何かが出来なくても価値がない人間ではない。
愛される、大切にされるに値する人間だ、
と先生のお話を聞いてから、そう思おうと心がけています。
ですが、小さい頃の刷り込みから
なかなか脱することが出来ません。
私の母親は、他人より抜きん出ているものがないと
価値を認めない人でした。
スポーツなら1位をとれなければだめ、
勉強も成績がトップでなければだめ、
書道や絵画、習い事や作品製作などもすべて、
賞をもらっている人だけが優れていて、
母が価値があると認める人でした。
そのようなことに全く縁のなかった私は、
いつもダメの烙印を押され続け育ったため、
なかなか先生のお言葉を腹に落とし込むところまで
至ることができません。
口には出しませんが、私自身も抜きん出ているものがない人のこと
を価値がないと、心の中で位置付けている傾向があります。
夫や子供たちの手前それは口に出さず、子供にも、
「そのままのあなたを愛している」と伝えるようにしていますが、
私自身腹の底からそう思えていないことに
やましさや薄っぺらさを感じています。
先生のプログラムも購入し取り組みましたが、
理解はできたのに自分に落とし込めないという、
あと一歩のところで停滞したまま数ヶ月が過ぎました。
私は今後どうすれば腹の底から、
そのままのあなた・自分で価値があると思えるようになりますか。
【サリー・40代・会社員】
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A:
FROM 川畑のぶこ
素のままの自分を認めるというのは、
人生で最も大きな課題であると思います。
それを成し遂げずに人生を過ごす、
あるいは終える人も多くいることでしょう。
サリーさんはそれだけ難しい課題に取り組んでいるのです。
ですので気長に構えてみることをお勧めします。
実際に、素のままの自分で良いと思えるかどうかは別として、
サリーさんがそのように思えるようになろうと心がけること自体が
大事な姿勢ではないでしょうか。
それはサリーさんが自分自身をないがしろにせず、
きちんと向き合っている証拠です。
たとえ、素のままの自分で良いと、ありありと感じることが難しくても、
それは実際に価値がないからではなく、
サリーさんもお気づきのように強烈な刷り込みをされたからでしょう。
私たちは感じることを事実だ、あるいは感じられないから事実でない
などと歪んだ認知で物事をネガティブに受け止めてしまいがちですが、
私たちの感情やフィーリングは真実と連動しているわけではありません。
感情は、私たちの”思い”に強く影響を受けます。
お母様が、「1番でないと価値がない」という信念をお持ちで
そのように育てられたので、サリーさんご自身も
その価値を無意識のうちに採用されたのでしょう。
では、世の中すべてにおいて抜きんでている人とは誰でしょうか。
本当に、それ以外の人は価値がないでしょうか。
すべてにおいて抜きんでている人をリストアップしてみてください。
もちろん、その人の裏まできちんと理解している前提です。
そのような人だけがこの世に存在していることをイメージしてください。
どうですか? イメージできますか?
お母様も人間。完璧ではありません。
きっと、すべてにおいて1番であれば、我が子も、お母様自身も
幸せになれると思っていたのではないでしょうか。
「幸せとはすべてにおいて秀でていること」といういびつな信念が、
人生の根底に流れているのだと思います。
そう、私たちみんなが抱きがちな信念です。
サリーさんにできることは、
その信念を手放す姿勢を育むことかと思います。
そのために、まず、その信念が出てくるたびに
「お、出てきたぞ」と気づきます。
きちんとモニタリングしてください。
気づくだけで暴走を止めることができます。
母から受け継いだ、なんでも1番信念がにょきにょき出てきたと気づけたなら、
そのことで得られるフィーリングをじっくり味わってみてください。
結末をスルーせずに向きあうのです。
その時、身体感覚にも注意を払ってみます。
その結末を味わった結果、今後もこの感覚を味わいたいと思うか、
ご自身に問うてみてください。
答えがNOであれば、
「1番でなければ」信念を手放すという立場をとります。
「すべてにおいて1番でなくても価値がある。
そもそもすべてにおいて1番の人などこの世に存在しない。」
「1番でなくても幸せに生きることはできる」と。
そして、1番でないけれども、素敵な人や尊敬できる人を
たくさん思い浮かべてみてください。
自分も我が子も、母親もその一人だと
ただ、それに気づくことができなかった不器用な人間なのだと、
愛ある微笑みで包み込んであげてください。
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