsuさんは今、次男さんの言動に
一喜一憂し、彼の人生を背負いすぎて
しまっているかもしれません。

彼が動けない現実を
「私の育て方のせい」と
引き受けてしまうと、
natsuさんのエネルギーまで
枯渇してしまいますので、

これからは、
「息子は息子の人生、私は私の人生」
という境界線を、
より意識的に引いてみてください。

人生、回り道をしながら、
ときに、回り道をしたからこそ
成熟する人もたくさんいます。

そのことを信頼して、

たとえ息子が不機嫌でも、
母親は好きなことをする。

息子が食べなくても、
母親は美味しいものを食べる。

息子が動かなくても、
母親は自分の楽しみのために外出する。

など、natsuさん自身が
ご自身の人生を楽しまれますように。

母親が自分の人生を楽しんでいる姿を
見せることは、彼にとって、
「自分が標準コースを辿っていなくても
 お母さんは大丈夫なんだ」
という安心感に繋がり、

結果として彼が背負っている
「母を悲しませている」という
罪悪感を減らすことになります。

そのためにも、たとえば、
豊かな自然を感じる場所へ出かけたり、
お仕事(パート)の時間を
「家庭を忘れる時間」として
活用したりして、

意識的に家庭以外の空気を吸い、
natsuさんの中に取り入れてください。

次男さんは現在17歳。
あと数年もすれば、
法的にも大人になりますね。

今すぐにすべてを解決しようとせず、
「今はこういう時期なのだ」と、
時間の流れに身を任せる勇気を
持ってください。

natsuさんが常に「良い母」である
必要などありません。

ただ、natsuさん自身が
「ご機嫌な一人の女性」でいられる
時間を、1日のうちに少しずつ
増やしてみてください。

その緩やかな空気が、
凍りついた彼の心を溶かす
いちばんの薬になることでしょう。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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【Q】59歳の女性です。
3つ上の姉がいます。

