心理療法家でサイモントン療法認定トレーナーの川畑のぶこによる、皆さんからの質問へのアドバイスや、メンタルの整え方、実生活に役立つ心理学のお話。日本における「サイモントン療法」の第一人者であるほか、「断捨離アンバサダー」としての顏も持つ川畑のぶこ。この2つのメソッドをベースに、一般の方のストレスマネジメントやメンタルケアについて、わかりやすくお伝えしています。

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Frisch gekochtes Kompott aus Aprikosen mit Vanille, Zimt, u.a. Gewrzen

FROM 川畑のぶこ

「幸せに生きるにはどうしたらいいんですか?」

こんな漠然とした質問をたびたび受ける。
もし、この質問に一言で答えられる人がいるなら
私のほうが教えてもらいたい。

幸せの感じ方は人それぞれ。
人とのつながりに喜びを感じる人もいれば、
自然とのつながりに幸福を見いだす人もいるよう。

何かを達成したことで充足感を得ることもあれば、
人の役に立てたときに生き甲斐を見つけることもあるだろう。

美味しいものを食したり美しいものを目にしたときに、
あぁ、生きててよかった!と細胞レベルでいのちに感謝するかもしれない。

幸せに生きるには… そのためには某かの条件が整ったら―
たとえば
お金持ちになったらとか
欲しい物が手に入ったらとか
好きな人と一緒になれたらとか
某かの条件が整ったのなら得られるものと思っている人も多いよう。

されど人間とはまこと欲深く、ついこの間まであれほど切望していたのに、
ひとたびそれが手に入ったのなら、喜びもつかの間、
すぐにまた足りないものに目が向き、それらが手に入らない不幸を罵り、
幸せになれないと感じたりするもの。

恋人さえいれば…
結婚さえすれば…
子どもさえいれば…
もう1人子ども産めれば…
こんなに産みさえしなければ…

何度となく臨床で耳にしたこれらの言葉。

それらの条件を求めている限り、幸せとはまるで影踏みのように
たどり着いたと思ったとたんに足下からスルリと逃げ去るよう。

幸せとは「何かを手に入れる」結果訪れるものではなく、
その瞬間その瞬間、目の前に展開されていることに幸せを感じること
のできる力のことをいうのだと、つくづく思う。

一定の条件を全て持ち備えている人ではなく、
どのような条件下でも、そこにそれなりの気づきや感動をもって、
前進する力に転化することが出来る人こそ、真の幸せな人ではないかと。

幸せのレセプタを磨くとでも言おうか、開発するとでも言おうか。

そのためにはまずそのことを意識することがキモかと、
今この瞬間、身の回りに起こっていることで、喜ばしいことやありがたいこと
を意識してみることからはじめてみると良いのでは、と伝えることにしている。

そして、それも難しいというのであれば、
もうひとつ、己に究極の質問をしてみる。

「もし今日が人生最後の日だったら?」と…

チベット仏教の僧侶たちは、
混乱したら「今日死ぬ」ことをイメージするのだそう。

死の瞑想を行うことで、
いったい今の自分にとって何が真に大切なのか、
人生のプライオリティーが明確になって頭の中が澄んでくるのだそうだ。

実はこれ、私自身も日々パクリで実践しているアプローチ。

壁にぶつかったり、判断に迷ったりしたときは、
「もし今日死ぬなら、あんたはどうするの?」と己に問うことにしている。

すると明瞭な答えが、おなかの底あたりから自然と湧いてくる。

死を意識するというのは、生を意識することに他ならない。

生を輝かせたいと思うなら、人生に限りのあることを知り
一瞬一瞬、目の前に展開されている奇跡に注意を払ってみてほしい。

全てに感動するのは無理にせよ、はっとする瞬間があるはず。

人生なかなか捨てたもんじゃない…
そう思えたなら、それは十分幸せなことではないでしょうか。

PS
★ チベット仏教僧侶・ダライラマ法王主治医
Dr. バリー・カーズィン来日イベントのご案内★
(川畑のぶこもプロジェクトチームの一員です)

【1】11月3日(火・祝)10:00-17:00[1-DAY]
ハートシェアリングフォーラム
『共に病に臨みいのちの大切さを知る私たち』にて
Dr.カーズィン講演「死と向かい合い・生と向かい合う術」
※どなたでもご参加いただけます。
詳細・お申込み ⇒ 【 http://peatix.com/event/113683 】

