Q.川畑先生はじめまして。
先生の心温まるメッセージ
いつも勉強させていただいております。
私の主人は教師をしており
自分のルールに基づいて家族の監視もします。
私にはママ友と関わるな、実家に行くことや、
スマホのアプリを入れる事でさえ全て報告が必要です。
私は専業主婦なので養ってもらっている以上、
逆らう事ができません。
娘に対しての教育も厳しく雁字搦め。
遂に娘は鬱になり電車に飛び込み自殺を図った事もあり
児童相談所に一時的に送られることに。
精神科にも通っていますがなんの効果もありません。
「お父さんとは今後一緒に生活できない」と娘が錯乱したので、
現在、祖父母の家に一時的に預かってはもらってますが、
高齢の祖父母も預かるのは一年が限界だと。
「もう、何をするのも面倒くさくて何も手がつかない。
このまま死んで楽になりたい。」と部屋で引きこもり、
不登校になり留年もしました。
勉強をとても嫌がり、
仕方なく住み込みで仕事をするとは言いますが、
この就職困難なコロナ禍で
中卒で住み込みで仕事に就けるとは思えませんし、
もし働けたとしても、
また面倒くさいと辞めてしまうのではと思います。
主人は、自身の言葉の虐待の為に
娘が悩んでいるとは全く思っておらず
思春期だからだと絶対に自分の否を認めません。
主人は本当はとても心が脆く、
大声をあげて威嚇する事により弱い自分を隠して
バランスを取っているのだと思います。
主人も疲れやすく休みの日は寝てばかりいます。
かといって、主人にも精神科に行って欲しいとは
恐ろしくて口が裂けても言えません。
私自身も義母の介護と家族の板挟みで
心身ともに疲弊しており我慢の限界に来ています。
どうか少しでも気持ちが切り替えれるよう
アドバイスをお願いします。
【ラクレット・40代・女性・専業主婦】
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A:FROM 川畑のぶこ
ご主人のマイルールに
家族が翻弄されてしまっているのですね。
教師としての任務を全うするのには、
揺るがぬ信念が必要なことと思いますが、
その信念も頑なさも度が過ぎると
周囲を窒息させてしまいます。
学ぶことの楽しさよりも、
厳しさで教育を受けた娘さんも、
親の期待に応えるのに精一杯頑張ったけれど、
ついにエネルギーが枯渇してしまったのでしょうね。
もし、これまで娘さんに、
駄目なところを指摘し克服するスタイルで
教育をしてこられたのであれば、
これはすぐにやめなければいけません。
彼女の持ち備えている良いところに目を向け、
そこを伸ばすアプローチが大切です。
問題に焦点を当てるのをやめて、
安らぎや喜びに焦点を当てる癖をつけることが大事です。
この価値観はご主人も育めていないことと思いますし、
そのことは娘さんもラクレットさんも認識されていることでしょう。
おそらく、ご主人も厳しく育てられたのではないでしょうか。
ラクレットさんにできることは、
父親がどうであれ、母親であるラクレットさんと
娘さんとの関係を良好なものにすることです。
お父さんがどう振る舞おうが、
「私はありのままのあなたを愛していて大切な存在」
であるということが彼女に伝わることが大事です。
もし、彼女が真剣に中学卒業後、住み込みで働く
という心の準備が出来ているのであれば、
それもまた彼女の人生と応援してあげてください。
実際に働くか働かないかは、さほど問題ではありません。
娘さんが、「私は信頼されている。受け入れられている。」
という感覚を抱けることが大事です。
「私は私でよい」という感覚です。
これまで「私のままでは受け入れられない」というメッセージを
受け続けてきている彼女ですから、
このメッセージは書き換えられなければいけません。
そのためには、ラクレットさん自身が
自分に同じように接していられていることが大事です。
「私は私のままで価値がある」と思えていますか。
専業主婦で養ってもらっている以上逆らえないと仰いますが、
専業主婦は奴隷ではありません。
主婦業を賃金に換算すると
年収400-600万円になるというデータもあります。
ラクレットさんはきちんと働いているのです。しかも無報酬で。
「価値のない専業主婦」という自己レッテルが、
自己評価を下げ、暴力を許してしまっているのなら、
この意識を変えなければいけません。
養う側は養っている相手に何でもしていいわけではないのです。
ラクレットさんご自身が、「私も夫と同様、家族のために
価値ある仕事をしている。夫もその恩恵を受けている。
私と夫は対等である。」という姿勢を構築されてください。
そして、言いたいことはきちんと伝える勇気を持ってください。
面と向かって伝えることが難しければ、
手紙にして気持ちを伝えても良いでしょう。
彼が冷静なときに読むことができます。
受診に関して、娘と私のために家族として
一緒に受診してほしいと伝えてみてはいかがでしょうか。
「あなたが悪いので治療しろ」と受け止められてしまっていると、
相手は防衛的になってしまいます。
そうではなく、「娘と私のために協力してほしい。」という姿勢で
受診を依頼をしてみてください。
ご自身のためにも、娘さんのためにも、
そしてご主人のためにも、毅然とした態度を育んでください。
これは自他への優しさです。
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