私たちはそれぞれ家庭を持ち、
実家の隣県に住んでいます。

今年の初めに、3年間の闘病の末、
父が亡くなりました。

父は現役時代の職業柄、
本や書類など紙ものが多く、
家の中はどの部屋も
父の物であふれていました。

もともときれい好きな母は
長年それに悩まされていたようで、

「私の居場所がない」と
こぼすこともありましたが、
いつしか何も言わなくなっていました。

そんな父が亡くなったあと、
母はまるで何かに突き動かされるように
遺品をどんどん捨て始めました。

四十九日も終わらないうちから
迷いなく処分していく姿に、
正直驚きました。

姉や私も時間を見つけて
手伝いに行きましたが、
私たちはつい手を止めて、
父の物を眺めながら
思い出話をしてしまいます。

けれど母は一切立ち止まらず、
黙々と手を動かし続けます。

本当は、形見として手元に残したい
ものもありましたが、そんなことは
言い出しづらい雰囲気でした。

その後、無理がたたったのか、
母は腰を痛めてしまい、
現在は遺品整理を一時中断しています。

焦ることはないし、
少し休んだほうがいいと伝えると、
そこは素直に受け入れてくれました。

姉も私もほっとする一方で、
できればこのまま、父の部屋を
少しの間そっとしておいてほしい
という気持ちもあります。

両親は仲の良い夫婦でしたが、
母には母なりの長年の思いやストレス
もあったのだと思います。

夫婦のことは夫婦にしかわからない――
それは頭では理解しています。

それでも、娘としての私たちには
父との思い出や気持ちがあり、
母のやり方に戸惑いを感じてしまう
のも事実。

いずれ体調が戻れば、
母はまた整理を再開すると思います。

そのとき、私たちが残しておきたい
と思うものも、迷いなく
処分してしまうかもしれません。

母の気持ちを尊重したい思いと、
大好きだった父の娘としての
気持ちの間で揺れています。

こういうとき、どのように母と関わり、
どんな言葉をかけていけば
よいのでしょうか。

【ミチル・50代・女性・主婦】

【A】お父様のご逝去、
心よりお悔やみ申し上げます。

ミチルさんも、お父様の3年間の
闘病を見守り、そして見送られた後、
お母様の遺品整理の姿に
戸惑いを感じながら、
気持ちを抑えてこられたのですね。

お母様を傷つけたくない、
でもお父様との思い出も大切にしたい。

そのはざまで苦しまれていらっしゃる
のが伝わります。

お母様の「突き動かされるような行動」
について、四十九日も明けないうちから
迷いなく処分していく姿は、

ミチルさんやお姉様から見ると
「悲しくないのか?」と
映るかもしれません。

でも、もしかしたらこの行動は、
お母様なりの喪失の乗り越え方かも
しれません。

喪失の痛みがあまりにも大きいとき、
人は無意識に、「動き続けること」で
痛みを紛らわして自分を守ろうとします。

立ち止まろうものなら、
感情があふれ出してしまいそうなので、
心の均衡を保つのに必死で
手を止められないということもあるのです。

ですので、お母様は
決して薄情なわけではなく、
それどころか、麻痺させねばならないほど
深く傷ついている可能性があることも
知っておいてください。

悲嘆の表現が、お母様とミチルさんや
お姉様とでは違っただけかもしれません。

お母様が腰を痛めたことの意味もまた、
崩れてしまった心理社会的なバランスを
取り戻す機会かもしれませんね。

身体は正直です。

アタマが暴走してしまうところを、
「もう少しゆっくりしていいよ」と
身体がサインを出して
手綱を引いてくれたのかもしれません。

ミチルさんが「休んでほしい」と伝えたら
素直に受け入れてくれたとのことですので、
お母様自身もどこかで止まる許可を
必要としていたのでしょうね。

この機会にぜひ、お母様とゆっくり
話す時間も作ってみてください。

責めるでも諭すでもなく、
お父様の死に関して
お母様の中にある思いを外に出せる場
を作ってあげてみてください。

そして、じっくりと耳を傾けて
受け止めてあげてください。

これまでのお母様の献身や努力に
感謝を伝えることも忘れずに。

そのような会話の中で、
お父様の形見の希望を伝えてみてください。

お父様の部屋や遺品に囲まれていると、
親密さを感じ、懐かしみながら弔うことが
できる、ミチルさんにとって服喪の
大切なプロセスになるということを
伝えても良いと思います。

その際、お母様の整理の仕方に言及する
のではなく、ミチルさんご自身が
お父様が亡くなっても身近に感じたい
というニーズを、

そして、そのニーズをモノを通じて
満たせるので、形見を手元に置かせて
もらいたいと伝えてみてください。

もしかしたら、お母様も
嬉しく思うかもしれませんよ。

お母様が整理したいのは
あくまでも自分の家の空間であって、
娘たちの気持ちを踏みにじりたい
わけではないはずです。

お母様が長年望んできた
スッキリしたご自身の空間、開放感を
肯定したうえで、お願いとして伝えれば、
理解してその気持ちを受け取ってくれる
のではないでしょうか。

形見を分けることができたら、
その後の処分も一緒にすることを
提案してもよいかもしれませんね。

家族で思い出を語りながら整理する時間も、
お母様にとってもミチルさんやお姉様に
とっても、癒しのプロセスになるかも
しれません。

また、喪のプロセスがそれぞれである
ように、何より、夫婦のことは
夫婦にしかわからない……

これは、ミチルさんご自身も書いて
いらっしゃるとおり、
お父様とお母様お二人の課題があること
も受け入れてあげてください。

遺品整理のプロセスが、ミチルさん、
お母様、お姉様にとって豊かな
心の整理の時間となりますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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ともちんさん(50代・女性・会社員)
のご相談にお答えします。

