Q.子どもが思うように育たなくて
気持ちが沈んでしまいます。
私は正社員で仕事をしながら、
子ども3人を育てました。
主人は単身赴任が多く、ほぼワンオペで育て、
子どもの教育にも熱心に取り組みました。
仕事のキャリアを捨てて
子どもにとって良い環境を整えました。
自分のすべての時間を
子どもを育てることに注ぎ込んできました。
でも、子どもは思ったよりも優秀ではなく、
それは仕方がないとは考えながらも、
こんなに尽くしてきたのにという
気持ちが捨てられません。
子どもは素直で優しい子になってくれたので、
それだけで幸せに思うべきなのですが、
ただ悲しく気持ちが落ち込んでしまうのです。
そして、頑張ってもこの程度しかできないなんてと
子どもの将来も心配してしまいます。
どうやって気持ちを切り替えたら良いのでしょうか。
【くまこ・40代・女性・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
フルタイムで仕事をしながら
ワンオペで3人を育てられてきたくまこさん、
ひたすら頭が下がります。
子どもの教育も手を抜くことなく、
頑張ってこられたのですね。
ご自身のキャリアを断念してまで、
くまこさんがお子さんのために
尽くしてきたとのことですが、
その意図をぜひもういちど
振り返ってみていただきたいと思います。
くまこさんがお子さんの為に
尽くしてきた理由は…
子どもが幸せに生きるためでしょうか?
それとも…
くまこさんの期待に応えてもらうためでしょうか?
親が自分で叶えることができなかった夢を
代理で達成してもらうためでしょうか?
私たちは、ときとして、自分の思い描く理想と
子どもの幸せを混同してしまいます。
くまこさんとしては、
良い教育を受け
→勉学で成果を残し
→良い大学を卒業すれば
→良い就職ができて
→結果幸せになれる!
…と思い描いていらっしゃったことと思います。
さて、この幸せスキームは
本当にくまこさんのお子さんにとって
正しいのでしょうか?
子育ての最終目標は子どもの自立で、
子どもが自分の人生を切り開く力を
身につけることです。
いったい自分には何が出来て、何が出来ないのか?
何になりたくて、実際何になれるのか?
何を得て、何を手放すのか?
どのような状況下でも幸せの種を見つけ、
それに水やりをすることができるか?
これらを体得するためのサポートが
親の大事な仕事ではないでしょうか。
そうであれば、
勉強ができるようになることもさながら、
自分は何者かに気づくことができる知性を
育むことが大事になってきます。
誰かに敷かれたレールがあったとして、
果たしてそのレールが
本当に自分に合っているのか否かを
見極める力をはぐくむことが、
より重要なこととなるでしょう。
敷かれたレールが合っていないのに、
無理に合わせて
誰かの望む人生を歩んでいたのであれば、
人の心は充たせても、自分の心を
充たすことはできなくなってしまいます。
真のサポートとは自分が望む結果ではなく、
相手が望む結果をサポートすることです。
くまこさんは、その時点で親としてできる
最善を尽くされたことと思います。
結果が思い通りにならないので
すべてが無駄だった、と想うと、
悲しかったり、腹立たしかったり、悔しかったり
といったネガティブな感情が湧いてきて、
辛くなるでしょう。
でも、その結果、
自分に合っているもの、合っていないものが
何かを明確に把握できたのであれば、
それは決して無駄なプロセスではなく
価値の有るプロセスです。
これまでの取り組みも、
必要なだけ身についているはずです。
なので、決して無駄ではないのです。
素直で優しい子に育ったのであれば、
くまこさんの育児は十分
成功しているのではないでしょうか?
相手に思いやりと優しさをもって
接することができるのは、
優れた社会的スキルで、
机上で簡単に学べるものではありません。
くまこさんが子どもに寄り添う姿、
何ごとにも真摯に取り組む背中を
見てきた結果ではないでしょうか。
すなわち、くまこさんが意図しないところで、
子どもたちは人生でもっとも重要なことを
身につけていたのですね。
ぜひ、ご自身とお子さんを称えてあげてください。
「教材ではなく、私自身が子どもの
良き教科書になっていたのだ!」と。
そして、これからは、子どもばかりでなく、
ご自身のためにも尽くしてあげてくださいね。
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