FROM:川畑のぶこ
『病気は無意識による否定的な問題解決者である』
私が師、カール・サイモントン博士の教えです。
先週末から、夫、息子に続いて、
私自身がコロナを発症しました。
夫も私もワクチンを3回打っておりましたし
外出の際はマスクもしており、
できる限りの対策はしていたので意外でしたが、
とりわけこのご時世、
感染症ばかりはコントロールのしようがなく、
無意識もへったくれも無い、
罹(かか)るときは罹る、
罹らないときは罹らないと思っていました。
がしかし、私のこの数ヶ月のダイナミズムを見る限り、
すべてを手放す10日間(とはいえこのように
執筆はしているのですが…^^;)というのは、
かーなり、意味がある流れだと感じざるを得ません。
実はこのコロナ罹患自主隔離期間中、
私はもともと3年ぶりのロサンゼルス出張が入っていました。
これは心から切望していた出張でした。
というのも、この1年間、我が家は
(私にとって不本意な)夫の長期出張が続き、
その間ほぼワンオペで仕事、育児、家事、
親族のケアなど、万年回転レシーバーのごとく
必死に行っていました。
平行して、息子のほうは、ミュージカルのオーディションや
ダンスや歌のコンクールに勝ち抜くなど
予想外の快進撃を遂げるなど、
表向き喜ばしく誇らしいイベントに見えるものの、
親としては物理的に時間と手間がかなりとられ、
喜びのエネルギーと同時に
消耗度も高いイベントが絶え間なく続きました。
また、4月からは突如として夫の地方単身赴任の話が湧き、
私や息子や義母も一緒に地方移住を考えるような、
家族全体の計画が根底からひっくりかえるような
出来事が続いていたのです。
結果的にこの地方移住は中止となり、
現状何もなかったように
我が家は平常を装っているのですが、
家庭内調整のために断ったり
滞っていたりした仕事も多く、
そのしわ寄せがこの1ヶ月間続いていました。
いつになく、精神的労働&消耗度が激しかったため
どこかで「心身をリセットしたい」
という気持ちが沸々と湧いてきました。
そこで、ちょうど今月カリフォルニアに行く必要のある
案件が浮上したため、これに乗じて、
1週間ほどリフレッシュの時間としようと思っていたのでした。
現地では、当該案件の時間を1日割く以外は、基本フリー。
気の赴くままに、第二の故郷であるカリフォルニアを
満喫できる旅をひとりで、または気のおけない友人らと
しようと思っていました。
セコイア国立公園にドライブしようか、
旧友とビーチカフェへ行こうか、シアターで観劇しようか、
カリフォルニアブルーのもと手足を伸ばした自分を想像しながら…
往復の機内も、ダラダラと片っ端から機内映画を
(とりわけまだ劇場で観られていないトップガンを!)
観てやるぞと心ときめいていたのです。
ところが、私がまさに成田へ向かう途中に家族発熱の連絡が入り、
空港につくやそのままUターン、
成田往復の旅であえなく終わったのでした。
帰路の成田エキスプレスでは、
数時間前に元気そのものでお別れをした息子が
40度近い熱と呼吸困難で救急搬送される事態になっており、
気持ちは焦るばかり。
主人も発熱しているので、
近所の親友が冷静に救急対応をしてくれて、
救急車にも同乗、私が病院に到着するまで
息子に寄り添ってくれました。
幸い、息子は熱による過換気で、
すぐに落ち着き、受診して帰路につきました。
そして、その翌日から、
いよいよ私も発症することになりました。
カリフォルニアでの、のんびりウィークが
コロナの隔離ウィークになるとは夢にも思わず、
人生のままならなさを恨む気持ちも出てくるのですが、
よくよく振り返るとこの3日間は、
国立公園やビーチカフェには行けないものの、
私の基本ニーズ、すなわち、仕事、家事、育児から
完全に解放され、ひたすらダラダラ過ごすことができています。
いつもなら、家族もなんとなく
「ママがやってくれる」or「妻がやってくれる」
と期待があるであろう諸々も、さすがに、
『同病相哀れむ』精神でそれぞれ辛さを理解し、いたわり、
家族3人手放しでダラダラを許容しています。
期待されていないし、期待に応えなくてよい!
これはなんと自由なことでしょうか!
あらかじめ自分がいない期間
家族が3日間は食べていけるよう
カレーやらスープやらパスタやらを準備していたので、
それを紙皿によそって消化します。
犬の散歩は近所の親友がジョギングがてら連れて行ってくれ、
日頃ウォーキングはあってもジョギングはないワンコも大喜び。
3人共倒れとなったこともあり、
ご近所さん、親戚、友人、同僚、みんなが
「何かあったらすぐ行くから何でも言って!」と
ものすごいネットワークがスタンバってくれています。
そして、なにより…
日頃は基本的にキッチンに立つことのない夫ですが、
私より先に快方に向かったこともあり
今朝は私が10時くらいに(目覚ましなしで♪)目覚めると、
なんとコーヒーを淹れる香りが、
続いて目玉焼きとベーコンの香りがします。
これは私が長年夢見ていたシーンで、
それはそれは、満たされる瞬間でした。
これは私が元気にカリフォルニアへ行って
元気に帰ってきていたなら、起こり得ない出来事でしょう。
アメリカの国立公園はいけませんでしたが、
ベッドの中からSNSに見舞い投稿として
「美しい景色」をコメント欄へ投稿するよう依頼したところ、
世界のあちこちからたくさんの友が
美しい景色の写真とメッセージを投稿してくれて、
私はベッドの中にいながらにして予想以上の旅行が出来ましたし、
なによりみなさんの思いやりを感じることができました。
かくして、私の無意識は、コロナの恩恵によって、
私のニーズ「諸々のタスクからしばし解放され、
自己充電し、愛する者からケアされたい。」
を満たしてくれたのでした。
これはある意味、カリフォルニア旅行より
何倍も価値ある旅であり、時間だと思えます。
まだ数日間、自主隔離期間がありますが、
しばらくこの無意識の恩恵を甘受したいと思います。
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