【Q】母が亡くなってから、
母のことを思うと、かわいそうでならず、
つらい気持ちが続いています。

私はこれまで、
母の自慢の娘になりたいと思いながらも
思うように成績が振るわなくなった頃から
関係がぎくしゃくし始め、

進学や結婚など、母の言うことに
反発しながら生きてきました。

距離を取ることで、今の自分が
形作られてきた部分もあると思います。

それでも、心のどこかでは
母は不器用で寂しい人だと感じていて、
本当は支えたい気持ちもありました。

しかし実際にはぶつかることの方が多く、
優しく接することができませんでした。

仕事で帰りが遅い私に代わり、母は
息子の食事を用意してくれていましたが、
そのことに対してもきちんと
感謝を伝えることができませんでした。

体調が悪く、夜中に病院へ行くことも
あったのに、寄り添うこともできなか
ったと、今になって悔やまれます。

そして何より、母が
「できるだけ苦しまずに最期を迎えたい」
と願っていたにもかかわらず、

在宅の準備が間に合わず、
結果的に長い間身体を拘束されるような
状況になってしまいました。

自分の判断の遅さによって、人間らしい
最期を迎えさせてあげられなかったことが
どうしても受け入れられません。

母が亡くなった今になって、
母の深い愛情に初めて気づきました。

長年抱いていた反発や憎しみは消え、
その分、自分の未熟さや愚かさ、
愛を素直に表現できなかったことへの
後悔が強く残っています。

感謝も、大好きだという気持ちも、
何一つ伝えられないまま
別れてしまったことが、
苦しくてなりません。

今も涙が出ない日はありません。

この後悔や罪悪感と、
これからどのように向き合っていけば
いいのでしょうか。

今からでも母への想いを届けることは
できるのでしょうか。

【A】ともちんさんのお母様への
愛の深さに、胸がキュンと締め付け
られるような思いになりました。

大切な人を失ったあとに
湧いてくる後悔や罪悪感は、
それだけ深く愛していた証でもあります。

「あのときもっと優しくできたのに」
「感謝を伝えればよかった」

そんな思いが何度もよみがえり、
自分を責め続けてしまうことも
あるかもしれませんね。

けれど、そのときの自分には
そのときの限界や状況があり、
その中で選び取ってきた関わり方
がありました。

離れて初めて気づく
想いや価値があるように、
今感じている後悔もまた、
大切な関係があったからこそ
生まれているものです。

そして、人生は一場面だけで
決まるものではなく、
関わり合ってきた時間すべてが
積み重なったもの。

最後の瞬間や一部の出来事だけを
切り取って、
すべてを否定する必要はありません。

また、たとえ形が変わっても、
心の中で想いを伝え続けることは、
今からでもできる関わりのひとつです。

この後悔や罪悪感と、
どのように向き合っていけばいいのか。

続きはビデオでお話ししています……

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アイコさん(50代・女性・会社員)
のご相談にお答えします。

【Q】娘が大学を留年してしまい、
卒業できませんでした。

就職も内定取消となり、
就活もやり直しです。

本人も相当ショックのようで、
落ち込んでいます。

卒業ギリギリの単位しか履修しておらず、
2単位落としてしまったのが
直接の原因です。

思い返せば、今までも
うっかりミスが多い子ではありました。

飛行機に乗り遅れる、
ポーチを置き忘れる、
朝起きられず単位を落とす、

アプリで単発バイトに申し込んでも、
日時を間違えて出勤する、などなど。

続けられたバイトもあり、
基本的には真面目なのですが、
詰めが甘く、大学生になってから
だらしなくなっていきました。

そして、今回の大きな失態へと
繋がってしまいました。

親としての責任も感じ、
ここまで、なぁなぁにしてきて
