Q:12月で29才になる次男が仕事を辞めて
家に戻ってきて6ヶ月になります。
学生時代は陸上部に所属し
高校大学とスポーツ推薦で進学し
賞状やメダル、トロフィーが沢山
家にあります。
勉強、特に数学は苦手でしたが、
好きな科目や歴史宗教関係は詳しく
ニュースに合わせていろんな知識を
聞かせてくれます。
そんな息子が、
僕に合う仕事がない、
やりたいことがない、
と半年も家にいる状態です。
家事を手伝ったり
庭の手入れをしてくれますが、
息子が生き生きと生きてくれることを
何よりも願っています。
仕事を辞める前に
心療内科クリニックへもかかったけれど
得るものがなかったと言っています。
自信を無くした息子に
これからどのように接すれば良いか
教えてください。
【キミ・60代・女性・無職】
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A:FROM 川畑のぶこ
スポーツの世界で
華々しい学生時代を送られた息子さんが、
社会に出て情熱をかけられるものを
見失ってしまったのですね。
そのようなときに、戻れる家があり、
あたたかく迎え入れる母、キミさんが
いらっしゃることは
息子さんにとって大きな救いだと思います。
彼の関心があることに耳を傾けて、
それをありがたく思うキミさんとの関係は
彼が再出発するエネルギーを
つくってくれていることと思います。
今は彼にとって、人生のインターバルです。
どうか、
実家で十分にエネルギーを充電する時間を
つくってあげてください。
たとえ社会でトロフィーやメダルなど
獲得してこなくても、
あなたがただいることが幸せで
大事なことなのだ、
ということが伝わるのは、
何より大事なプロセスだと思います。
確かに、スポーツで活躍しているときは、
躍動感が溢れるので、
いかにも生き生きしている感じが
伝わりやすいかもしれませんが、
歴史や宗教について考えたり
語ったりするとき、また、家事手伝いや
庭の手入れを無心にしている瞬間、
そのことで誰かの役に立てている
という感覚が芽生えたなら、
彼の中には見えない躍動感があるはずです。
ぜひそのような微細な躍動にも
きちんと光を当ててみてください。
もしかしたら息子さんは、
スポーツで脚光を浴びたように
職場で活躍するセルフイメージがあり、
それにこだわってしまったため
辛くなったのかもしれません。
そんな必要はないのだということに
気づけると楽になることでしょう。
新たなセルフイメージを
確立していくことは大事です。
もちろん、今でも学生時代に邁進していた
スポーツが好きなら、
プライベートで楽しんだら良いでしょうし、
好きなことでエネルギーを充電することで、
仕事のストレスも乗り越える
原動力となるかもしれません。
スポーツ以外にも、
前述の興味・関心を含め、
自己充電できる要素を
たくさんもっていることは大切です。
なにかひとつが
うまくいかなくなったときに、
他の要素がそれを補完する必要があります。
ぜひ、息子さんが安らげたり楽しめたりする
話題や活動に誘ってあげてください。
キミさんも一緒に取り組めるものがあれば
それは素敵なことだと思います。
心療内科は医療機関のポリシーや
医師それぞれとの相性もありますから、
たとえ最初に行った医院が
合わなかったとしても諦めずに、
自分に合う医療機関を
見つけることをおすすめします。
いずれにせよ、
今はしばらくゆっくりしたらいいよと、
彼が沈むフェーズを受け入れ、
引き続き暖かく包みこんであげてください。
周囲からの(見えないもの含む)圧力による
現状への抵抗がある限り、
彼のもがきも継続するでしょうが、
それらがなくなったときに、余計な力が抜けて、
自然と浮上してくることはよくあることです。
キミさんご自身も、自分の時間を大切にしつつ、
ずっと続くことはないかもしれない
息子さんと一緒の時間を
彼の病気の恩恵としてぜひ味わってください。
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