Q:小学生の子供2人の母です。
私は濃厚な人間関係が苦手です。
そのため、学生時代からの友人以外は、
敬語しか使いません。
気が弱くお人好しなところがあり、
ある程度、線引きしないと
図々しい人に振り回されてしまいます。
そのため、すごく好かれることも無いですが、
特に嫌われることもない人間関係が築けています。
従って、人間関係で一時的に悩んでも
解決出来ることが多いのですが、
最近は子供が絡んでなかなか難しいです。
息子(5年)が学童野球をしていて、
メンバーの女子とよく揉めます。
そしてその女子(4年)のママさんと息子も揉めます。
ママさんは指導者ではないのですが、
ソフトボール経験者なこともあり、
私たち親子を下に見ているようです。
息子も私も野球以外で得意なことはあるので、
下に見ようが馬鹿にされようが構いませんが、
それを言葉や態度に出されると
こちらも黙っていられません。
細かい対応は理性的にしていますが、
自分主観で周囲の人間を
上下に当てはめるような人への
うまい対処法を教えてください。
(特に下に見られている場合)
【たろう・40代・女性・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
濃密な人間関係が苦手な
たろうさんの苦悩が伝わってきます。
子どもを育てるようになると、
それまでは自分のことだけを軸に
避けてきた人間関係も、
子どもを軸に向き合わざるを得なくなる
ことが多々出てくることと思います。
このように子育てを通して親たちが
育てられていくのでしょうね。
たろうさんとママ友との関係に関しては、
もしかすると、距離を取ろうと
あえて使用している敬語が、図らずも
無意識な上下関係を生んでしまっている可能性も
少なからずあるのではないでしょうか。
たろうさんが単に丁寧語で話しているなら
さほど問題にならないかもしれませんが、
もし尊敬語や謙譲語を多用していて、
不要にへり下った姿勢になってしまっている場合、
そのことで、相手がいわゆる上から目線で
ものを言いやすい関係を
築いてしまっているかもしれません。
相手の勘違いを招いてしまっているということですね。
尊敬語や謙譲語は
文化的に自分を控えるための言葉ですから、
それらを使いながらどんどん自己主張をするというのは
文脈的にハードルが高くなります。
その場合、潔く敬語をやめるのも一つの手です。
徐々にタメ口に変えていくことによって、
よりカジュアルにたろうさんが
自分の思いを伝えやすくもなるでしょう。
かたちから入ってみるといううことですね。
もしたろうさんが、
とくにへりくだったものの言い方をしているわけでも
ないのに、相手が見下してくる場合は、
ソフトボールに関しては、
相手が教育的な立場で情報をくれたり、
技術を伝授してくれたりしていることに
関して敬意を示しありがたく受け止めつつも、
「私は〇〇さんのソフトボールの知識や経験は
とても尊敬するし自分たちが至らないことだらけ
なのはわかるけれど、
なんだか〇〇さんと話をしていると、
ソフトボールだけではなく、人としてダメと
言われているように感じてしまうんですよね。」
などと率直に気持ちを
伝えてみるのも良いかもしれません。
たろうさんがその相手とうまくやっていきたいのであれば、
相手の優っている部分=ソフトボールの知識や技術
に関しては賞賛することを忘れないでください。
また、相手も優越感を感じたくて
そのようなコミュニケーションをしている可能性があり、
その場合劣等感があるからこそだということも
覚えておいてください。
無意識に自分は劣っていることを感じたくない恐れから、
優っている立場を形式的につくろうとしていますから、
優っている部分を素直に認め褒めることです。
もちろん、中には人格の問題で、
相手をストレスの憂さ晴らしの対象のように使う人もいます。
そのような人の場合、そもそも、
さまざまな努力によって反省や改善が期待できる人
なのかどうか、判断する必要もあります。
己を省みることができない人であれば、
たろうさんが悩むのも時間の無駄です。
同等にみられようとか、
他の分野では上にみられようとかという執着を手放して、
「そのようなことは理解できない人」
として向き合うことが大切です。
相手が尊敬する人であれば
思われる努力をするのは大切ですが、
たろうさんが尊敬できない人やむしろ軽蔑するような人から
好意的に対応してもらう努力というのはときに不毛です。
それでも、たろうさんが言いたいことを
きちんと相手に伝えているという事は大事で、
人間関係のストレスの多くは、
言いたいことを適切に伝えられていないこと
により生じています。
相手は変わらないかもしれないが、
自分を大切にするという観点から、
たろうさんご自身の思いを相手に伝えるという立場を
とってみてはいかがでしょうか。
そのように、言いたいことが言いあえる関係になると、
より楽に関係が維持できるかもしれません。
子どもはこのようなままならない状況をつくりだし、
私たちが「ままならなさにしなやかに対応する」
という人生の課題に、
これまでとはちがうあり方で対応する機会を
つくってくれているのかもしれませんね。
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