こんにちは。川畑のぶこです。
今日は、南西諸島の沖永良部島にある、私の実家の庭からお届けします。
ひと足早い夏休みの雰囲気を、皆さんに味わっていただけたらと思い、
このロケーションを選んだのですが、
背後の蝉たちの声がミンミンと大音量で、
ビデオ途中からは、私の声がすっかり負けてしまっていますので、
字幕をご参照いただくことで、お許しください。
また、話の内容は、以下文章にもまとめましたので、
よろしければ、こちらをお読みいただければと思います。
* * *
今回、沖永良部島に来たのは、島が開催した「心のケアフォーラム」という
イベントのためです。私以外にも、私が所属している聖路加国際病院精神腫瘍科
の部長であり、リエゾンセンター長の保坂隆氏、株式会社新日本科学のCEOで
ある永田良一氏、そして、断捨離のやましたひでこ氏も一緒です。
この沖永良部島というのは、精神科医が常駐しておらず、
心の問題や悩みを抱えたときに専門家が不在、という問題があります。
そのような中で、まずは私たち一般の人々が、地域ができることはないか、
互いに協力し合いながら、心のケアをできたらベストではないかということで、
今回のフォーラム開催となりました。
フォーラム午前中は保坂先生が「心の安全 パトロール隊員養成講座」
という講座で、例えば地域の誰かがうつになった際、周囲の人々が
どのように向き合っていけばよいか、ソーシャルサポートのあり方に
ついて、話をされました。
後半では私が「折れない心のつくり方」について、永田先生は「空海の処世術」
というタイトルで、弘法大師・空海がどうやって困難を乗り越えてきたか
についてのお話をされました。そして、断捨離のやましたひでこさんが、
暮らしを整えることによって心のケアをする、そんなお話をされました。
その中で、非常に興味深い質問があり、私が答えさせていただいたのですが、
今日は、それを皆さんにシェアしようと思います。
沖永良部は長寿の島です。私も時々、町の広報誌を読むのですが、
「100歳おめでとうございます」と、100歳を迎えられた方たちのお名前が
載っているんですね。たくさんの方が100歳を迎え、祝福を受けている。
が、長寿はめでたいことであると同時に、ただ長生きするだけがいいのか、
という問題もあります。
健康長寿、すなわち、体が動いて、社会的生活を健全に営める状態での長生き
は理想的ですが、病気で、福祉施設や病院などで、ベッドに横たわりながら
長生きされている、ご高齢の方たちもたくさんいらっしゃるわけです。
そのような方たちが、生きる意味を見失ってしまうことがよくあります。
「生きている意味などあるのだろうか。死んでしまいたい」
「私など、生きていても迷惑をかけるだけ」
……こんな心情を吐露することが少なくありません。
このようなときに、どのように接したらいいのか。
前向きになることはとても大事だけれど、どうやって前向きな言葉をかけたら
いいのか。
このような質問を、ある老人福祉施設に勤めていらっしゃる方から
フォーラムの場でいただきました。
以下は、私が回答した内容です。
まず、「死にたい」「辛い」というような苦しい状況にあるとき、
その心情を受け取ってあげるということが一番·だと思います。
相手は「歳をとって社会の役にも立てない、人の役にも立てないのに、
ただただ生きているのは、みんなに迷惑だ」、そういう思いがあるのです。
まずは、「そのように思ってしまうほど辛いのですね」と心情を分かってあげる。
少なくとも、理解しようとしている姿勢が相手に伝わるということが
とても大事です。
「そんなこと考えちゃだめよ、もっと前向きに生きなきゃ」という言葉は、
何の役にも立ちません。「それほど辛いのですね」と、共感し傾聴する姿勢が大切です。
同時に、「あなたがそこにいてくれるだけで、うれしい」というメッセージが、
言語的にも非言語的にも伝わるようなコミュニケーションがされるとよいですね。
そして実際に、おじいちゃんやおばあちゃんのベッドを囲んで、家族が笑顔で
暮らしていれば、高齢者の方たちも「生きていてよかった」「生きているって素晴らしい」
という思いになれる。
私たちがこういった状況を作ることは可能だと思います。
また、ソーシャルワーカーや医療者の方たちであれば、これと同じような姿勢で接して、
「仕事をしている私としても、○○さんのお力になれている、それだけでうれしいですよ」
ということを伝えていくのがいいですね。
もちろん、高齢者の方たちの中には、人の迷惑になるから死にたいというだけでなく、
自分はもう90歳、100歳まで生きたから、もう十分。あとは天国で待っているみんなの所
に行くだけなんだと、すでに執着を手放し、むしろ死に対してリラックスして、
健全な死生観が育めている方もいらっしゃるでしょう。
そのような方たちには、必ずしも同じような言葉をかける必要はありませんね。
例えばですが、「あの世でもまた会いましょうね」というような会話をしても
いいのかもしれません。
高齢者のみならず、私たち人間なら誰しもいずれ向き合う「死」について、
あらためて考えさせられた、長寿の島・沖永良部での一日でした。
それでは、またお目にかかりましょう。
お元気で!
PS
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