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Q:嫌いな人を過度に嫌って、
相手からも嫌われようとしている自分がいます

価値観の違いから、嫌いな人がいます。

いつもなら、嫌いな人には近づかず、
離れることを選択します。

しかし、子供の通う幼稚園のママで、
子供たちが仲も良く、離れることができません。
なので、表面的な関わりをしていました。

しかし、ある時、嫌なことを言われたりされたりして、
私自身がとても傷つき、感情も大きく揺さぶられました。

それから、その人から嫌われようとしている自分に
気がつきました。

嫌われるなら、徹底的に傷つけて、
もう2度と会うことがないくらいの関係になりたいと
思っている自分がいました。

自分と自分の関係性は
とても良くなっていると思っていたけれど、
この心理は一体何なのか、正直わかりません。

思い返してみると、昔の恋愛もそうでした。
別れを告げられてから、それだったら徹底的に
嫌な人になりたいと思っていたことがありました。

自分が振る場合も同じで、
嫌な言葉を吐き捨てて、別れました。

この頃は、自分との関係が悪かったのですが、
まだこの私が私の中にいるようです。

それに気がついたはいいけれど、
嫌いな人を過度に嫌うところがどうしようもありません。

気がつくと、嫌な人を思い浮かべ、
その人にどんな風に、嫌な私で嫌われるか考えています。

とても苦しいです。

アドバイスをいただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。

【ラクシュミー・30代・女性・公務員】

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A:FROM 川畑のぶこ

自分だけのことであれば、
単に距離をおけば良いだけの人間関係も、
子どもが絡むとそう簡単にはいきませんね。

自分で選ぶことはできない人間関係であり、
子どものことを思うからこそ、
ご自身の気持ちを抑圧してがまんしてきた
ラクシュミーさんだと思います。

けれども、その限界が来てしまったのですね。

私たちはみな、価値ある存在でいたいですし、
常に他人との関わりの中で
自分の存在価値を確認したいものです。

自分と異なる価値観の人がいたときに
脅威に感じて過剰反応してしまうのは、
自分の価値が損なわれるという幻想をもつからです。

今回、ラクシュミーさんが体験されたように、
相手に嫌なことを言われたりされたりしたら
怒りを持つのは当然のことです。

ただ、それをどのように表現するかが問題であり、
表現の仕方によってご自身の心の状態が
把握できることと思います。

「今の言葉には傷つきました」
と相手を攻撃することなく、
率直なフィーリングを伝えることは、
自分も大切にして相手にも配慮した姿勢だと思います。

一方で、嫌われているんだから、
こっちも相手を嫌う態度をとって
とことん嫌われるように仕向ける、という、
やられたらやり返す姿勢は、

相手と自分とでどちらが優位かを争う
マウントの取り合いであり、
怒りや攻撃は自分のパワーを感じたいための、
無意識で防衛的な行為でもあります。

私たちは怒っているときや攻撃しているときは、
なんだか自分が強くなり、
パワーを獲得したような気分になれるのです。

でも、これは裏を返すと、
そうでもしないと自分は無価値になってしまう、
という恐れを隠す行為でもあります。

深い部分では、自分は自分、相手は相手で良い、
どちらにもそれなりの正解があり価値がある、
ということを認められていないので、

どちらが正しいか、白黒はっきりさせて
自分の価値を確認しようと、
不毛なパワーゲームに陥ってしまうわけです。

自己肯定ができている人は、
自分が正しくあるために、
相手を不要に貶める必要はありませんが、
自信がない人は相手を悪者化して
自分が正しくないとやってられなくなります。

では、このスパイラルから脱却するには
どうしたらよいのか?ということに関しては、

相手が嫌なことを言ったりしたりしてきたときに、
相手も自分の価値を認めることができずに、
不器用なやり方で
(私を貶めて優位になることで)
それを確認しようとしているんだなと、
相手の見方をシフトしてみることです。

相手は強い人でもパワフルな人でもなく、
自身の価値を疑い、自信が持てなくて困っている、
弱さを備えた人です。

「私と同じ課題を持った、困っている人」
でもあるかもしれませんね。

そのように相手の行動の表面的な部分でなく、
根を見るようにしてみると
過剰反応をしなくて済むようになり、
時間の経過とともに、
慈悲の気持ちも湧いてくるかもしれません。

どちらが正しいか?を争わずに、
どのように違うのか?という多様性を、
愛ある好奇心をもって見つめるようにしてみてください。

物事を深く理解する姿勢は、
ラクシュミーさんを過剰反応から解き放ち、
軽やかにさせてくれることと思います。

 
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