Q.一人息子が婚活を始めました。
そのことは、親として喜ばしいことだと思い見守っています。
今回、ご相談させて頂きたいのは、夫との関係です。
夫は結婚した時、災害被害にあった実家に
援助した時の多額の借金を持っていました。
夫の実家は、田舎の村では名門?ということで
立派な結婚式を希望し、
ほとんど付き合いのない親類(会社取締役)の
仲人を勝手に決め、お礼金等々負担させ、
その上結婚式では、沢山招待した(観光目的?)の
夫の親類の交通費や着付け代の負担、
挙句は、同じく災害被害に遭った、との理由で、
親類からの御祝儀を挙式中に、
勝手に返してしまうという暴挙にでました。
等々、新婚早々、多額の借金を抱えました。
そんな人たちですから、
何かにつけて援助の強要は続きましたし、
公的機関では既にお金を借りることができない
状態でしたので、村の人たちや親類にも
個人的な借金を残して亡くなりました。
今、夫は、相続放棄の手続き中ですし、
村の中にある墓にさえ近づけないような状況です。
途中が長くなったのですが、
これまで子育て、仕事、自身の親の介護等忙しく、
それなりに夫婦で助け合ってここまできました。
しかし最近、息子が婚活を始めたため、
全く忘れていたような結婚当時の些細な記憶が、
ふとした瞬間によみがえり、
既に亡くなった夫の両親や義兄が改めて許せません。
夫は亡くなった人を恨むなど人としておかしい、
とわたしを非難します。
綺麗ごとで言うなら、亡くなった人を恨むのは、
自身の精神にも良い影響を与えないので、
忘れて前を向きましょう。
と、いうことになるのでしょうが、ふとした瞬間、
無意識に記憶がよみがえり、苦しいです。
その記憶に囚われることが、
精神的につらくて仕方ありません。
何かアドバイスを頂ければ、、、と思い、
ご相談させて頂きました。
【ハリネズミ・50代・女性・アルバイト】
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A:FROM 川畑のぶこ
義父母さんの歪んだ経済観念に、
文句を言わずに(おそらく良い嫁として)
ずっと耐えてこられたのですね。
息子さんの婚活をきっかけに、
古傷がうずき出したとのことで、
お辛いことと思います。
他界された義父母さんも、今頃はあの世で
我が人生をふり返り、ハリネズミさんに
ひたすら感謝していると願いたいですね。
私たちが相手との関係でいつまでも
悶々としてしまうことのひとつには、
大切な言葉を飲み込んでしまっている
ということがあります。
些細なことであれば、
さほどダメージはないかもしれませんが、
生活に影響するお金はとっても重要な事柄ですね。
価値観はそれぞれなので、
義父母の経済観念とご自身のそれが
異なること自体は構わないですが、
そこに巻き込まれるとなれば話は別です。
おそらく「被災」「支援」「思いやり」など
というキーワードが入ると、
ハリネズミさんも支援しないのは人でなし
というような罪悪感を刺激されたことと思います。
同時に、心の底ではやはり困っている人の力に
なりたい気持ちもあったことでしょう。
何もしない自分も許せないという気持ちも。
ただし、行動に移すときは、その度合いが問題ですね。
相手の勢いに飲まれてできず、
適度であれば問題のなかった支援が、過剰になってしまい
息苦しくなってしまったのでしょう。
おそらくハリネズミさんは自分のことよりも、
相手を優先させてきたのではないでしょうか。
相手はNOと言っても、自分は言ってはいけないと。
そうであれば、これからは相手に「NOと言って良い」という
ご自身に対する許可を出してあげてください。
NOがきちんと言えることで、
自分を大切にしている感覚が身についてきます。
相手に対していつまでも恨みを手放せないで
いるのは、自分の人生のコントロールを相手次第と、
任せてしまっているからかもしれません。
自分の人生の手綱を相手に握らせずに、自分でしっかり握る、
そのためにはときにNOを言うことも必要です。
手綱は譲りませんという意思表示は、
自分を大切にしますという誓いに即した行動でもあります。
ぜひこれからは、ハリネズミさんも
自分の気持ちを素直に相手に伝える努力をしてみてください。
そのことで、たとえ相手が変わらなくても、
自分の人生を自分で切り開いている感覚が
身についてくると思います。
このような自己効力感は人生においてとても重要なものです。
NOを伝えることで相手が気分を害したり、関係性が悪化する
ことをおそれていらっしゃるかもしれませんが、
自分が我慢をして気分を害しているのであれば、
すでに十分関係性は悪化しています。
ただ、表面化しているかいないかだけの問題で、
水面下ではすでにドロドロだということを覚えておいてください。
率直なコミュニケーションは結果として、
自分も相手も大切にすることに繋がりますから、
ぜひ面倒くさがらずに大切なことを
相手に伝える努力をされますように。
大切な事柄に関して、NOが言えたら、
ぜひご自身を褒めてあげてください。
最後に、義父母さんへの施しは、
ご本人から直接見えるかたちでお返しのような
何かが返ってこなかったかもしれませんが、
ハリネズミさんの思いやりや努力や誠実ある態度や行為は、
さまざまなかたちで巡り巡って
ちゃんとご自身のところに恩恵として返ってくると思いますよ。
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