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Q:家庭内別居の夫と今後どうしたらいいのでしょうか。

生活レベルは下げたくないので
今のところ離婚は考えていませんが、
このまま好きでもない夫と
死ぬまで夫婦でいるのも不自然です。
  
夫も社会的な立場もある為、
離婚は考えていないようです。
   
お互い夫婦関係以外の人生は
周囲の人たちと充分楽しくやれていると思います。

ただ、私は時々、仮面夫婦でいることが
周囲に嘘をついているような気持ちになってしまうのです。

ちなみに夫はプライドが高く彼から歩みよる事はないです。

私は浮気を繰り返す夫に呆れ果て、
別のパートナーがおり、再婚を提案されましたが、
経済面と生活圏を変えたくないので一旦は断りました。

離婚できたなら、もっと以前に離婚してるはずですし、
それを我慢して過ごしてきた現在、
再婚のために離婚した方がいいのでしょうか。

でも、経済面と生活圏は変えたくないのです。

【ゆうりんご・50代・女性・派遣社員】

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A:FROM 川畑のぶこ

結婚とは自由恋愛とは異なり、社会的な誓約ですね。

結婚式に大勢を招いて証人のもと
誓いを立てなければいけない理由は
単に祝福の意図のみならず、

無常の法則に従い、人間の心も移り気なので、
そこに理性や知性の手綱をつけて情動をコントロールしながら
苦楽を共に添い遂げることを願う意味があるのでしょう。

現代の社会制度上、魅力的な異性が現れる度に
次から次へとパートナーを変えていたら、
家庭は不安定になり、生活基盤は揺らぎ、
未来を担う子どもにも影響が出ます。

結婚制度は社会的動物の智慧なのでしょうね。

このような理由からも、
ゆうりんごさんが結婚に求めるものが何か、
あらためて優先順位を整理することは大事だと思います。

恋愛のような男女の情愛に重きを置くなら、
再び夫に対して恋人のように接する努力が
ゆうりんごさんにできるのか、

もしそれが最も高い優先順位であるにもかかわらず、
それはできない、またはしたくないのであれば、
離婚の意味はあるかもしれません。

ただし、男女の刺激的で情熱的な愛
(ギリシャ哲学でいうところの、いわゆるエロスの愛)に
重きを置くなら、数年ごとに
パートナーを変えていかないといけないかもしれません。

神経学的にもこのような男女が恋愛の情熱を感じる
化学物質は2〜3年しかもたないことが分かっています。

結婚では、このエロス的な愛を乗り越え、
人間愛=アガペの愛へ移行できるかどうかが
私達に試されることでしょう。

それには相手への、歪(いびつ)さや弱さも含めた関心と関与、
思いやりの有無が大切になります。

また、愛のかたちには、フィリアの愛という、
友達に感じるような友愛もありますが、
男女の仲というより、
友のように関わりあう夫婦も中にはいますね。

もちろん、そのような愛情が薄れたとしても、
ゆうりんごさんもおっしゃるように、
婚姻関係が経済面や生活などに
多くのメリットがあると考える場合、

情愛とのバランスを見てどちらを取るのか考えることも
大切となってくるのではないでしょうか。

結婚をロマンスのみでとらえず、
社会的な保証と捉える人もいます。

ロマンスが消えた、あるいは無いからといって、
周囲に嘘をついているかというとそうとも限りません。

また、相手がどう感じるかは相手の課題であって、
ゆうりんごさん夫婦が責任をとることではありません。

繰り返し、夫婦関係にはいろいろな正解がありますし、
ゆうりんごさんにはゆうりんごさんなりの、
唯一無二の正解があることと思います。

ですので、わざわざ周囲に
「私達の男女の関係は冷めていますが、
 それ以外の社会的なバランスが取れているので
 夫婦関係が続いています!」
と馬鹿正直に宣言する必要もありませんし、

周囲もそのようなことには関心がないかもしれません
(及ぼす影響もさほど多くないので)。

あまり、理想主義に走らずに、ひと息おいて、

夫婦ってなんだろう?    そして、
私(達)における夫婦とはなんだろう?

と静かに振り返ってみることをお勧めします。

ゆうりんごさんなりの優先順位が明確になったのなら、
すべてが完璧・理想通りに手に入らなくても、
私達の人生は多少の歪さも含めて、
絶妙なバランスのもと成り立っていると知り、
執着の手放しにつながるのではないでしょうか。

執着を手放すというのは、
かならずしも相手を切るということとは限りません。

相手との関係性へのこだわりを手放す
ということでもあるのです。
 
      
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