心理療法家でサイモントン療法認定トレーナーの川畑のぶこによる、皆さんからの質問へのアドバイスや、メンタルの整え方、実生活に役立つ心理学のお話。日本における「サイモントン療法」の第一人者であるほか、「断捨離アンバサダー」としての顏も持つ川畑のぶこ。この2つのメソッドをベースに、一般の方のストレスマネジメントやメンタルケアについて、わかりやすくお伝えしています。

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Q:川畑のぶ子先生、お世話になります。

断捨離、心理カウンセリングオンラインプログラムを拝見し、
時々メルマガからも学ばせていただいております。

家族関係、夫との関係で相談です。

私、夫、娘二人(大学4年と1年)の4人家族です。
私は、大学時代に心理学を専攻し、カウンセリングにも興味を持っており、
現在、グリーフケア、マインドフルネス等を勉強しながら、
心のケアの活動をしています。

夫は、2歳年上の家業を継ぐために大切に育てられた兄と、
初めての女の子で大切にされた4歳下の妹にはさまれた3人兄弟の
真ん中で育ち、負けず嫌いで人一倍がんこです。

仕事の上では、メンタルの図太さで成功している部分もあるようですが、
家庭内では、いっさい家族の助言や指摘を聞き入れず、
何か家族が主人に対すること言うと(例えば、健康を思っての助言や
服装のアドバイスなど)激怒し、時には、どなったり、物を投げたりします。

家族間でトラブルがあっても、主人は、いつも自分自身を守るために
感情的になり、冷静に家族の言い分を聞くことができないため、
家族ががまんして過ごしています。

川畑先生の無料Webセミナーにありました通り、
まさに「悪循環を生むパラタクシス的歪曲」のパターンにはまっている
「残念な人」なのです。

しかも、問題なのは、娘達が小さい頃から次女をえこひいきし、
自分と性格の似た次女の中に自分を投影し、
次女をかばうことで自分を守っているようなところがあります。

娘達が大学生になっても、未だに長女の前で次女にだけお金を与えたり
して、娘達を平等に扱うことができません。

そのために、長女が傷ついているのを見て、
毎回、私はがまんができなくなり、主人に指摘しますが、
毎回、指摘を受けるととる上記のような行動パターンがあるため、
冷静な話し合いができません。

主人が自分自身にむきあって、このパターンにおちいりやすい残念な人
であることを自覚すれば、本人が家族関係も社会の人間関係でも
自分自身がイライラすることなくスムーズに過ごせるのにと思います。

このような夫は、私がこのように考えていても、
素直に家族の話を聞くことができないので、
どのようにわかってもらえばよいのか、
良い方法がありましたら教えていただければと思います。

カウンセリングの勉強をしていても、家族のこととなると、難しい立場におり、
冷静に分析しながら、どうアプローチしてよいのやら悩んでいます。

どうぞよろしくお願いします。

【はるなひろこ・40代・主婦】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

外科医が自分の家族の執刀ができないように、
カウンセラーであっても自分の家族にカウンセリングをすることはできませんね。

夫婦間や親子間で、すでに
心理学的に言う「転移」が起こっていることがほとんどだからです。

転移とは過去における(親などの)重要な関係で、未解決な問題を、
無意識のうちに今の自分の周りの人間関係に重ね合わせて
再現してしまうことです。

はるなさんもすでにご指摘の通り、
ご主人は次女に自分自身を投影して過去の満たせなかった何かを
必死に満たそうとしているのでしょうね。

カウンセリングや心理を学ぶ醍醐味は、
相手を思い通りに改善することにあるのではなく、
このような深い部分の理解を得ることで、
人生の濁流にいたずらに巻き込まれず、
その濁流を堤防から眺める傍観者で居られることかもしれませんね。

ご主人には折に触れて、はるなさんの誠実な気持ちを
思いやりを持って伝えてみたらよいかと思いますが、
長女さんとの関わりに関しては、彼女自身が濁流の傍観者になれるように
お母様であるはるなさんが関係を構築できればよいかと思います。

すなわち、
「私がお父さんに愛されないのは私がダメな人間だからだ」
といった心の刷り込みがされてしまうことが一番の恐れでしょうから、
そうではないのだということをコミュニケーションを重ねて
理解できるようにしていくことが大事ではないでしょうか。

子どもにも驚くほどの智慧がきちんと備わっています。
親の至らぬところは、コピーせず反面教師にする智慧も持ち備えています。

ご両親揃って長女さんの理想通りに愛情表現ができなくても、
お母さんが良いモデルになってあげられたなら、
彼女は人生の困難を切り開いていくことができるでしょう。

長女さんが、「父は不器用であった。」
「私を愛す前に、自分自身が愛を獲得するのに必死だった。」
「健全な愛情表現を身につけてこなかったので
どうして良いかわからないのだ。」
ということが理解できるように促してあげてはいかがでしょうか。

はるなさんは、
「夫婦揃って健全な愛情表現ができずとも、
私一人が長女に愛を健全に与えていればそれで十分。」
と自信を持って前進されてみてはいかがでしょうか。

周囲がどうであれ、お母さんだけはいつも私の強い味方だった…

そんな状況がある限り、彼女は困難をしなやかに乗り越え
優しく逞しい人間に育っていくのではないでしょうか。

私たちは皆失敗しながら学びを深めていく生き物です。
成人になっても心や魂の成長はまだまだ続きます。

どうかはるなさん自身も親としての失敗を責めることなく、
好奇心を大切に、お子さんたちとともにそこから学びながら、
逞しく共に成長されますように。

PS
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娘の考えを.webp

こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、ねおさんという49歳の女性(会社員)からいただいた
「私は冷たい母親でしょうか?」というご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~

