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Q. 私はいつも、物事を
最悪のことを考えて行動してしまいます。

そうすると、現実は、
そこまでには、ならないからです。

良くと考えて行動すると悪くなるからです。
マイナス思考に、疲れてしまいます。

良いアドバイスを、お願いします。

【ムーミン・60代・女性・無職】

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A:FROM 川畑のぶこ

最初から悪いことを想定していれば、
実際の状況が悪かったときの
ショックを回避できるので、
防衛的に常に悪い状態を想定して
過ごし疲れてしまっているのですね。

このような心理的な防衛機制は
決して悪いものとは限らず、
「備えあれば憂いなし」という文脈で
はたらくことも多々あります。

楽観主義が過ぎて、
アリとキリギリスでいうところの
キリギリスにならないように
してくれたりもします。

何事も、過不足ないバランスは大事です。

ただ、ひとつムーミンさんと確認したいのは、
ムーミンさんは、実際の結果として、
良いことが起こったときはその分
人よりも謳歌して楽しめているのでしょうか?

1から10のスケールで、
10が最高の結果、1が最悪の結果だとします。

ムーミンさんの場合、
常に1を想定しているので、
実際に5だった場合、
差引いた4は得した良い気分になるけれども、
最高の10を想定すると、
差引5のショックが加わるという心理経済が
はたらいていることになるかと思います。

では、常に1を想定しているので、
2から10のときは常に喜べていますか?

実際に10が起きたときに、
「私はラッキー!」とか
「人生素晴らしい!」など、
差引9の喜びを享受しているでしょうか?

それとも、どうせ次は悪くなるに違いない、
と愉悦に浸ることは棚上げして、
次に起こるかもしれない最悪の事態に
備えているのでしょうか?

もし後者であれば、
「備えあれば憂いなし」どころか、
「備えすぎて憂いあり」の状態に
なってしまっています。

期待しているあいだの喜びもなければ、
どの結果であっても喜ぶゆとりがなければ、
結局、常にマイナスばかり
経験していることにならないでしょうか。

私の師であるサイモントン博士は、
「希望を持ちつつ執着を手放す」
というバランスが大切だと説いています。

未来に前進するときに、ムーミンさんが
望む状態が起こることを想像しつつ、
同時に、たとえ最悪の事態が起こっても
大丈夫なように備えるというバランスです。

期待感や希望を持っている人というのは、
そうでない人に比べて
健康度や人生の満足度が高いという
研究報告もあります。

ムーミンさんにおすすめしたいのは、
人生からネガティブなことを
すべて取り除くのではなく、
ネガティブなことがあっても大丈夫
という信頼感を育むということです。

たとえ、望み通りの結果にならなくても、
取り返しがつかなくなるわけではなく、
人生それなりに機能するという姿勢です。

現に、過去を振り返ってみても、
備えていたおかげで
うまく行ったこともあれば、
うまく行かないこともあったかと思います。

それでも、今日、今、ここに
ムーミンさんがきちんと立っているのは
厳然たる事実です。

思い通りでなくても、なんとかなって
人生を切り開いてきていることと思います。

ぜひ、失敗も人生の大切なプロセス
として包みこんでみてください。

失敗やネガティブな部分を受容することで、
それを避けることに
エネルギーを注ぐのではなく、
人生に起きている好ましいことや
喜ばしいことにも目が向けられるようになり、
未来に希望が持てるようになることと思います。

  
  
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