しまったことを深く反省しています。

本人からの反省の言葉も聞き、
9月卒業予定で勉学と就活と
バイトをしながら、
資格取得にも時間を充てたいと
考えているようです。

親としては、生活リズムを整えて、
4年間片付かなかった部屋を片付ける
生活を実行してほしいです。

本人もそう思っているようですが、
なかなか行動に移せません。

私の言うことはあまり聞かない娘に
どう向き合い、支えていくことが
よいのでしょうか?

【A】娘さんの留年や内定取消
という出来事は、
ご本人にとっても、ご家族にとっても
大きな衝撃だったと思います。

一方で、今回の出来事は、
社会に出る前に気づけた
「大切な課題」が浮き彫りになった
タイミングとも言えます。

やる気がないわけではないのに、
うまく行動に移せない。
ミスが繰り返されてしまう。

そんなとき、つい「意識の問題」
と捉えたくなりますが、
そこには“できない理由”や特性が
関わっていることもあります。

その場合、
必要なのは注意や叱責ではなく、
無理なく行動できる「仕組み」や
「環境」を整えること。

スケジュールを見える形にする、
タスクを細かく分ける、
リマインドを複数設定するなど、

行動を支える工夫を重ねていくことで、
「できる経験」を積み上げていく
ことができます。

また、親としては
指導する立場ではなく、
一緒に仕組みを考え、
伴走する関わりが大切になります。

そして「ちゃんとしなさい」と
伝えるほどに、本人の自信を
削いでしまうこともあるため、

できていない部分だけでなく、
「やろうとしている気持ち」にも
目を向けていくことが重要です。

どのように関わることで、
本人の力を引き出せるのか。

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ヒロミさん(60代・女性・パート)
のご相談にお答えします。

【Q】38歳の長女から
「あなたはASDだから私を理解できない」
と言われ、カウンセリングを
受けて欲しいと強く言われました。

私は自分ではそう思っていないので、
病院に行く必要性を感じていませんが、

ただ、娘がとても苦しんでいるのは
わかるので、
親としてどう理解したら良いのか、
川畑さんに相談させていただきます。

娘は、高3の12月から不登校になり、
それからほぼ20年経ちます。

大学受験はなんとか合格しましたが、
やはり半年で行けなくなり、退学。

その後、専門学校に入学。
なんとか卒業し、好きな職業に就き、
本人は頑張っていたのですが、

それも束の間、パワハラ上司からの
言葉や態度がトラウマになって
出社できなくなりました。

しばらく休んだのち、
バイトも探し、行っていたのですが、

コロナの頃から外に出られなくなり、
ひと月に1〜2回の通院以外、
外に出られなくなりました。

今は風呂にも入らず
食事も炭水化物しか摂らない偏食で、
私の作ったものは食べなくなり、
セルフネグレクト状態が続いています。

それまでは自分を責めて
オーバードーズもしたり、

生きていたくないと、
どうしようもない怒りが
自分に向いていたのですが、

最近は全て親のせいと罵ります。

買い物依存にもなり、
親のせいだからお金は使って当然
と公言しています。

発達障害による2次障害の鬱病との
診断を受け、人生が停滞しているのも
全て母親の私の育て方が悪かったからだ、
との結論に達したようです。

もともと感受性が強く
突き詰めて考えるタイプの長女は、

自分がどうして問題を抱えて
20年も時間を無駄にしているのかを
生育歴から振り返って見た結果、

私が長女を受け入れる共感力が
なかったからだ、
そしてそれは、私がASDだからだ、
との考えに至ったようです。

最初、娘から親のせいだと罵られた時
は取り合わなかったのですが、

何度も何度も怒りをぶつけてくるのは、
私との関係性を諦めず、自分なりの考え
をわかって欲しいとの気持ちなのか?

