
Q:いつも楽しみにしています
娘との関係で悩んでいます。
娘は職場でのパワハラがきっかけで
双極性障害になってしまいました。
小さい頃からあまり
私に反抗もしなかったのですが
夫婦仲が悪く喧嘩が多かったこと、
威圧感のある私の接し方、
それもストレスになっていたようです。
今でも精神的に不安定で
子供を産んで酷くなりました。
先日、娘と孫、私で旅行に行ったのですが
その時に私が孫をベッドに寝かせていて
落ちてしまい、
娘が尋常じゃなく興奮してしまい、
なだめようとした言葉で
更に激怒させてしまいました。
今までも何回も娘を怒らせていることもあり、
次の日、当分実家には行かないから
置いてある服や孫のモノを返すようにと
LINEがありました。
何回も謝りましたが、
反省の色が無い、謝っても許せない
というLINEがきました。
孫に会いたい気持ちと、
また娘を怒らせて
症状を悪化させてしまうかもしれないから
会わない方がいいんだという気持ちで
ごちゃごちゃになっています。
今は、なんであんな事をしてしまったのか
という後悔でいっぱいです。
初孫なので会えないのは本当に寂しいです。
これからどうしていけばいいのか、
会えないならどういう心持ちで居れば良いのか、
アドバイスお願いします。
【あーちゃん・50代・女性・自営業・愛知県】
―――――――――――――――――
A:FROM 川畑のぶこ
娘さんのメンタル面の心配、
あーちゃんご自身の昔の態度に対する後悔や、
お孫さんに会えない寂しさや悲しみなど、
複雑な感情が入り交じる中で、
あーちゃんなりにそれぞれのことに
丁寧に向き合おうとしている姿勢が伺えます。
これは、優しさや深い愛情なしには
起きえないものだと思います。
人生というのはままならないものです。
ただし、すべての出来事のタイミングには
学びの機会が潜んでいることも
忘れないでいただきたいです。
まず、娘さんが
当分実家にいかないと言っているのなら、
いまはその気持を尊重して、
しばらくは静かに見守ってあげてください。
双極性障害は
躁状態とうつ状態を繰り返すという
症状がありますが、
躁状態のときには興奮しやすくなり、
普段より口調が鋭くなって、
相手の意見に対して強く反論したり
無意識に批判的な発言をしたり
することがあります。
また、尊大な態度や高圧的な態度を取って
相手を激しく罵倒し
傷つけてしまうこともあります。
さらに、娘さんが出産後で
実家に里帰りをしていたのであれば、
出産後はホルモンバランスが
著しく乱れますから、
より精神的に不安定になりやすい状況ですし、
本人もおかしいと感じていても
コントロールが効かない状態かもしれません。
私自身、
息子の出産時にお世話になった産院は、
日本でも屈指の名医が揃う産院でしたが、
そこの副看護師長ですらご自身の出産の際、
とくにそれまで健康状態に問題もなく、
プロなので産後の子育てには
自信があったのに、育児ノイローゼになり
周囲に助けてもらわざるを得なかったと
おっしゃっていました。
ホルモンは侮れません。
このように、
病理が彼女を駆り立てている状態では、
相手があーちゃん以外の誰であっても、
何をしても、どんなに謝っても、
娘さんの心が落ち着くことは
ないかもしれませんし、
あーちゃんがその時点でのできる限りを
尽くしたのであれば、あとは、
静かに嵐が去るのを待つのみです。
失敗を反省しつつも、
過度に落ち込みすぎないことです。
また、双極性障害の病因には
遺伝や性格や環境要因が考えられますが、
長年自分の感情を抑圧して
ストレスが発散できないことも
一因と言われています。
娘さんは小さい頃は反抗せず、
その要因に親の夫婦喧嘩や
母親の高圧的な態度があるとのことなので、
娘さんなりに、母親の機嫌をとるのに
かなり我慢を強いられてきたことが
考えられます。
そうであれば、お母さんを好きだからこそ、
どこかで恨みの気持ちを抱くのも
自然かもしれません。
ただ、その恨みは裏を返せば、
もっと私を大切にしてほしかった、
愛してほしかった、
という現れであり訴えでもあるのです。
ここであーちゃんが
娘さんのいうことを受け入れず、
「謝っているのだから許して
孫に会わせてほしい。でないと寂しい。」
というような態度を取ると、
娘さんの目には、
母親が私の気持ちは無視して
自分の欲求を満たすことばかり考えている
身勝手な人、と映ってしまい
辟易してしまいます。
大切なのは、孫の前に
何より娘さんのことを思いやる姿勢です。
ここは娘さんの気持ちを尊重して
当分は静かに見守ってあげてください。
彼女も二度と実家には行かないとは
言っておらず、
「当分は」行かないと言っているのですから、
ほとぼりが冷めたら変わる可能性は
十分にあるわけです。
娘さんは一時的に距離を取ることで、
自分の心を守っているのですから、
そこにズカズカと踏み入れないことです。
また、いまは躁状態かもしれませんが、
抑うつ状態になったときに
母親(祖母)の助けを必要とすることが
出てくるかもしれません。
それまでにできることとしては、
心からの詫びを伝え、娘さんが調子よく
幸せでいてくれることが大事で、
そのためのできる限りのサポートはするので、
助けが必要になったらいつでも言ってくれと、
あくまでも娘さんのニーズを優先する姿勢を
育みオープンでいることです。
近くでサポートができないのなら、
小包とともに心のこもった手紙を
送るのもよいでしょう。
小包は、ついお孫さんのものばかり
送りがちですが、
娘さんを労(ねぎら)うものも入れて
送ってみてください。
彼女の好きな食べ物や、
育児疲れを労うグッズを入れ
「育児大変だと思うけど、たまには休んでね」
と一言添えるのもよいかもしれません。
「孫に会いたい!」のまえに
「あなたが何より大事!」という
娘さんをケアする姿勢で接するように
心がけてください。
娘さんのケアは自ずと
孫のケアにつながるのですから。
無私の精神でお孫さんと娘さんにとって
真に必要で大切なことを
提供してあげてください。
娘さんが、
母親は自分のニーズの充足よりも、
私と子どものニーズの充足と幸せに
関心があるのだと
心の底から感じられるようになれば、
関係性は自然と改善していくことでしょう。
同時に、あーちゃんご自身は、
お孫さん以外でも自己充足できる場を
拡充するよう努めてみてください。
応援しています!
ーーー
★あなたが今抱えている『悩み』をお聞かせください。
毎週2件をピックアップし、
月曜日(YouTube版)・水曜日(テキスト版)に
配信のメルマガで、
川畑のぶこが直接お答えします。
ご相談はこちらから