Q:私の悩みは、数年前に亡くなった「完璧主義の母」の事です。
母の口癖は「こんなこともできないの!?」
「あんたは何もできないなあ」でした。
とにかく「失敗」や「できない」を許さない考え方でした。
私が小学校の頃、得意ではない夏休みの工作の宿題を一生懸命作った完成品を
見ては「なにこれ?こんな汚いの恥ずかしい」と貶したり、
中学の時の家庭科のお裁縫の課題を家で私が慣れない手つきで
時間を掛けて作っていたら、「こんな簡単な事もできないの!イライラする!貸しなさい!」
と取り上げ、母がミシンをガーッとかけ始め、泣いてる私の横で母が仕上げてしまいました。
料理やお菓子作りも、鬼の形相の母に何度か横取りされました。
私が、「失敗も勉強のうち、私の勉強の機会を奪わないで!」と、言うと
「あんたが悪いのに、親に向かって偉そうに!」と聞く耳を持ちません。
母は実は子供時代に両親ではなく、母の祖父母に預けられて育てられたこともあり、
母の事を姉や親戚に相談すると、
「お母さんも苦労したんだよ」と言いくるめられられるだけです。
母の尋常でない苦労は私も理解はしてます。
母は亡くなりましたが、人生ってある意味失敗やしくじりの積み重ねで、
今でも何かと母の「こんなこともできないの!」が、仕事中や家事、習い事の最中に
耳について辛いです。
私は決して「できる人」でなくても「できない人ではない」と信じたいのですが、
もう母の言葉から解放されたいです。
アドバイスをお願いします。
【ライム・42歳・会社員】
―――――――――――――――――
A:
FROM 川畑のぶこ
ライムさんのお母様の呪縛からの解放を願う気持ちが伝わってきます。
親の態度や評価というのは
子どもである私たちに大きな影響を与えますね。
子どもの頃から「あんたはダメな子」と刷り込まれ続けると、
それを解き放つのは大変な作業かと思います。
親の幸せと子の幸せは表裏一体です。
親は我が子が幸せであることで幸せな親になろうとしています。
その確信を持ちたいがゆえに、
自分の価値観から見て、わが子が幸せの道を歩んでいないと思ったら、
たとえば、なんでも早くこなすとか、失敗をしないとか、
みんなに好かれるなど、それが得られるようにコントロールしてしまうのです。
これは、子どもを認めていないとか愛していないとかということではなく、
そうでなければ自分を認められないという不安であり嘆きなのです。
お母様の生育歴からいって、
人間関係にとても苦労をされたのではないでしょうか。
祖父母に愛されるいい子になろうと、そのことで親に愛されるいい子になろうと、
並々ならぬ努力で周囲の期待に応えてきたのではないでしょうか。
そして、おそらくそのことに成功したのではないでしょうか。
ただし、そのような努力で周囲を満たすことはできても、
お母様ご自身が真に幸せと感じられるたかどうかは疑問ですね。
安堵感が、必ずしも幸福感に結びつくとは限りません。
でも、私たちは不安要素さえなくなれば幸せになれると信じています。
そして不安要素を取り除こうとオーバーコントロールになり
結果人間関係がギクシャクして平和で幸せな関係から遠ざかってしまうのですね。
自分がした苦労はさせない、あるいは、自分が克服したように克服させたい。
信念が強く、完全主義の人はコントロールも強くなる傾向があります。
ライムさんのお母様はそのような典型であったのではないかと思われます。
ライムさんの行動を受け入れてくれなかったお母さんの行動を肯定する必要は
ありませんが、そうならざるを得なかった、お母さんの背景を理解することは
ライムさんご自身を楽にしてくれると思いますし、
呪縛から解き放ってくれるのではないでしょうか。
完璧主義のお母さんも気づかなかったことに、ライムさんは気づいてあげてください。
人それぞれに幸せの道があり、それを歩んで良いのだと。
そしてイメージしてみてください。
お母様も今ごろ頃天から「あぁ、私もそれがわかっていたら、もっと楽だったなぁ」と
「もっと娘に優しくなれたなぁ」と人生の反省会をしていることを思い浮かべてみてください。
私たちの先祖は、彼らが犯した過ちを、子孫が犯さないことを願っているはずです。
ライムさんは先祖の良いところを受け継いで、
先祖の抱える苦しみは全てご先祖さまとともに大地に返してみてください。
ーーー
★あなたが今抱えている『悩み』をお聞かせください。
毎週水曜の「断捨離」メルマガおよび、
毎週月曜の「ココロの学校」メルマガで、
川畑のぶこがお答えします。
ご質問はこちらからどうぞ。
★好評!川畑のぶこ
少人数制カウンセリングゼミ 第2弾 開講!
5ヶ月間かけてじっくり心のケアとスキルの習得に取り組みます。
詳しくはこちらから
↓
http://dansharian.com/wp/seminar/
(日曜コースは満席となりました)
※「カウンセリングゼミ・実践集中コース」は、川畑のぶこ個人が主催する講座です。