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Q:初めて相談させていただきます。

幼いときから母親との関係に悩んできました。

私は社会人1年目、就職と同時に地方から上京し
一人暮らしをしています。

私には2つ離れた弟がいるのですが、
弟は身体が弱くて小児喘息が酷く、
小学中学年頃まで夜中も咳が止まらなくて
母は弟につきっきりでした。

弟は大きくなるにつれて病気を克服し、
母の影響で料理が好きになり、調理専門学校に通い、
早くに実家を出て行きました。
 
一方で私は病気などせず、
家でも学校でも手がかからなくて
ずっと成績優秀な真面目な子だったと思います。
  
母は専業主婦で料理や家事が得意でしたが、
それらが苦手な私に大変厳しかったです。
 
私は内向的で自分を責めがちで、
がんばって入った大学では目的が分からなくなり
授業にも中々出られませんでした。
 
また、私が大学生の時期に、
いつも私に優しく味方をしてくれていた父が
多忙な仕事が原因でうつ病になり
実家が暗い雰囲気でした。
 
なんとか大学を卒業して上京後、
父と2人暮らしになった母親から
連絡が頻繁に来るようになりました。
 
それまであまり良い関係ではなく、
私に対して良い顔をしなかったので戸惑っています。
 
母の晩御飯の内容とかその日の出来事とか
正直関心ない内容で、無視しても
絶えず送られてくるので嫌な思いをしています。
 
母は、一人暮らしをしている弟には
同じような連絡は一切していないようで不思議です。
 
たまに私が母へ返信すると、
そんなんじゃ結婚できないとか、
私自身をけなすような言葉で返ってくるので辛いです。
 
はっきりと嫌と言えない自分も嫌で落ち込みます。
 
上手な距離の取り方を教えていただけますでしょうか。
 
【ゆり・20代・会社員】
 
———————————–
 
A:FROM 川畑のぶこ
 
お母さんに対するゆりさんの
複雑な気持ちが伝わって来るご相談です。
 
病気の弟のことや忙しい母親のことを思いやり、
幼心にも「私がしっかりしなければ」
と優等生でやってこられたのでしょう。
 
お母さんに嫌気がさしつつも、本当は、
弟ばかりでなく、私の方だって向いて欲しかった。
 
私だって、子どもらしくお母さんにいっぱい甘えたかった。
母親の愛を肌で感じたかった。
 
そんな叫びが聞こえてくるようです。
 
そんな娘の心も知らず、
母が「しっかり者の長女」に甘えているのでしょうね。
 
もしかしたら、お母さんはゆりさんに
自分自身を投影して関わってきたのかもしれません。
 
第一子で自分と同性の子どもというのは、
自分自身の分身のように関わってしまうことが多いです。
 
弟が大変なときも、
自己犠牲を払って尽くすお母さんなら、
無意識のうちに、分身であるゆりさんにも
同じ態度を求めたかもしれません。
 
敏感なゆりさんは、
お母さんの非言語的なメッセージをしっかりうけとめ、
その期待に応えるように、
いい娘でやってきたのではないでしょうか。
 
そして、自分の生き方に自信がない母親が、
もう一人の自分である娘に、共感と理解を、
あるいは救いを求めているのかもしれませんね。
 
自分が自己犠牲をはらってきたように、
あなたも自己犠牲を払って、私を満たしてという
潜在的な気持ちもあるかもしれません。
 
私は私、娘は娘と、それぞれ自立した
個性ある存在と認めることができず、
いまだに同心円に娘がいるのなら、
自分とちがう価値観に過剰反応するのも
しかたのないことかもしれません。
 
ここで、気をつけなければいけないのは、
ゆりさんがお母さんの代わりに
彼女の(望む)人生を生きようとしたり、
お母さんの感情の責任を取ろうとしたりしないことです。
 
ただ、ゆりさんにとって、お母さんは大切な存在で、
かけがえのない存在であるのなら、
それはさまざまなかたちで伝えると良いと思います。
 
お母さんを認めたり肯定したりするのに、
ゆりさんがお母さんの好みの通りに生きる必要はありません。
 
私は私の人生を生きる、そして、私は
お母さんがお母さんの人生を生きることを受け容れる。
 
それぞれがそれぞれであってよいという毅然とした態度で、
かつ(厳しさでなく)思いやりある態度で
接する努力をしてみてください。
 
お母さんの行動にはNOというかもしれないけれど、
失敗を繰り返しながらも不器用に私(たち)を愛した、
そして今も愛している、
その存在にはYESということです。
 
お母さんも「私は私のままで受け入れられている。
愛されている。必要とされている。」
ということが真に感じられたのであれば、
 
娘が毎日の話に付き合ってくれることや、
自分のアドバイスに従ってくれることで
愛や存在価値を確認しなくて済むように
なるかもしれません。
 
お母さんが未だうまく乗り越えることが
できていない人生の課題に、
まずはゆりさんがチャレンジしてみてください。
   

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