Q:恋愛感情は持つべきじゃないのでしょうか?
いつもメルマガを読んで
川畑先生のご回答がわかりやすく、また
相談者のことを親身に考えてくださっていていいなぁと思っています。
私の質問はくだらないかもしれませんが、
この気持ちをどのようにしたらわからないので、ご相談させていただきます。
夫は仕事が忙しく、勤務時間も休みもバラバラです。
それでも家族のことは大切にしてくれていますし、
家事もやれるときやお休みには積極的にやってくれます。
二人の子供も素直に育ってくれています。
今、子供の通う習い事のコーチのことが気になっています。
練習や役員の関係で昨年はほぼ毎日のように会っていました。
今年に入って下の子のみの参加になったため、
平日の練習で数回顔を合わせるだけになりました。
試合の打ち上げや忘年会など私の自宅で飲み会をすることもあり、
その時に酔った私がコーチの手を握り、手を繋いでいたと
コーチから言われました。
この前の飲み会ではコーチから手を出してと言われて手を重ねていました。
毎日のようにLINEをするのが楽しく、
一緒にお酒を飲みたい、スキンシップをとりたいと思ってしまいます。
だからといって、相手の家庭や自分の家庭を壊したいわけでもないですし、
このまま関係が深くなったら
チームの人間関係も今の周囲の人間関係も壊すのは目に見えています。
以前、子どもが小さい頃に私は浮気をして、主人をひどく傷つけました。
その時は許してもらい、何事もなかったように接してくれています。
こんなことがあったにも関わらず
他の人に惹かれてしまうのは私が馬鹿なのでしょうか。
浮気性なんだ。だからしょうがない、とは思えないのです。
大人だから、妻だから、母だから、なにより結婚しているのだから、
恋するような感情は持つべきではないということでしょうか?
この気持ちをどのようにしたらいいのかわかりません。
【チョコレート・40代・パート】
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A:FROM 川畑のぶこ
許されない恋愛感情への苦悩がうかがえるご相談内容ですね。
恋とは病のようなものであり、また、ときとして
中毒のようなものではないでしょうか。
その感情はもつべきか、もつべきでないのかという
次元のものではなく、もってしまうもの。
或る日突然風邪を引いてしまうように、
かかってしまう病のようなものなのではないでしょうか。
ですので、チョコレートさんが
誰かに恋心を抱いてしまったのであれば、
それは良いとか悪いとかといった話ではなく、
仕方のないことであり、人間らしいことなのでしょう。
ただし、それを行動化するかどうかは別の話です。
あの人素敵だな…
好きだな…
話してみたいな…
触れてみたいな…
もっと多くの時間を過ごしたいな…
このレベルの情動は、多くの人が意識的であれ、
無意識的であれ、抱くことのあるものでしょう。
さらに恋愛感情が深まっていくと、
他の人よりも、自分を見て欲しい、自分だけを見て欲しい、
といった所有欲が湧いてくることでしょう。
風邪をひきやすい人がいるように、
恋の病に陥りやすい人もいます。
もしチョコレートさんが、過去にも同じような状態に
なってご主人と話し合いをしているのであれば、
チョコレートさんは(少なくとも今の状況では)
恋に陥りやすい状態なのかもしれません。
免疫の低い人が風邪をひきやすいように、
永遠の愛を誓ったにもかかわらず、恋に陥りやすい人も
あるものに対する抵抗力が低いのではないでしょうか。
そのひとつは「寂しさ」かもしれません。
「夫は仕事が忙しく、勤務時間も休みもバラバラです」
チョコレートさんは、
本当はもっと夫に私(たち)との時間をつくって欲しい。
家族のためにまとまった休みをとって欲しい。
私の大切な子どもを、私が望むかたちで、あなたも大切にして欲しい。
子どもが情熱を捧げているものにあなたも私のように関心を寄せて欲しい。
そうすれば、私は愛を確認できるから。
私が「愛に値する人間だ」と感じられるから。
という心の叫びがあるのではないでしょうか。
お子さんが小さいときだって、
大変な育児を一人でこなして、寂しかったのですよね。
それを誰かに埋めて欲しかったのではないでしょうか。
人間は、接触している時間の多い対象に興味を抱きやすい生きものです。
おそらくコーチは、ご主人よりも接触頻度が高いことでしょうし、
チョコレートさんが大きな関心を持っているお子さんと、
お子さんが大きな関心をもっているスポーツに
同様に関心をもっていることでしょう。
ですので、共感を得易いという状況があることと思います。
もしかしたらコーチも、家庭では
「他の子の面倒ばかり見ていないで、もっと多くの時間を
我が家のために費やして欲しい」と思われているかもしれませんね。
自分が情熱を捧げているものに対する理解がなければ、
チョコレートさんに似た寂しさを抱いているのかもしれません。
そうであれば、さらに共感力は高まることでしょう。
理解してもらえる(と感じられる)人との時間は心地のよいものです。
そのような人といるときには、自分は価値ある人間だと思えるからです。
現実を離れ慰め合いの時間が持てるのも恋の魔力なのしょう。
寂しさに耐性の無い人は、この辺が恋の病につけこまれてしまうところです。
病とはいえ、恋は寂しさへの対症療法の役割を果たしているのかもしれませんね。
ただし、それは必ずしも真の愛や幸福につながるわけではありません。
恋の対症療法もさながら、寂しさには自己免疫をつけることが大事でしょう。
こちらのほうがチョコレートさんにとってはより大きな課題のような気がします。
誤ってはいけないのは、コーチは寂しさを埋めてくれるかもしれませんが、
ご主人のように責任をもって妻や子どものために心血を注いで愛する
わけではないということです。
ご主人は多くの時間を一緒に過ごすというかたちでは
愛情表現ができていないかもしれませんが、
多くの時間を妻やこどもを守り抜くために、仕事を通して愛情を表現しています。
これはコーチからは得られないものですね。
数年経つと、燃えるような恋愛感情というのは自然と薄れてきます。
そのとき、恋の熱に頼らずとも、ゆるがぬ絆や信頼感が得られる
コミットした関係というのはそうそうあるものではないでしょう。
そのようなときに、寂しさを埋めるための新たな相手を
繰り返し探さなくて良いように、寂しさへの耐性を整えてください。
まずはご主人に素直に自分の寂しさを伝えることは大事ではないでしょうか。
そして、その寂しさを健全に克服するために、自分自身努力をしていること。
その努力には、自分の世界からだけでなく
さまざまな視点からものごとを観ることも含まれるでしょうし、
誰か一人に依存せずとも、喜びや充足感を得られる時間を持つことが
含まれるかもしれません。
そして最後に、「どうか助けてください」と、
ご主人に助けを求めてみることをおすすめします。
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