と切ない気持ちも感じられ、
なんとか彼女を理解したいとも思います。

そんな彼女に、
私はどう対応したら良いのでしょう。

長女からは何度も「理解してほしい」
のサインが出ていたのに、

母親としての思い込みから
全てスルーしていたなぁと
今は反省しています。

なぜか、娘の言いなりになるのが
悔しかったのだと思います。

発達障害の本を読んでくれと渡されても、
優秀な彼女がそんなはずないと、
変な偏見を持っていたことも
あったと思います。

その間、何度もトライしてくれた長女に
対して、今回は応えたいと思っています。

娘からも、分かり合える最後の機会かも
とも言われています。

お知恵をお貸しください。
よろしくお願いいたします。

【A】「あなたのせいで私はこうなった」
そう娘さんから繰り返し責められると、
つらさや戸惑いを感じるのは
当然のことです。

それでもなお、「今度こそ応えたい」と
思うそのお気持ちから、
深い愛情が伝わってきます。

こうした状況で陥りやすいのが、
「どちらが正しいのか」を
はっきりさせようとすることです。

けれど、ここで本当に大切なのは
正しさの決着ではなく、
関係性の再構築です。

娘さんが繰り返し伝えているのは、
診断の正しさや事実関係そのものではなく、
「わかってほしい」という気持ち。

これまでの苦しさや孤独感、
受け止めてもらえなかったという思いを、
なんとか届けようとしている可能性が
あります。

そのとき必要なのは、
説明や正論ではなく、共感です。

「そう感じてきたんだね」
「つらかったね」

まずはその気持ちを受け止めること。

たとえ事実の認識が違っていたとしても、
“そう感じてきた心”に寄り添うことが、
関係をつなぎ直す一歩になります。

また、これまで
自分を責め続けてきた娘さんが
外に向けて気持ちを表現し始めたことも、
一つの変化のプロセスと捉えることが
できます。

同時に、親としてすべてを背負い込む
のではなく、それぞれの課題を
分けて捉えることも大切です。

寄り添いながらも、
自分自身の軸を保つこと。

そのバランスの中で、
関係は少しずつ変わっていきます。

続きは動画でお話ししています……。

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お茶さん(30代・女性・主婦)のご相談にお答えします。

【Q】こんにちは。
川畑先生のお悩み相談の回答を、
いつも楽しみにしています。

先生の的確で温かな回答から
生きるヒントを得ています。

さて、私の最近の悩みは、
義父の義母への態度です。

背景として、義両親は、
義父の両親から引き継いだ病院を
経営しています。

以前は経営が上手くいっていた
ようですが、今は赤字のようです。

義父は、35年ほど前から
新興宗教に夢中になっていて、
結構な額を献金したり、
私達を勧誘したりしてきます。

そして、15年ほど前から
不倫をしているようです。

この件は、私が外出先で
義父と見知らぬ女性が
歩いているのを偶然目撃して、
夫に尋ねて知りました。

義母も知っているそうです。

このような義父ですが、
義母の私に対する態度が
酷すぎると怒ってくれたり、
義母以外の家族には優しいです。

ですが、義母に対しては、
暴言の連発です。

誕生日会やクリスマス会など
年に6回ほどは義両親と私達家族で
集まって食事をするのですが、

私達の前でいかに義母の振る舞いで
自分が迷惑しているかということを
語り、義母のことをこき下ろします。

「養ってやっているんだから」や
「義母は僕の寄生虫だ」が口癖です。

そして、ついに先日は、
食事中に義母がこぼして騒いでいると
「死ね!」とまで言い放ちました。

ちなみに、義父が主張する、
義母の言動で迷惑していることは、

経営の仕事を一緒にする上で、
義母が義父に嘘をつく、

会計面で大雑把、
勘違いや覚え違いが多く
会話が成立しない、
否定ばかりすること、などで、

仕事以外では、義母の言動は
それほど気にならないそうです。

義父が義母をこき下ろす間、
人前では、義母は義父に
言い返したりはあまりせず、
黙っています。

夫によると、義両親2人の時は
言い合いになることもあるようです。

夫は見ているだけです。
私が義母を庇うような発言をすると、
義父は、火に油を注いだように
ますますまくし立ててきます。

義父のモラハラについて、
夫に何度か話したことがあるのですが、
昔からあの2人はああいう感じで、
夫婦としては終わっているんだ、
と話しています。

夫は、子どもの頃から
そんな両親の関係に
自分は関与しないという姿勢を
とってきたようですが、

一方では、
職場で父のようなモラハラをする
上司に耐え続けてしまい、
適応障害になって
離職したこともあります。

私は、子どもの前でそのような
様子を見せるのが嫌です。

義母と私は相性が良くないと
感じることもあるのですが、
たとえ義母じゃなくても
他人が罵られている様子を
見るのは辛いです。

このような状況で、
なんとかしたい場合、
川畑先生ならどのように
考えられるでしょうか。

アドバイスをいただけたら幸いです。

【A】義父が義母を激しく罵る
場面に立ち会うたびに、
「なんとかしなければ」と
感じてしまう——

お茶さんのその感覚は、
とても自然で健全なものです。

本来、家族での食事の場は
安心やぬくもりを分かち合う場所。

そこに暴言が飛び交えば、
つらさや違和感を覚えるのは当然です。

ただ、この問題は
「義父を止めれば解決する」
というようなシンプルな構造では
ありません。

長年の夫婦関係の中で築かれてきた
関わり方や、経営のストレス、
信仰、不倫など、
さまざまな要素が絡み合い、

一つの“関係のかたち”として
固定化されています。

そのため、外側から働きかけて
変えようとすることは、
現実的にはとても難しいものです。

さらに、第三者が介入することで
かえって関係がこじれたり、
結束が強まってしまうことすらあります。

だからこそ大切なのは、
「相手を変えること」ではなく、
「自分の立ち位置を整えること」。

無理に正そうとしたり、
誰かを救おうと背負い込む必要は
ありません。

つらい場面からは距離を取る、
滞在時間を短くする、
子どもを守るためにその場を離れる——

そうした“境界線”を持つことは、
決して冷たいことではなく、
自分と大切な人を守るための
健全な選択です。

また、ご主人に対しても
「どうして止めないのか」と
責めるのではなく、
「私はこの状況がつらい」と
自分の気持ちを伝えることが大切です。

相手を変えることはできなくても、
自分の関わり方や距離の取り方は
変えていけます。

その一歩が、心を守ることに
つながっていきます。

続きは動画でお話ししています……。

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【Q】75歳の母のことでご相談です。
母は私の家から徒歩10分ほどの実家で
一人暮らしをしています。