【2】11月7〜8日(土日)[2-DAY]
『幸せの処方箋』慈悲を養う瞑想研修会
※どなたでもご参加いただけます。
詳細・お申込み ⇒ 【 http://peatix.com/event/113762 】

150907

皆さん、こんにちは。川畑のぶこです。

私の背後にあるのは、新しいピアノです。
皆さんにはおそらくグランドピアノに見えると思うのですが、
実は、グランドピアノ“風”の電子ピアノなのです。
(ハイブリッド・ピアノと呼ばれるらしいです、笑)

この家は設計上、大きい引き戸や窓がなく、
以前あったアップライトピアノが入らなくなってしまったので、
それは友人宅にあげて、その家にあった電子ピアノを借りていたのですが、
息子も最近ピアノを習い始めて、長く続きそうな感触なので、
この機会にグランドピアノ型のものに買い替えたというわけです。

今回、このグランドピアノ“風”が入ったことによって、
その昔、一度は音大を目指した私の夢が一部叶ったということもあり、
ちょっとウキウキ、モチベーションが上がっています。

さて、今日は40代のよしさんという方(性別は分かりません)からの
「怒られるのが怖い」というお悩みです。

「仕事などで怒られた時に、とにかく怖くなってしまいます。
『もうこの人いらない、首にしたい』と思われているのかとか、嫌われたとか、恥ずかしいとか、
怒られた内容とともに、色んな思いがくっついてきて、血の気が引きます。

萎縮してしまい、動機がしてしまい、どうしたらいいかわからなくなります。
残りの時間も、家でもずっと引きずります。
失敗するのが怖くなり、もう仕事に行くのが怖くてしかたなくなります。
それで辞めてしまったこともあるし、その恐怖があることで、
仕事が長く続けられないという思いがあります。

心におこる動揺をどうしたら、扱えるようになるか知りたいです。」とのことです。

とても繊細で真面目な方なのでしょうね。
仕事や周囲の人々と誠実に関わり合おうとしていることが、文面からも伺えます。

まず、「怒られた」のか、はたまた「注意された」「間違いを正された」のか、
そのどちらなのかを、正しく捉えましょう。

そして、ご自身がおっしゃっている「色んな思いがくっついてきて、血の気が引きます」
という点について、この「色んな思い」というのが、
実際に相手や周囲が思っていることなのか、よしさんがそのように思い込んでいることなのか。
ここをきちんと区別していくことが、大切です。

人間というのは、失敗を免れない存在だというのをきちんと知っておくことも必要ですね。

続きは、ビデオでお話ししています。

https://youtu.be/5QoJf_Smf_I

 

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Business lunch

断捨離メルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をあなたにシェアします。
――――――――――
Q:前妻が使っていた台所

断捨離に興味を持ち、変化を求めてやり始めたのですが
壁にぶつかっています。

自分の持ち物は順調に扱えていたのですが、
台所やリビングでやる気がでません。

何故なら、私と夫は再婚同士で、この家は前妻と夫が建てた所。

私は10年前からここに住んでいますが、
環境に自分を合わせて来たことに気づきました。

家電も家具もすでにあったもの。
今さら愛情もって扱えないのです。

子供部屋が二つ。
30歳と26歳になる夫の連れ子は、独立してますが
沢山の荷物が置きっ放しの物置です。

空間がもったいないけど、私にはどうすることもできません。
夫に相談しても気にならない様子で、そのままです。

断捨離の作業が止まって、
私の人生も諦めのものになりかけています。

このまま、事を荒げずそっとしていくのもありでしょうが、
この家で私がくつろげる空間がないのが事実です。

引越すだけの経済的余裕は、現在ありません。

どうすれば良いのでしょうか。

【46歳 会社員 匿名希望】

―――――――――――――――――――――――――――――
A:
FROM 川畑のぶこ

前妻の持ち物や家具が気になり寛げない、
夫の子どもたちのモノが気になり寛げない、
引越はできない。

寛げない状態を寛げるようにするには、
物理的な変化を起こすか、
起こっている出来事に対する捉え方を変えるかの
いずれかになると思います。

まずは物理的に寛げる空間を持つための最大限の努力
をすることから始めることがベストだと思いますが、
最大限の努力はされたでしょうか。

「夫に相談しても気にならない様子で、そのままです。」
とありますが、相談したのでしょうか?

