Q.川畑先生、こんにちは。
10年前より主人と別居している62歳の主婦です。
別居の原因は複雑なのですが、
一言で言えば共依存的に結婚したけれども、
私が自分の自立を意識するようになり、
いまでも依存的な主人に嫌気がさしたような感じです。
主人と居ることがとてもしんどくなってしまいました。
経済的な問題もあります。
私は3年前に関節リウマチになり投薬治療中です。
今まで色々なことがありましたが、
その都度自分と向き合いつづけ、ようやく少しずつ
ストレス対処もうまくできるようになってきました。
価値観もだいぶ変わり、自分を苦しめる価値観ではなく、
楽にする価値観を身につけつつあります。
主人とうまくいかなかった原因もわかってきて、
改めて自分の人生は自分が創っているんだと
思うようになりました。
リウマチになって気づきがたくさんありました。
そんな中、別居中の主人が認知症と診断されました。
最初は主人を一人にしたことに罪悪感があり、
可哀想な思いもあり、
私が何とか介護をしなければと思いましたが、
今更一緒に住むことは想像しただけでストレスです。
今まで、○○ねばならないに縛られて苦しい道を歩んできたので、
もうこれからは自分の気持ちを優先させたいと思っています。
子供達もいずれは施設に任せたらいいと言ってくれています。
それまでは離れてできることだけしようと思っていますが、
主人は不安なのか、私を頼り私に依存してきます。
認知症になったのも主人の人生、と割り切りたいのですが
なかなかできません。どっちにしてもしんどいです。
自分を大切にする、ってどういうことなのでしょう?
自分も主人も尊重するにはどうしたらいいのでしょう?
アドバイスよろしくお願いいたします。
【hana・60代・女性・パート】
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A:FROM 川畑のぶこ
hanaさんが共依存から脱却し、精神的に自立することで、
苦しみにあふれる人生から楽に生きられる人生に
切り替えてこられたことはとても喜ばしいことですね。
自分の人生は自分が創り出しているという気づきを
リウマチの経験を通して得られたのであれば、
まさに病気の恩恵ではないでしょうか。
今後のご主人との関係性に関して、
hanaさんの罪悪感が刺激されていることが伺えます。
夫の介護を引き受けるか施設にまかせるか、
どちらの選択をしてもしんどいのであれば、
建設的なしんどさを選択するのが良いでしょう。
おそらく、hanaさんは、夫の望む選択をすれば、
すなわち、hanaさんに介護してもらう選択をすれば、
夫の幸せに貢献できるとお思いのことと思います。
そのような状況で夫を施設に入所させることは
薄情なことであり、人としてしてはいけないと。
ところが、これは事実でしょうか?
もちろん、ある程度の努力によってhanaさんが
ご主人に健全な態度で接することができるのなら。
たとえば、介護以外の時間はしっかり自身のケアに充てたり、
デイケアを利用するなど、
さまざまなリソースを活用することでバランスがとれるならば、
hanaさんがご主人を介護するのもご縁と割り切るのも、
オプションかもしれませんね。
また、ご主人の認知症の進行を都度確認しながら、
段階的に対応していくのも良いかもしれません。
やはりご主人がひどく依存的で、
認知症の症状や周辺症状も進行するばかりだと、
hanaさんの負荷が重くなる一方で
生活の質が著しく低下してしまうでしょう。
こうなると共倒れとなる可能性もあり、
たとえ夫のニーズに応えていても、
そこに幸せがあるとは言えないのではないでしょうか。
そうであれば、お子さんたちも同意されているように、
ご主人の意には反するかもしれませんが、
とりまく心理社会的なバランスも顧みて、
施設入所を検討されるのは賢明でしょう。
介護施設に入所することで、
適切な治療やケアが受けられれば、症状がコントロールされ、
面会時に機嫌よく家族が会える可能性もあります。
hanaさんが置かれているような状況で、
双方に痛みを伴わない選択というのは無理難題と思います。
ここはぜひ、「建設的な痛み」を取る覚悟をしてください。
hanaさんが健康的であることは、結果的に
家族全体にとっても社会全体にとっても大切なことです。
hanaさんの心の奥底の声に耳を傾けてみてください。
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