昨年、18歳まで生きた愛犬を看取り、
その数ヶ月後には闘病中だった父も
亡くなりました。

母はしばらく深い悲しみの中に
いましたが、最近ようやく少しずつ
元気を取り戻してきました。

そんな母が、ここへきて
「また犬を飼いたい」と言い始めています。

母は昔から大の犬好きで、
子ども時代・独身時代も含めると
5頭の犬と暮らしてきました。

昨年亡くなった犬も、散歩や世話は
ほとんど母が最後までしていました。

今度飼うなら、
小型犬で室内飼いができる犬、
幼犬でなく保護犬でもいいと言っています。

ただ、もし幼い犬を迎えた場合、
犬が10歳の時には母は85歳、
15歳まで生きれば母は90歳になります。

犬の世話に慣れている母なら
大丈夫かもしれないとも思いますが、
将来のことを考えると楽観もできません。

私も犬は好きなので、母の体調が悪い時
などは手伝うつもりですが、
それがずっと続けられるかどうかは
正直わかりません。

父と犬を続けて亡くし、寂しさを
抱えている母の気持ちは理解できます。

でも、だからといって、
「いいよ」と簡単に背中を押すのも
娘として無責任な気がしてしまいます。

母の気持ちを傷つけずに、この問題と
どう向き合えばよいのか悩んでいます。

犬を迎えることを止めた方がいいのか、
それとも何か別の形で母の寂しさを
支える方法があるのか、
アドバイスをいただけたら嬉しいです。

【ポチ・50代・女性】

【A】ご相談ありがとうございます。

お母さん思いのポチさんの気持ちが伝わり、
わんこオーナーの私もお話を伺って
切ない気持ちです。

お母様は18年間生きた愛犬を看取り、
その数ヵ月後に夫(お父様)も
亡くされたとのこと。

大切な家族を続けて亡くすことは、
人生のなかでもとても大きな
喪失体験であったことと思います。

ただ、そのような中で
「また犬と暮らしたい」と思えるように
なったのは、お母様の心が少しずつ
回復してきた兆しでもあると思います。

長年犬と暮らしてきたお母様にとって、
毎日散歩をしたり、話しかけたり、
世話をしたりしてきた犬は、
生活そのものであったと思いますし、

ポチさんの悩みも、そのことが
わかっているからこそだと思います。

心理学的な視点からは、
今回のご相談のテーマは、喪失のあとに
新しい愛着の対象を持てるかどうか
ということになります。

人は大切な存在を失うと、
もう二度と同じ悲しみを味わいたくない
と思う一方で、

それでもまた誰かを愛したい、
誰かを大切にしたいと願う心も
持っています。

その力は、人が人生を前へ進めるための
とても大切なエネルギーでもあります。

また、高齢者の心身の健康と
犬を飼うことには深い関係がある
という研究もたくさんあります。

東京都健康長寿医療センターが
行った研究では、
犬を飼育する高齢者では
フレイル(加齢にともなう心身の活力低下)
や自立喪失のリスクが
大幅に低いことを報告しています。

認知症リスクと犬飼育に関して、
約1万1千人の高齢者を対象にした
大規模研究では、

犬を飼っている人は
認知症発症リスクが約40%低く、
犬の散歩など運動習慣がある場合は
さらに低下することが報告されています。

死亡率・心血管疾患に関する、
メタ解析と呼ばれる複数の研究を
まとめたレビュー論文では、

犬の飼育は死亡リスクの低下と関連し、
特に心血管死亡の減少と関連という
結果が報告されています。

心理研究でも、ペットを飼う高齢者は
孤独感が36%低いという結果があります。

これらの研究から、
犬の健康に関するメカニズムとしては、

定期的な運動(犬の散歩 → 身体活動増加)、
規則正しい生活、社会交流(散歩で犬を通じ
て同じ関心を抱く人との会話が発生する)、
愛着の形成による孤独・抑うつの緩和
などが考えられます。

とはいえ、将来の責任をどうするか?
という現実的な心配は無視できませんね。

これから幼犬を飼うとなると、
犬が10歳のとき、お母様は85歳。
15歳まで生きれば90歳です。

もちろん、今どきの90歳は
お元気な方がたくさんですが、
その時の状況は誰にもわかりませんので、
年齢や体力、将来のことを
現実的に考える必要はあります。

ポチさんの迷いも、
「母の願いも大切にしたい」
「でも現実も考えたい」
という、両方を大切にしているからこそ
生まれているものだと思います。

ここで、ポチさんが「飼うか、止めるか」
という二者択一の決着をつける役割を
背負ってしまうと重たくなってしまいます。

そうではなく、
お母様の願いを尊重しつつ、
なにかのときの準備をしながら、
安心できるかたちを
一緒に考えていくことは可能です。

たとえば、お母様ご自身が
「保護犬でもよい」と
おっしゃっているのであれば、

お母様との年齢のバランスもとれて、
活動性もさほど高くない落ち着いた成犬
を迎えることができると思います。

小型犬であれば、散歩量が負担になる
こともないかもしれません。

さらに、もしものときの引き受け先を
あらかじめ決めておくことで、
安心できるかもしれません。

親族が引き取れるのか、
保護団体のサポートがあるのか、
出口を決めておくと、
不安はぐっと減ります。

昨今では、レンタル犬などのサービスも
提供されていますから、不安なら
お試しで一時的にワンちゃんを預かって
様子を見るのひとつかもしれません。

お母様が「また犬と暮らしたい」と
思えるくらい、元気になってきた喜びを
純粋に伝えつつ、現実的な問題を
丁寧に一緒に検討していくことで、

お母様も「娘が自分を大切にして
くれている」ということが伝わり
安心できることと思います。

今回のやりとりは、
母と娘の溝をつくるどころか、
愛情を交わし深める
またとないチャンスでもあります。

ぜひ、そのチャンスを
活かしてみてください♪

ー川畑のぶこ

——*——*——*——

【帯津良一×川畑のぶこ講演会】
 
やましたひでこと共著もある
90歳の現役医師・帯津良一と川畑のぶこが
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生き方についてお伝えします。

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【Q】50代の女性です。
両親はともに80代後半。

私は未婚で子どももおらず、
一人っ子なので、将来的には
実家を畳む立場にあります。

実家は古くから続く旧家で、
広い母屋のほかに蔵もいくつかあります。

母はもともと物を捨てられない性格で、
先祖が残したた家財道具も
「もったいない」と
積極的に引き受けてきたため、
ものすごい量の物があります。

中には価値のある骨董品もあり、
これを、両親がいなくなってから
私一人で処分するのかと思うと、
今からその重圧に押しつぶされそうに
なり、気が遠くなります。

折に触れ、「もう使わないかなと思う
ものから少しずつ片づけていこうか。
価値のあるものは、誰か使ってくれる人
にゆずって有効に使ってもらう方法も
あるよ」と切り出してみるものの、

