Q:いつもメルマガ、拝読しております。
今日は小学校一年生の息子の事で
悩んでいる相談です。
平仮名の読み書きに障害がある
発達性読み書き障害(ディスレクシア)
ではないか?
と学校に相談したり、
個別支援級への転籍を視野に入れ
市の相談センターに申込もしております。
今までは手がかからず育ってきました。
小学校に入り、
文字を読んだり書いたりする機会が増え、
疑問に思う事が増えてきました。
調べ始めると該当する事が多いんです。
まだ、確定ではありませんが、
できる事をしてあげたい気持ちで
いっぱいです。
ただ、以前の様に純粋に
子どもをかわいいと思う事が少なくなり、
疎ましく思ったり煩わしいと感じて
子どもにもそのような態度を取ってしまい、
自己嫌悪に陥るのを
繰り返している日々です。
この障害は、先天的なので治る事はなく
適応できる事を増やしていく
援助をするようです。
これから、
自分の気持ちとどう向き合えばいいのかを
アドバイス頂けたら幸いです。
【えんぴつ・40代・女性・パート】
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A:FROM 川畑のぶこ
つい先日、ブロードウェイミュージカルの
「天使にラブソングを」(Sister Act)を
観てきました。
7回もカーテンコールがあり
大盛り上がりだったこの作品は、
グラミー賞、オスカー賞、
トニー賞、エミー賞の
4つの賞全てを受賞した
ウーピー・ゴールドバーグが
プロデュースしており、
映画版では彼女自身が主演俳優なのですが、
ウーピー・ゴールドバーグは
ディスレクシアです。
そのほかの著名人では、
映画監督のスティーブン・スピルバーグや
カリフォルニア州知事を務めた
元俳優のアーノルド・シュワルツネッガーも
ディスクレシアであり、
ノーベル賞受賞者で理論物理学者の
アインシュタインもディスクレシアの兆候が
見られたとされています。
英語圏ではディスレクシアの発現率は
10-20%とされており、
日本ではまだ調査が進んでいないものの、
5-8%の割合ではないかと言われています。
このように、
ディスレクシアの発現率は
決して低いものではなく、
たとえディスレクシアがあっても
社会的に成功を収めている人は
たくさんいるのです。
もちろん、えんぴつさんの息子さんも
そのひとりになれる可能性はあるわけです。
子どもがこれまでのように
可愛いと思えなくなってしまい、
そんな自分に罪悪感を覚えている
とのことですが、
成長して子どもが
自己主張ができるようになるにつれて、
ただ可愛がっていた頃とは異なり、
疎ましさや煩わしさを
感じるようになることはあるでしょう。
幼稚園から小学校に入る段階、
思春期に入る段階、
中学校に入る段階など、
家庭以外で社会的に身を置く場が
確立してくるとなおさらでしょうし、
子どもが自立していっている
証しでもあります。
ただし、その理由が
これまでは手がかからない子だったのに、
ディスレクシアで読み書きが始まる今後は
平均的な子たちと異なり手がかかるから、
という理由であるなら、
意識を切り替えていくことが大切です。
子育てとは基本的に手がかかることですが、
息子さんの場合、
これまで手がかからなかった分、
そのバランスを小学校から
取るのかもしれませんね。
「普通の子ができるのにできないダメな子」
という思い込みがあると、
疎ましさや煩わしさは増してしまいますが、
いったん息子さんなりの学習方法を
体得しさえすれば、
そこに取り組むのは息子さんであって
えんぴつさんではありません。
息子さんは他の子たちとは異なる
ユニークな方法で学習し、
世界を切り開いていくことを
信頼してあげましょう。
息子さんに対しては、
みんなそれぞれ個性と課題があって、
それを乗り越えることで、人生を豊かに
切り開いていくことができることを
伝えてあげてくだしい。
読み書きは苦手でも、
それ以外にできることが
たくさんあるはずですから、
できないところではなく、
息子さんのできるところに注目して
そこをのばしてあげてください。
そのことで、息子さんも
自尊心や自信を損なうことなく
人生を切り開けることでしょう。
親子にとっても、平凡でなく、
唯一無二のスペシャルな体験が
できる人生と受け止めることもできます。
また、自分たちだけでなく、
人生の課題に果敢に向き合う人々に対して
差別的な心を捨て、
慈悲心を育み向き合う訓練にもなります。
これはとても大切な取り組みであり
豊かな取り組みです。
ぜひ、個性を伴うそれぞれの課題を
称えてください。
また、子どものことばかりに注意があると、
気になることも増えがちですが、
子どものことばかりでなく、
えんぴつさん自身が自分のための時間を
取り戻して満たすことも大切です。
子どもは私たちに多くの喜びを
もたらしてくれますが、
思い通りにならないときに、
ときに苦しみの源にもなり得ます。
そして子育てとはままならないものです。
そのようなときに、
エネルギー源は多ければ多いほど良いです。
子どもの問題に向き合うための
エネルギー供給源を
他から確保しておくためにも、
そして、息子さんとの良好な関係を
維持するためにも、まず、えんぴつさんが
自分自身をケアしてあげることが
バランスをとる上で大切であることを
思い出してください。
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