Q:社会人2年目、24歳です。
今年に入り、同級生や近い友人の母親がふたり亡くなりました。
自分の親は元気ですが、
身近な大切な人が亡くなる出来事にとてもショックを受けて、
これまで気にしなかった生死について考えることが増えました。
身近な人の死を乗り越えた人の話などを読むと
「いつまでも悲しんでいるのは、死んだ人にとってもよくないと気づいた。
だから前を向き始めることができた」というのをよく見かけます。
しかし今の私には、そんなことはただの綺麗事のように感じられます。
前なんて見えないし向きたくないです。
結局死んでしまうことを考えると、
全てのことが茶番劇のようで無意味な気がします。
これまでの歴史の中で作られたどんな文化や経済活動も、
本当はやる意味がないのに
必死に人間は取り組んでいるように思えるのです。
何もかも馬鹿らしくて面倒に感じるようになり、
しまいには何のために生きて暮らしているのか分からなくなってきました。
何に対してもあまりやる気がおきなくて、
寝る前やぼーっとしている時にふと、
この世にいるのかいないのかはっきりしないような感覚になったりします。
生きることがどんな意味をもつのか知りたいです。
すごく不思議なのは、周りのだれもが、
死ぬことについて何も考えていないように見えること、
そして、それでもある程度は幸せに生きているように見えることです。
それはそう見えるだけでしょうか。
人は、どのように死と向き合えばよいですか。
【恵・24歳・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
人間はみな、いずれ死を迎えるのに、
いったい何のために生きているのか。
死んでしまうなら生きる意味はないと、
虚しさを感じてしまうのですね。
恵さんの生や死に真摯に向き合う姿勢が伺えます。
私は日頃、がん患者さんやご家族と向き合うことが多いですが、
そのような現場では、
生と死について考えることは切っても切れない課題です。
今回恵さんが、同級生の死や仲の良い友人の母親の死を通して、
そのような課題に取り組み始めたのは、
同級生や友人がとても大切な人であるからこそだと思います。
生きるとは何なのか、死ぬとは何なのか…
これは、私たちがいったい何者なのかという問いへの
答えでもあるかもしれませんね。
この問いに対する単一の答えというのはないでしょう。
人それぞれに答えがあると思います。
また、この問いに応えようとする姿勢自体も
生きる意味に通じるのかもしれません。
生や死の本質は物証できるものではないので、
私たち一人一人がそれらに対して
どのような信念をもって生きるかが大切になってきます。
そして、何を信じるかは、その人の人生の質に大きな影響を及ぼします。
「どうせ死ぬなら生きる意味はない」というのは、唯物主義的な考え方、
すなわち、物質として存在するものが唯一価値のあるもので、
物質として存在しなければ価値がないという信念が
ベースにあることが考えられます。
肉体(=物質)がなくなれば、私たちの価値はなくなるという考え方ですね。
もし、この考えが恵さんに苦しみをもたらしているのであれば、
他の見方や考え方がないか、探求してみることをお勧めします。
私たちが生や死に関心をもって、学びを深めようとしてみると、
洋の東西を問わず、世の中にはさまざまな教えがあることに
気づくことと思います。
死んだらそれで全てのおしまいという考え方もあれば、
死後も私たちの本質
(それを魂とよぶのか、霊性と呼ぶのか、エネルギーと呼ぶのか、
心と呼ぶのかはわかりませんが)は存続して成長し続ける
と言う考え方もあります。
後者は多くの文化圏に存在する考え方です。
これは、宗教や哲学や人生観やスピリチュアルな領域の課題です。
もし、恵さんがこのような分野を探求してこなかったのであれば、
いまがそのチャンスかもしれません。
私の臨床経験では、多くの患者さんは、
この人生の卒業後も、魂や見えないエネルギーとして存在しつづけ、
大切なご縁は見えないかたちで繋がっているという信念を育むことで、今
日この日を穏やかに、よりよく生きていらっしゃいます。
私たちが死んだあとどうなるかは、死んでみないことにはわかりません。
そうであれば、生きているあいだは、
信じたいことを信じて生きる権利があります。
「今見ているものや私が今の時点で知っていることがすべて」
と結論づけるのも拙速かもしれないなと、
ぜひ愛ある好奇心をもって恵さんなりの死生観を探求してみてください。
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