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Q.私には27歳の娘がおります。

娘の幼少期は育てるのが大変だなぁと感じてしまう場面も多々あり、
その頃は娘の個性なのだと思っておりました。
後から気がついたのですが、
おそらく少し発達障害気味だったのかもしれません。
  
そして高校2年の時に周りの子供達との差を感じるようになったのか
段々学校にいけなくなり、3年生の時には完全に不登校となりました。
本人もかなり苦しんでいたと思います。
薬を大量に飲み自殺未遂をした事もあります。
   
その後単位制の高校に転校し
1年オーバーはしましたが、何とか高校は卒業し、
大学受験をして大学にも入学することができました。
そして大学は親元を離れて4年間ひとりで暮らしました。
 
そんな中、大学3年の時にLAMという肺の難病を発症し、
今現在在宅酸素をつけながら自宅で暮らしています。
  
娘は通常の生活は出来るものの少し激しく動くと息切れがします。
今まで私も病気を治したい一心で東洋医学、薬膳、心理学などの本を
読み漁ったり、ネットで調べたり、どうにか出来ないものかと必死でした。
  
心と身体は繋がっていると聞きます。
結局病気は娘本人が自分自身で何とかしたいと思わないと
どうにもならないもので、親は側にいて支えて
見守ってあげることしか出来ないんだなぁと気がつきました。
   
娘は自分と他人は違っていると思っていて、
他者とあまり会話をしたがりません。
また買い物以外はほとんど外出しません。
娘は恐怖心から出来ればこのままずっと家にいて、
この生活を続けられるものなら続けたいと願っています。
   
もし娘の恐怖心を取り除く事ができれば、
少しでも他者との交流を図ることが出来、
娘の人生が少しでも豊かになれるのでは思うのですが…
   
心が豊かになれれば病気が改善されるきっかけを作る事も
出来るかもしれません。
   
もしよろしければアドバイスをお願いいたします。
  
  
【もみじ・50代・パート】
  
 
―――――――――――――――――
 
A:FROM 川畑のぶこ
  
愛する我が子が人生に絶望しながら歩むのを見守ることほど
親にとって苦しいことはないと思います。
  
それでも娘さんは、苦しみを乗り越えながら親元を離れ、
一人暮らしをしながら大学に行かれたのですね。
親元を離れる際は、もみじさんも
断腸の思いだったのではないでしょうか。
  
また、娘さんの難病がわかり、在宅で治療を続けられているとのこと。
  
親として娘の治癒を望むのは当然であり、
娘の痛みや苦しみを取り除きたい一心から治療を提案したり、
人と交流することを提案するのは自然の流れと思います。
  
ただ、治療法を探し求め奔走され、
できる限りを尽くし、逡巡の果てに、
「見守るしかない」という境地に至ったとのこと。
   
もみじさんは、静かなパワーを獲得されたことと思います。
  
置かれている状況に抗うことをやめ、
受容したからこそ、手放すことができたのではないでしょうか。
  
そしてこの受容は、娘さんに安堵をもたらすことでしょう。
  
「私は私のままで受け入れられているのだ」と、
「健常でなければダメではないのだ」と。
   
もみじさんが、娘さんの人生を彼女自身の力に委ねることは、
「あなたは自分で(自分らしく)人生を切り開く力がちゃんとある」
という無言の信頼メッセージでもあります。
   
委ねられることによる安心感は真の癒しの始まりだと思います。
  
引き続き、もみじさんの思い通りではないかもしれないけれど、
娘さんなりに人生を切り開くそのプロセスを信じて
寄り添ってあげてください。
   
他の誰かはともかく、お母さんは私を受け入れてくれる
というだけで十分です。
   
そこから、オートマチックに母親との関わりを
他者にも投影できるようになる可能性はあります。
   
  
病気には痛みや苦しみが多く生じると思いますが、
大変な中にもぜひ、もみじさんと娘さんが
このような状況でなければ得られなかったであろう、
変化で好ましいことにも意識を向けてみてください。
   
病気に意味を見出すちからは、私たちの回復力を高めてくれます。
  
病気で母と娘が互いの人生にじっくり向き合う機会が訪れたなら、
それは二人の無意識な真のニーズなのかもしれません。
  
それらを意識的に取り入れてみることで、
人生に素敵な変化が訪れるでしょう。

 

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