それとも夫の意見を聞いただけなのでしょうか?
どちらでしょう?

夫が「気にならない」という意見であれば、
大切な居住者である妻の意見は却下なのでしょうか。

話し合いというのは一方の言い分を
一方が我慢をして聞くということではありません。

自分と相手、双方の意見を摺り合わせて、
何がベストかを互いに模索することです。

まず、ご自身のニーズを明確にご主人に伝えてみてください。

「あなたはどう思う?」と主語を相手にすり替えず、
「私はこう思っている。こうしたい。」
ときちんと主張を私にして主張します。

相手を攻撃する必要も批判する必要もありません。

相手は悪意でそのようにしているのではなく、
今までそうだったから気にならないだけなのですから。

むしろ「ああ、そんなに気になっていたんだ」と
びっくりするかもしれませんよ。

「環境や周囲に合わせてきたことに気づいた」とありますが、
ご自身ですらようやく最近気づいたことであれば、
ご主人はなおさら気づいておらず、
夢にも無理に合わせているとは思っていないかもしれません。

自分と同様、妻もさして気にならないのだろうという
イメージではないでしょうか。

また、きちんと主張をして伝えたなら
「そんなに気になっていたなら変えれば?」
とあっさり返答するかもしれません。

もちろん快く思わないケースもあるかもしれませんが、
少なくともきちんと伝えることで妻のニーズは把握できます。

自分は主張せず、夫が自ら察して変化の動機を得ることを
待つようなことだけは、不毛なのでしないよう心がけてください。

いたずらに消耗するエネルギーを、
自分の思うことを伝えるエネルギーに変えてみてください。

相手を悪者化して惨めな状態でいるのも、
自ら変化を起こして(時として自分が悪者化される立場に立って)
言いにくいことを主張することも、
いずれもエネルギーを要することです。

どうせなら建設的な方向にエネルギーを使いたいものですね。

勇気を持って相手に敬意と愛情を示しながら、
穏やかに、丁寧に、主張してみてください。

それでも変化を起こせない場合は、無いものに目を向けるのではなく、
今与えられているものでありがたいものやことに
目を向ける努力をしてください。

極論でいえば、パーソナルスペース(ご自身のテリトリー)は、
赤の他人がひしめく飛行機や新幹線の中の一席でも、
また満員電車の中でも確保できます。

6畳一間すべてを自分のパーソナルスペースに出来なくても、
居住空間の一角に自分が自分に帰れる場所を
意識的に作ってみてください。

参考になるかどうかわかりませんが、
私は現在住んでいる自宅に自分の部屋というのを持っていません。

夫と息子は持っていますが
私は自分の部屋を特に所有したいという欲もいまのところありません。

ただし、平日自宅にいる場合は、
家族が帰ってくるまでの時間や、今このメルマガを執筆している
家族が寝静まった後などは、リビングとダイニングは私の自由なスペースです。

全てのスペースではなく、その中で1平方メートルくらいでも
自分の思うようになれば、イマジネーションはふくらみ自分の世界をつくれます。

時間や場所を限定して意識を変えれば、そこで寛ぐことも可能です。

さらに、我が家には私個人は愛情が持てないものもたくさんあります。

3人家族がいれば、それぞれの価値や好みもさまざまです。

結婚や家庭はそれらをどう摺り合わせていくかが、試される場であって、
全てを妻の、あるいは夫の、はたまた子どもの好みにする場ではありません。

全てのモノにときめいて、愛情をもって扱う必要もありません。

夫の大切にするものを妻が理解することで家庭内が円満になるのであれば、
それは「ときめく」ことはなくても家庭内には「必要」なものです。

私はそれらを宝物ならぬ政治物と読んでいます。

宝箱ならぬ政治箱も持っています。

それらを持っていることで人間関係や己の生きる社会がうまく回る、
すなわち損をしていることもあるかもしれないけれど、
得ているものはたくさんある、ということを自覚し意識しているので、
そこに苦しみはないのです。

行動を変えるか意識を変えるか、その両方か、
ぜひチャレンジしてみてください。

応援しています。

———————–
★ 川畑のぶこによる公開断捨離セミナー
(今週末9月5日)
新宿『朝日カルチャーセンター』にて開催です:
詳細・お申込みはこちら⇒ https://goo.gl/GpM9tg