Q:私は、子供の頃から、過敏なところがありました。
年齢を重ねるごとに、指輪や腕時計が痛くてできなくなったり、
点滴をずっと打っていた時は、
血管が拒絶して我慢できなくなったりしました。
注射や点滴に対して恐怖感はないのに…。
なぜなんだろう?といろいろ調べて、
HSPという過敏な神経回路なのではないか?と気づきました。
生まれつきなら仕方ない、自分を受け入れられるようになりました。
先月、風邪を引き、咳が長引いて、通院していたところ、
先生に「アレルギーでは」と言われ、
血液検査を受けましたが、アレルギーはありませんでした。
すると、先生から、「気持ちの問題だ」と言われてしまいました。
先生にHSPではないかと思う、と言ってしまったところ、
「そうやって自分を決めつけるものではない。
もっとおおらかに生きなさい。」と言われました。
以前かかった病院でも、
気にしすぎだ、とか、神経質だ、とか言われました。
自分で病気を作っている、と言われたこともあります。
私は、不安になっているのではなく、
痛みや違和感の理由が知りたいだけなのに…。
他の人なら気づかないような身体の声が聞こえてしまうのは、
神経質でいけないことなのでしょうか?
今回の咳も、アレルギー反応は出ないにしても、
私の身体にとっては、ちょっと嫌なことが何かあって、
咳き込んでいただけだと思うのですが、
自分で病気を作ってしまったのでしょうか?
せっかく、自分の過敏さと折り合いをつけられるように
なったと思ったのに、信頼している先生に否定されて、
どう考えたらよいかわからなくなってしまいました。
「おおらか」ってなんなんでしょう?
HSPのことを人に話してはいけないのでしょうか?
うまく説明できませんでしたが、
モヤモヤしている私を、助けてください。
【雪・50代・パート勤務】
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A:FROM 川畑のぶこ
繊細さ、敏感さで悩まされているのですね。
まず、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、病名ではありません。
直訳の通り、「非常に繊細な人」という、
その人の心理的な特性を表した概念で、
エレイン・アーロンという心理学者によって提唱されました。
ですので、病名を診断されれば治療ができるので
安心してという類のものではないわけです。
雪さんがご自身で気付かれているように、
これまでの医療者も、雪さんが繊細・敏感(過敏)な
パーソナリティであることは既に指摘されている通りですね。
ただし、診断や治療ができるものではなく、
生まれながらにして持ち備えた気質であれば、
どう付き合っていくかということが課題となるかと思います。
もちろん、繊細であるが故に、
ストレスを溜めすぎてうつになったり、
パニックになったりすることもあるでしょう。
そうであれば、これは治療で治すことができますから、
HSPにも理解がある精神科や心療内科を受診すると良いでしょう。
ちなみに、点滴をし続けていると血管が細くなり、
点滴を受け付けなくなるのはパーソナリティのせいではなく、
誰にでも起こり得ることです。
医師は、すべてをパーソナリティが原因と結びつけないよう、
警告した可能性はあるのではないかと思います。
HSPの人は、ネガティブなことばかりでなく、
ポジティブなことにもセンシティブではないでしょうか。
たとえば、雪さんも、美しいものを見たり触れたりすると、
人より感動したり、涙が止まらないことなど
日常的ではないでしょうか?
これはコインの裏表のようなものですね。
とてもセンシティブな人は、
人より感性が豊かな分、感動も深く味わえるはずです。
ものごとをじっくりと味わいながら集中して取り組むことができるのは、
素晴らしいことでもあります。
ですので、焦点を当てる方向をネガティブな問題から、
自分にとって好ましいことや、ありがたいことにシフトしてみてください。
HSPの人は、今、この瞬間に丁寧に注意を払うマインドフルネスや、
瞑想、リラクセーションなどの適応も、
そうでない人に比べて高いという報告もあります。
マインドフルネスの提唱者であるティクナットハン禅師は、
痛みや苦しみに対して、敵視して抵抗するのではなく、
泣き叫ぶ赤子を母親がなだめるような気持ちで
包み込むように接することが大切であると説いています。
ぜひ、雪さんもご自身のそのような特性を
温かい姿勢で包み込む努力をしてみてください。
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