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Q:結婚29年目の主婦です。
主人が珈琲大嫌いで、別居したいくらいです。

主人は初めてのデートでは、
私に合わせて無理して飲んだ様ですが
実は珈琲大嫌いで(香りも)、
結婚以来ずっと家で飲む事を禁止されています。

年とって少し丸くなったせいか、
「俺がいない時、リビング以外で飲むならOK」と言う事になり、
去年から珈琲好きの息子の部屋で息子と飲んでいます。
(私の部屋がないので)

私としては、毎朝起きて一番に飲みたいです。

この事について何度も話し合ったが無理でした。

23歳の息子も「こういうのも虐待だと思う」と言っています。

24歳の娘が半年程で結婚する予定なので、
やっと自分の部屋で飲めそうですが、
「珈琲禁止」が結婚前から分かっていたら結婚しなかったです。

主人はお酒好きで、毎晩私が焼酎を作ってあげています。

自分は好きなお酒を飲んで、
私には世の中で一番好きな珈琲を飲ませないなんて‥…。

主人はよく私にマッサージしてくれたり根は本当に優しいです。

主人があと3年で定年を向かえたら近所に家を借りて別居したいです。
離婚はしたくないので卒婚ですね。
でも、経済的に余裕がないので実現出来そうにないです。

何か良いアドバイスがありましたら教えて下さい。
宜しくお願い致します。

【コロン・50代・会社員】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

氏神様はスタバ神社と言って憚らないコーヒー好きの私としても、
コロンさんの心痛お察しいたします。

と同時に…つい数日前、夫が
「このコロン、気に入って買おうと思っているんだけどどう?」と
どや顔で尋ねられ、夫のスーツから漂う線香のようなその香りに、
なんだか軽い頭痛と吐き気がして
「う、私は無理、するなら外でしてね♪」
というやりとりをしていたことを思い出しました。

さて、コロンさんがリビングルームでコーヒーを飲むのを
許してくれないのは虐待かというと、
それはちょっと結論を急ぎすぎている気がしますし、
少なからず、受け止め方にも歪みがあるようにみえます。

ご主人が他のことがらに関しても常にコロンさんを自分の思い通りに
コントロールしようとしているのであれば、それは暴力です。

コロンさんにとって、ご主人には他にも支配的な部分が多々あり、
その中でもとりわけコーヒーのことが気になるのか、
それとも他にはとくに問題なく、
コーヒーのことさえなければうまくやっていけると思っているのかを
もう一度振り返ってみると良いと思います。

ご主人は基本的に優しくて、愛情深い人で、
コーヒーのこと以外は問題がないのであれば、熟慮が必要です。

コロンさんは「私の好きなことをさせてくれない非情な夫」
と、受け止めていらっしゃると思いますが、
ご主人は好きなことをさせないことが意図ではなく、
コーヒーの香りが生理的に不快(苦痛)と感じており
本当に困っている可能性があります。

ですので、自分が時間を多く共にするリビングルーム以外ではどうぞ
という姿勢なのではないでしょうか。

もしそうであれば、それは支配ではなく、
ご主人が自分自身のために行っている健康管理か危機管理でしょう。

もちろん、その伝え方が命令的だった場合、
それは乱暴で改善の余地はあります。

例えば指示や命令をする代わりに
コロンさんに協力を要請するなどの改善ができるでしょう。
そうすればより健全で非暴力的なコミュニケーションが可能となります。

ご主人のお酒に関しては、
そのことでコロンさんに不快な生理的反応が生じるわけでは無いので
論点が異なります。

もしコロンさんがお酒の香りに対して感覚過敏で生理的に不快な場合、
自分も我慢しているのだからとご主人にも我慢を強要するのではなく、
コロンさんがアルコールにさらされない環境をつくるよう、
逆にご主人に協力してもらうことが大切になります。

ご主人のコーヒーの香りの嫌悪に関して、
嗅覚障害を疑われたことはありませんか?

嗅覚過敏の人は普通であればなんともない香りを
極端に不快に感じることがあります。

妊婦がつわりのときに、普段は何でも無い香りやむしろ好ましく感じる
香りなのに、不快に感じ、吐き気や頭痛がすることがあることを
想像するとわかりやすいかもしれません。

これは妊婦が相手や周囲へ配慮がないわけではなく、
生理的に受け付けず、反応してしまうわけですからどうしようもありませんね。

そのようなとき、家族はせめて家の中くらいはと、
協力して不快な臭いの無いよう努めるのではないでしょうか。
妊婦に配慮せず、不快な刺激に晒し続ける家族の方が
むしろ暴力的でしょう。

ご主人はコーヒーの香りに吐き気や頭痛がすることはないでしょうか。
本当にその香りが不快で(または病理で)困っているのであれば、
耳鼻咽喉科を受診することを強くお勧めします。

嗅覚障害にはわずかな悪臭にも耐えられない嗅覚過敏や、
本来良い香りを悪臭と感じる嗅覚錯誤などがあります。

また、発達障害の人に嗅覚が過敏なケースもあります。
ただし、嗅覚過敏の人がみんな発達障害ということではありません。

ご主人の嗅覚過敏がわかった場合、
それを家族が理解して妥協点を見出し
(たとえばコーヒーはリビングルーム以外で飲むなど)協力するのか、
それともそのような障害は受け入れられず、
あくまでもリビングルームでのコーヒータイムを
人生の喜びとして優先するのかを考えればよいでしょう。

後者であれば別居も一つのオプションです。
ぜひご主人にもう一度、思いやりを持って確認をしてみてください。

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