母は「今はまだいいから、私が死んだら
捨てて」と言い、私が片づけを促そうと
すると激しく抵抗します。

父は穏やかな性格で、日頃、家の中の
ことにはあまり口は挟まない人なのですが、
片づけの話になると、「まだ使える」
「母さんがそのままでいいと言ってるん
だからそのままでいい」と言い張ります。

後に両親がいなくなった際、業者に頼めば
物理的にはスムーズに終わるのでしょう。

でも、先祖や両親の人生が詰まった家財を
私一人で「判断」し「処分」することが、
今の私にはイメージできません。イメージ
したくないだけかもしれませんが…。

両親が存命中に、物理的にも心理的にも
少しでも軽くしたい、軽くなりたい、と
願っている私は、親不孝なのでしょうか。

それとも、これは私が背負わなくても
よい重さなのでしょうか。

自分以外の人が残した大量の物と向き合う
ことが、こんなにも苦しく、
親子関係にまで響くものだとは、
若い頃は知りませんでした。

断捨離の視点から、そして心の在り方として
どこからどう進めていけばよいのか、
ご助言をいただければ幸いです。

【すもも・50代・女性】

【A】すももさんの抱えていらっしゃる
問題は、単なる片づけではありません。

家族史、死生観、責任、愛情、
そして、境界線が複雑に絡む、
非常に心理的負荷の高いテーマです。

まずお伝えしたいのは、すももさんは
決して親不孝ではないということです。

親の人生を尊重しながら自分の人生も
守ろうとしている、誠実で現実的で、
愛ある責任感の持ち主です。

本当に重い問題に、立派に向き合って
いらっしゃいます。

いま起きている問題の重さも、
すももさんが全部ひとりで背負おうと
しているがゆえ、

「まだ起きていない未来」を
すでに一人で背負おうとしているから
ではないでしょうか。

旧家や蔵の品々は、
物理的にはモノですが、心理的には
「家の歴史」「親のアイデンティティ」
「生きてきた証」「死への不安の防波堤」
でもあります。

特に、物質的に恵まれていなかった時代
を経験している80代後半の世代にとって、
モノを手放すこと=
自分の価値観や人生を手放すこと、と
無意識に感じやすいはずです。

お母様の「私が死んだら捨てて」という
言葉は、 「生きている間は私の人生を
否定しないで」というメッセージでも
あるかもしれません。

抵抗は意地ではなく、防衛反応です。

とはいえ、一人っ子に責任が集中する
現実は確かに重い。相続や供養、
家を閉じる責任まで想像すれば、
圧迫感が生じるのは当然です。

断捨離の本質は、
モノを減らすことにとどまらず、
心の整理や関係性の整理も含みます。

すももさんにとっての本丸は、
関係性の整理。

すなわち、親の価値観と自分の人生の
境界線を引くことが大きな課題になる
かと思います。

いま必要なのは、
親を説得することではなく、
すももさん自身の不安を軽くする仕組み
をつくることです。

現実的なアプローチのひとつに、
情報を整理するということがあると
思います。

たとえば「可視化」です。
蔵ごとに写真を撮る、価値がありそうな
ものを記録するなど、大まかな把握をする。

これは処分ではなく情報整理ですから、
親の抵抗も生まれにくいでしょう。

次に、「もしもの準備」という枠組みに
移行していきます。

親世代は「片づけ」には抵抗を示すものの
「終活」は受け入れやすい傾向があります。

「片づけよう」ではなく、
「私が一人になったとき困らないように、
何がどこにあるかだけ教えてほしい」
と伝える。

これは相手を責めるのではなく、
安心を求める姿勢になります。

そして何より大切なのは、
「今、全部決めなくていい」という視点です。

未来の作業を、今の心で引き受けようと
するから苦しくなります。
未来の自分には、未来の力があります。

いま最初に手放すべきは、
「未来の重圧の先取り」かもしれません。

「後始末は私のやり方でさせてもらいます」
と心の中で許可を出し、
いまは現状維持を目標にする。

あえて後回しにすることも、
立派な戦略です。

皮肉なことですが、ご両親が存命のうちに
物理的な解決(片づけ)を急ごうとすれば
するほど、ご両親は抵抗し、
すももさんの心の負担は増してしまいます。

タイミングが訪れたところで、
さらにすももさんが恐れているのは、
処分作業そのものよりも、一点一点に対して
「これは価値があるか?」
「捨ててバチが当たらないか?」と
判断を迫られるプロセスかと思います。

