Q:父親に苛つく自分の気持ちは、どうすればいいのでしょうか?
86歳の両親と同居しています。
父親に苛つく自分をもてあましています。
家事は母中心で、私が少し手伝っていますが、
父は心臓の機能が少し弱ってきているとのことで、何もしません。
一日同じ椅子に座って
「お茶いれて」「お醤油取って」と指示を出します。
テレビは自分の興味でチャンネルを換え、
大音量にしたまま居眠りをしています。
そんな父親に「ここの郵便物を持っていきなさい」
「お風呂に入りなさい」などと
指示をされるたびに苛々してしまうのです。
友達に相談すると、失うと悔やむよと言われます。
そうと知っていても自分の気持ちをもてあましています。
【gon・50代・会社員】
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A:FROM:川畑のぶこ
親にとって、子どもはいつまでも子どもですし、
その愛情そのものはありがたいもので、
ただし、子が成人してからもなお、
逐一指示を出されたりするなど、子ども扱いをされるとなると、
フラストレーションが溜まってしまいますね。
私たちは自分らしく、自由に生きたいという、
純粋で健全な基本的ニーズを持っています。
成長とはそれらを手に入れる自立の過程といえるでしょう。
家族や周囲と協調関係にありつつも、互いに依存しすぎず、
基本的に自分の足で立ち、前進することは、
大切なバランスであり、わたしたの課題でもあると思います。
成長とともに親離れして巣立つのは、健全な流れであり、
ここで巣立ちがうまく出来ずにいると、
ズルズルと依存関係に突入してしまいます。
無論、巣立ちとは、物理面のみならず、精神面も含まれます。
「親は親、自分は自分」という割り切った価値観を確立して、
自分で選び抜いた人生を生きることができたのなら、
ときが巡って、親の老化や自分の人生のままならなさなどの
変化を柔軟に受け入れることが容易くなるのではないでしょうか。
日々どのように自分を満たすかを知っており、
その充足が習慣化されている人は、
さまざまな環境にもしなやかに適応することでしょう。
それとは反対に、周囲に合わせたり、気を使ったりしすぎて、
自分のニーズ、自由や自立のための選択をしてこなかった場合、
慢性的な抑圧感やフラストレーションを抱きがちになります。
もし、このような心理的また社会的な自立に
親の存在が妨げとなっているのであれば、
親とのあいだに適度な距離感を保つことは大切です。
86歳の、身体的にも弱ってきている親の生き方を
いまから変えることはとても難しいですが、
gonさんの対応の仕方や生き方を変えることはできます。
gonさんにとっての親との適度な距離感とはどのようなものか?
近くにいすぎてイライラするなら、
離れて暮らしてみることも可能ではないか?
同じ屋根の下であっても、
他人同士が住むシェアハウスのように、
それぞれのスペースやプライバシーを尊重して
生活することは可能ではないか?
それに伴い、家事なども手伝いではなく、
自立したご自身の役割としてこなすことはできないか?
これらを模索すると同時に、
日々gonさんの心のニーズを満たすためにも、
ご自身が喜びを感じたり、充足感が得られたりすることに
取り組んでみてください。
日常に自分を満たす場所が増えれば増えるほど、
相手の変化が必要なくなってきます。
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