Q:18歳の次女のことで悩んでいます。
4つ上に今春から社会人になった姉、
2つ上に大学生の兄、夫と私の5人家族です。
小さい時からオシャレに興味があり
高校入学時から進学はメイクの専門学校と決めていました。
今春、希望通りの専門学校に入学し楽しそうに学んでたのですが、
突然辞めると言い出しました。
続けて卒業だけでもしたらと説得しましたが、
目標が無くなった、無駄やと聞きません。
メイクは好きだけど、仕事にするのは相当な努力が必要だと
講師の話から感じ、無理だと決めたようです。
今は一人暮らしをしたい、その為にキャバクラで働くと準備しています。
兄弟喧嘩がキッカケで出て行きたいと思ったらしいのですが、
将来どうなりたいのか、どんな仕事をしたいのか、
学び直す道もあるしと提案するのですが、
わからん、適当に生きていくと呑気に言います。
一人暮らしはしてみてもいいのかもしれませんが、
夜の仕事を目的なくするのは、危険すぎます。
言っても聞かないし、どうしたらいいのでしょうか?
【みどり・50代・公益財団法人】
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A:FROM 川畑のぶこ
18歳の娘さんの将来が決まらずにやきもきしている
みどりさんの親心が伝わってきます。
娘さんの「適当に生きる」というなげやりな言葉に
不安を感じていらっしゃることと思いますが、
実際は、家族から理解が得られないので、
その場しのぎで「適当に」かわしただけではないでしょうか。
彼女は自分の人生やアイデンティティについて、
とても真剣に向き合い悩んでいるように思います。
小さな時からの夢が叶わないのは、
必ずしも不運なこととは限りません。
子どものときになりたかったものになる人のほうがむしろ少数でしょう。
なぜなら、子どものときに与えられている情報というのは、
極めて限られていますし、
情熱はあっても、社会に適合するための判断力が
成熟しているわけではありません。
憧れから実際にそのような世界に足を踏み入れてみて、
初めてわかることもあります。
そのときに、新たな方向へ舵取りをすることを、
逃げと呼ぶのか、善処と呼ぶのかは
人それぞれではないでしょうか。
遠くから眺めていた憧れの宝島を目指して出航したけれど、
目指した島には欲しい宝はなかった。
島の現実は、遠くからみたそれとは違っていた。
でも、過去にそこに行くと昔から決めていたのだからという理由で、
今から未来にそこに留まる必要はありません。
たどり着いてからこそ現実を確認できたのなら、
それは無駄足ではなく、大事なプロセスです。
そしてその島を目指したからこそ、
水平線の向こうに以前は見えなかった次の島が見えてくる。
そこに向かって舵をとることは悪いことではありません。
もちろん、その次の島も望むものではないかもしれません。
そうであれば、また次の島へ舵取りをしたっていいわけです。
娘さんが目標を持って前進したからこそたどり着いた境地を、
もう少し認めてあげても良いのかもしれません。
心理学者のエリクソンは、
青年期を心理社会的モラトリアムと呼びました。
モラトリアムには猶予という意味があります。
すなわち、自分はいったい何者なのかという、
アイデンティティー(自我同一性)を確立するまえの猶予期間です。
社会人になるまえに、試行錯誤する期間、
自分探しをする時期というのはだれにでもあるものです。
真剣だからこそ悩みが深まり、なかなか前進できない、
無気力になったり無関心になったりすることもあります。
その形態も人それぞれでしょう。
いまみどりさんの娘さんはこのモラトリアム期におり、
アイデンティティーを確立していく過程にいると
受け止めてみてはいかがでしょうか。
もちろん、親として心配なことはきちんと伝えたら良いです。
でも、相手の立場の理解なしに言いたいことだけを言っても、
娘さんの心には響かないでしょう。
まず、結果を急がず、娘さんの抱えている課題や状況を
理解することから始めてみてください。
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