Q:私は、「頑張るのが嫌い」です。
今時の言葉で言うと「ゲスいなあ」とも思うのですが、
そう思うようになったきっかけが二つあります。
学生時代の受験のとき、私は行きたい学校があり、その学校に行けるのを夢見て、
元々勉強嫌いで苦しかったけれど勉学に勤しみ、成績が上がりました。
しかし、それを母親が「そこまでできるなら、もっと上の学校を目指せる」
と、当初志望していた学校は受験できずに、
別の上の学校を受験する羽目になりました。
必死に抵抗したのですが、受け入れてもらえず、
母の望んだ学校は超進学校で、入学したものの、
最終的には校風や授業についていけずに落ちこぼれてしまいました。
受験勉強で頑張ったことが親を勘違いさせてしまった様ですが、
母はそんな私を「期待外れやったわ」と言い放ちました。
勝手に期待されても困るのですが…でも、期待させたのは自分なんですね。
ちなみに、当初入りたかった学校は、
そこの学校にしかないクラブ活動や学校行事があり、
勉強よりも学校生活を楽しみたくて志望してましたが、
母は「学校は勉強するところ!遊びに行くところじゃない」との事でしたし、
「あの学校に入っていい事がなかった」と言うと
「人のせいにするな」と言われるだけです
二つ目は営業職に就職した時で、
入社当初はなかなか数字が取れず、給料を貰っているのに申し訳がないのと、
やはり上の人から叱責されるので、とにかく数字が取れる努力に勤しんだのですが、
数字が取れる様になれば、今度は
「やればできるじゃないか?だからもっと頑張れるはずだ」とより高いレベルを求められ、
それは私にはキツいので正直に、
「最低限のことはやりますが、それ以上は無理です」と言うと、
「会社はあなたの為にお金を掛けてるのに、あなたは自分勝手で社会人として最低だ!」
とこれまた叱責されました。
結局耐えきれずに1年で退職しましたが、退職するときに「こんな事も頑張れないなんて、
人として情けない」と会社の上司にも親にも言われてしまいました。
頑張らなければ、頑張らないで辛いですが、頑張ったら頑張ったで苦しいです。
「頑張らなきゃ」と思うと、この二つの出来事が頭をかすめてきます。
そのうち頑張ったことが、自分をより苦しめ、周りに迷惑を掛けるのではないかと
思えて仕方がありません。
川畑様、こんな私にアドバイスをお願いします。
【まこと・40代・会社員】
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A:
FROM 川畑のぶこ
人生には努力を必要とするときも忍耐を必要とするときもありますね。
何か大切な目標に向かって頑張ること自体は健全なことであり、
私たちの心に躍動感をもたらしてくれることと思います。
まことさんのお話を伺っている限り、
頑張ることに疲れたというよりは、「人の期待に応えるために頑張る」のに疲れた
ということであるかと思います。
すなわち、頑張ることをやめるというよりは、頑張り方を修正することをお勧めします。
自分が関心の無いことや情熱を捧げられないこと、あるいは意味を見出せないこと
ばかりにエネルギーを費やし続けていると、やがて人間は病んでいきます。
それは「そんなに頑張りなさんな」「無理しなさんな」というサインです。
ところが、自分に喜びをもたらすものや充足感をもたらすものに向かって
頑張っている時というのは、疲れ知らずではないでしょうか。
まことさんも、志望校に入ることを夢見て頑張っていたときの時間の質や心の状態は、
モチベーションの無い進学校や仕事を頑張っているときと比べてみると
まったく異なりませんか?
おそらく、これまで「頑張れ」と言われ続け、それに対して「NO」が言えなかったことが
苦しみをもたらし、「頑張らねば」とご自身を追い込んでしまったために、
「頑張る」ことに対するアレルギー反応が出るようになってしまったのかもしれませんね。
頑張るか頑張らないかを白黒はっきりさせる必要はなく、
どのように頑張るか、すなわち、エネルギーを注ぐ対象、その質、量、頻度を
もう一度精査してみることをお勧めします。
要は、適切に頑張るということですね。
まことさんが自然に喜びを感じたり情熱を注げられる、また、充足感が得られることに
意識を向けると、心のエネルギーが充電されてくるはずです。
すると、多少苦手なことでも難なくクリアできるようになることも考えられます。
ぜひ、周囲の期待に応えるチャレンジよりも、
まことさんの心に応えるチャレンジをされてみてください。
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