もし、捨てる時が来たなら、
プロの力を借りることも賢明です。

断捨離トレーナーや遺品整理の専門業者、
骨董品買い取りのプロに依頼することは、
決して手抜きではありません。

専門家の客観的な目が入ることで、
すももさんの情緒的な葛藤は
劇的に軽減されます。

「判断」の責任をプロと分かち合うと
今から決めておくだけで、
視界が少し明るくなります。
自分一人で背負わないことです。

最後に、ご先祖やご両親は、
すももさんがモノに押しつぶされて
不幸になることを望んでいるでしょうか。

真の継承とは、物量を守ることではなく、
すももさんが身軽に幸せに生きること
ではないでしょうか。

いまは無理に動かそうとせず、
「これ以上増やさない」をゴールにしながら、
ご両親との穏やかな時間を優先する。

それが結果として、後悔の少ない
「見送り」につながるはずです。

そして、どうかご自身のセルフケアを
忘れずに。すももさんが軽やかでいること
こそが、いちばん大切なのです。

ご自身に喜びや安らぎを与えてくれる
ヒト・モノ・コトに囲まれるよう
意識してみてください。

ー川畑のぶこ

       
        

=====!開催決定!=======
「あなたの人生に必要な要素は?」
限りある人生を輝いて生きるための
断捨離✕終活ワークショップ
==================
日程:3/20(金祝)、4/23(木)、5/31(日)

講師:川畑のぶこ(心理療法家)
   原田千里(断捨離トレーナー)

詳細・お申し込みはこちら

 
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うめさん(60代・女性・大学職員)のご相談にお答えします。

【Q】孫への接し方をきっかけに
長女との関係がこじれてしまい、
ご相談します。

些細な出来事だったはずなのに
娘の怒りに触れてしまい、それ以来、
乳幼児を見ると涙が出る、食欲がない、
眠れないといった状態が続いています。

断捨離検定1級に合格したばかりなのに
家の片づけさえ手につきません。

先日はふくらはぎを痛め、
松葉杖生活になり、
気持ちもさらに落ち込んでいます。

私は元教員で、発達障害の子どもたち
の指導にも長く関わってきました。

長女には6歳と4歳の男の子がおり、
上の子はASDの診断がありますが、
通常学級で元気に過ごしています。

娘は関連分野で働いており、
わが子への理解も深い母親です。

昨年、娘の夫が単身赴任となり、
私たち夫婦は電車で2時間の距離を
行き来しながら
孫の世話を手伝ってきました。

関係は良好だと思っていました。

ところが、年末年始に家族で出かけた
水族館で、トラブルが起きました。

上の孫がクレーンゲームに
夢中になっていました。

500円で何回でもできる珍しいタイプで、
娘は彼に何度でも好きなように
トライさせたいと思っており、

私も、いつもなら同じ気持ちで見守る
のですが、この時は、順番待ちの子が
いることや時間の都合が気になり、
少し心配になっていました。

また、よくやるゲーム機と異なり、
ワンアクションで前後左右を決めるタイプ。

それに気づいていないのではと思い、
孫に「やり方、分かってる?」と
声をかけたら、
その言葉が長女の逆鱗に触れました。

駅まで送っても、
振り返りもせず去る長女。

そして後日、長文のLINEが届き、
要約するとこのように書かれていました。

1、孫にかけた言葉への非難 

2、お母さんは何でも人や出来事のせいにする。
     それが本当に嫌だ。

3、年末年始のことなど、いろいろ全部
   お母さんが仕切っているのが嫌だ。

4、だからもうヘルプも頼まない。
  会うことも話すことも嫌、
  孫にも会わせたくない。

それ以来1ヶ月、連絡はありません。

娘との関係をどう修復すればいいのか、
自分のこの落ち込みをどう立て直せば
いいのか分かりません。

夫の「そのうち何とかなる」という言葉
さえ、今はつらく感じてしまいます。

私はこれからトレーナー講習も控えており、
このままではいけないと焦る気持ちばかり
が募っています。

どうかアドバイスをいただけないでしょうか。

【A】うめさんのご相談からは、
お孫さんへの愛、そして娘さんへの
誠実な思いがひしひしと伝わってきます。

水族館でのひと言は、あくまで“きっかけ”。
本当に噴き出したのは、娘さんの中に
溜まっていたものかもしれません。

単身赴任、ワンオペ育児、発達特性のある
お子さんへの配慮――
娘さんは、張りつめた状態で
日々を回していた可能性があります。

そんな中での母の言葉が、
「否定された」「認めてもらえていない」
という思いに
触れてしまったのかもしれません。

今回大切なのは
正しさを説明することではなく、
関係を修復したいのかどうか、
という軸です。

もし修復を望むなら、
意図の正しさよりも
“影響”を受け止めること。

「そんなつもりじゃなかった」ではなく、
「つらい思いをさせてしまったね」と。

そして、
「あなたは本当によく頑張っている」
という無条件の承認を届けること。

返事を求めず、説明も重ねすぎず、
ただ受け取り、ゆだねる。

時間はかかるかもしれません。
けれど、距離があるからこそ
見えてくるものもあります。

うめさん自身も、
今は強いストレス反応の中にいます。

祖母としての役割が揺らいでも、
“私という存在”の価値は揺らぎません。

待つこと。
そして、自分を整えること。

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