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Q:26歳になる一人娘のことで悩んでいます。

一人っ子だったので、どうしても
手を出しすぎた育児だったと思います。

おかしな表現ですが、常に親のフォローのもと、
過ごしてきたように思います。

それでも大学は親元を離れ4年間過ごしましたので
少しは生活力を身につけてくれたかと思いましたが…

まず片づけ、整理整頓が全く出来ず、
個室の部屋は足の踏み場もありません。

見かねて私が片づけたり、一緒に片づけたりしても、
すぐ元に戻ってしまいます。

諦めて手を出さなければ、
ますますエスカレートするばかり。

私に似たのか、仕事が遅く要領も悪いです。

私自身も「断捨離」の「だ」の字も出来ない状態ですが、
これまで生きてきて、
それなりの要領を得て日々過ごしております。

娘は仕事も忙しく
(要領が悪いせいも多々あると思います)
朝早くから出勤して帰りも夜遅く、
疲れきっているところに、
部屋を片づけなさいとはなかなか言えず、
そのくせ休日は予定を入れて出掛けています。

お恥ずかしいですが、これでは
ただだらしないだけなのではと思います。

料理もほとんどせず、
働いてお給料はいただいてきておりますが、
それも親のバックアップがあってこそであって
生活力が全くありません。

このままだと世間でいわれている、
8050問題を想像してしまいます。
アドバイスをお願いします。

【ちさと・50代・主婦】

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A:FROM 川畑のぶこ

ちさとさんの親心が伝わってきます。

娘さんが片づけができずだらしない、
これで社会人として、
ちゃんとやっていけるのかとご心配なのですね。

そして、子供の頃に母親であるちさとさんが
手を出しすぎてしまったのではないかと、
後悔されていらっしゃるのですね。

育児は万人にとっての正解はありませんし、
本当に子どもひとりひとり個性がありますから、
ちさとさんはその当時、
いちばん娘さんに近い存在として、
持ちうる知識も感覚も最大限にはたらかせながら、
ベストをつくして育児をされていたことと思います。

親が手を出しすぎたかどうかはわかりませんが、
娘さんは、本当に親の手が必要な子だった可能性もあります。

親が手を貸さなければ、彼女の生活が機能しない
局面もあったかもしれません。

そして、それは必ずしも娘さんがだらしない性格
だからとは限りません。

ちさとさんは、娘さんの状態に関して
ADHD(注意欠如・多動性障害)という
発達の障害を疑ったことはあるでしょうか?

もし、情報も乏しく、そのような観点から
娘さんの問題をとらえたことがないのであれば、
いちど受診してみることをおすすめします。

ADHDというのは、その日本語訳の通り、
注意が欠如してしまう人、多動の人で、
そのことで社会的な生活を健全に営むことが
難しくなってしまう障害で、
脳の機能によっておこる障害です。

性格やだらしなさから起こるものではありません。

病理がそうさせるので、必要なのは
性格を変える努力や戒めではなく、治療です。

ADHDの症状として、注意欠如に関しては
以下の症状が認められます。

1)学業、仕事、または他の活動中に、
 丁寧に注意を払うことができなかったり、
 ケアレスミスをしたりすることがときおりある

2)課題に取組んでいるときや遊んでいるときなど、
 注意を維持することが困難になることがときおりある

3)話しかけられても、心ここに在らずで、
 ちゃんと聞いていないように
 見えることがときおりある

4)指示にきちんと従えず、学業、用事、
 職場での任務を遂行できないことがときおりある

5)物事の優先順位を決めることが
 困難なことがときおりある

6)精神的な努力を要する課題に
 継続して取り組むことが苦手である

7)ものを無くしやすい

8)外部からの刺激ですぐに気が散ってしまう

9)約束や用事を忘れやすい

多動性および衝動性に関しては:

1)手足をそわそわと動かしたりトントン叩いたりする。
 またはいすの上でもじもじすることがときおりある。

2)席についている必要がある場面で、
 じっと席についていることができず
 離席することがときおりある。

3)不適切な状況でしばしば
  走り回ったり高い所へ登ったりする
 (青年や成人の場合は落ち着きのない行動など)

4)余暇を静かに過ごすとができない

5)駆り立てられたように
 衝動的に行動することがときおりある

6)しゃべりすぎることがときおりある

7)相手の質問が終わる前に
 答え始めることがときおりある

8)自分の順番を待てないことがときおりある

9)他人を妨害したり、邪魔したりすることがある
 (青年や成人の場合は横取りや口出しなど)

不注意の項目も、多動の項目も、
それらの症状のうち子どもでは6つ以上が、
青年期後期および成人(17歳以上)では5つ以上が
6カ月以上持続したことがあり、

その程度が一般的な発達の水準に不相応で、
社会的および学業や職業の現場で
悪影響を及ぼすレベルであることが目安となります。

ADHDの場合、
問題意識や取り組みたい気持ちはあっても、
課題を遂行することが難しくなります。

優先順位を決められませんので、
資料や持ち物を整理しておくことも難しくなるでしょう。

また、さまざまな作業も乱雑でまとまりがない
という問題もおきます。時間の管理が苦手で、
締め切りを守るのも難しいので、
混乱に拍車がかかります。

また、多動の場合、過活動で、
家でじっとしていることができませんから、
外に出ることも多くなります。

すると片づけの現場にいることができないわけですから、
さらに片づけは難しくなるわけです。

このように、
神経学的な発達の問題でおきている障害である場合、
個人的な努力・忍耐・根性などの精神論で解決しよう
としても難しいということを知っておいてください。

ADHDである場合、まずは障害の理解を深め、
治療(薬物療法、環境調整、認知行動療法など)
に取り組んだうえで、断捨離に取り組めたのなら
理想的かと思います。

絶対的なモノの量を減らしたうえで、
タスク(TO DOリスト)を書き出すなどして、
するべきことを見える化することも効果的でしょう。

昨今ではADHDに関する情報や書籍なども
手に入りやすくなっていますので、
ちさとさんもぜひご自身でも検索してみて、
わかりやすそうなものを入手されることをおすすめします。

娘さんを責めずに、思いやりの姿勢から理解を深めて、
共に困難を乗り越えられますように。
            
  

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川畑のぶこがお答えします。

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