娘二人をほぼ一人で育て上げました。ここにきて、自分は、ひょっとして
とんでもなく「冷たい母親」のではないかと思うことがあります。
川畑先生は、こんな私をどのように感じられるか、お聞きしたいのです。

私は、ややこしい自分の人生に埋もれ、自分を見失ってしまわないように、
断捨離をずっと実践してきました。そのおかげで、今の自分が保てていると
感謝しています。まだまだ進化の途中ですが(笑)

17年前。上の娘が3歳、下がまだ11か月の時に主人が交通事故で亡くなり、
その10年後、娘たちの勧めもあり再婚しました。が、わずか3年で破綻。
娘たちにまたもや辛い思いをさせる結果となりました。

そして今は、私の実家に親子3人で居候。長女は大学へ進学しましたが
「学生は向かない、働く」と言って昨年中退し就職、毎日頑張って働いています。
次女は高校3年生で、卒業後は働くと言っています。

自分では、この人生、腐らず一生懸命やってきたつもりです。子育ても、
手をかける時間は少なかったとはいえ、娘たちを本当に大切に思い、
可愛がると同時に、親が伝えるべき事は出来る限り伝えてきたつもりです。
片親であることを、本人にも周囲にもマイナスと捉えられないようにという
意識も、やはりありました。

ただ一方で、娘たちは、私の「こうあるべき」という価値観や
「こういうものだ」という概念を、あらゆる形でひっくり返してもくれました。
「普通の家庭像」「普通の学生像」「普通の女の子の見た目」など。

頭髪を白や青や赤に染めたり、顔や舌にまでピアスの穴を何個も開けたり、
娘たちのすることは、私自身の価値観との闘いでした(笑)が、娘のことは
変わらず大切だったし、理解できずとも、受け入れてきました。

何かをやらかしてくれるたび、時に感情的に、時に冷静に、私のストレートな
気持ちや、例えばそういう容姿が社会的にどう受け止められるか、など、
娘たちに伝えてきました。何でも理解あるふりをして、「あなたが好きな
ようにしたらいいよ」と言う方が、よほど楽だし簡単。ストレスにもならない。
でもそれは、理解という外見を装った無責任な「放任」だと私は思います。

もちろん私は完璧な人間ではないし、人格者でもない。でも、娘たちがいた
からこそ、人生投げやりにならずに生きてこられました。だから娘たちにも、
これから幸せになってほしいと心から思うのですが…

先日は、長女が喫煙していることを知り、さらに、「結婚も出産もしたくない」
との想いを聞きました。喫煙については「もう20歳だから、自分で決める」
という態度。

結婚したくないなら、子供はいらないのなら、それもよい。
なので、良好な親子関係は何歳になっても保ちたいとは思いますが、
娘たちにはいつかは家を出て、自分で生きる力を得てほしいと思う、
私は私で自分の人生を生きたいと思う、そんな私は、身勝手なのでしょうか。
母親として冷たいのでしょうか。

娘たちは、私から見て人として恥ずかしいところはないと思います。
むしろ、娘を誇りに思うことも多いです。彼女たちの外見などから、
たとえ周りに「こうなったのは、あなたの育て方が悪かったのだ」と言われた
としても、「自分はちゃんとやってきた。あとはどうしようもないよ」と
ある意味開き直る自分は、母親失格なのでしょうか。冷めた親なのでしょうか。

周りからどう思われようと、私は私の考えでまっすぐ立ってこれからも
よりよく生きていくつもりですが、そんな私は傲慢で、もしも間違っている
のなら、だれか知らせてほしいとも思います。

川畑先生は、どうお感じでしょうか。ぜひお考えをお聞かせください。

~~~~~~~~~~~
ねおさんの娘さんたちに対する愛情や誠実さが伝わってくるご相談です。

まず、自分は冷たい母親かどうかということが、ねおさんの苦しみの根源に
なっているようですが、私は、ねおさんは全然冷たい母親などではないと
思います。こんなに悩んでいらっしゃるということは、娘さんたちのことを
強く愛し、強くケアしているからですよね。

心配するのは思いがあるからであって、本当に放任であったり、どうでも
いいと思っていれば、こんなに悩まないでしょうし、ここに相談をお寄せ
になることもないでしょう。

現状をお伺いする限り、おそらく、ねおさんの理想どおりには運んでいない
かと思いますが、では人生、理想的でなければいけないのかというと、
そうではありません。理想的にいくこともあれば、いかないこともある。
そんな中で何とかバランスをとりながら、一歩一歩前進していくのが、
私たちの生きる道ではないでしょうか。

「普通の家庭像」「普通の学生象像」「普通の女の子の見た目」……。
私は海外で10年ほど生活したことがありますが、特に日本は「普通」「標準」
という基準をとても気にする文化があるなぁと感じます。
(私は「普通病」とか「標準病」と呼んだりしています、笑)

「普通」って、何でしょう?
「平均的」に生きれば、幸せが手に入るのでしょうか?

髪の毛を白くしたり、赤くしたり、青くしたり。今の娘さんたちは、
そのような刺激的なことに憧れたり、楽しいと感じることを人生に求めたり
しているのかもしれませんね。

今のねおさんには、ご自身の「理想」や「価値観」と、娘さんたちの
「価値観」「個性」「ニーズ」を区別して、捉えてみることをお勧めします。

もちろん、その中で、お母様なりの助言や主張はしてしかるべきです。
コミュニケーションのちょっとしたポイントを押さえながら……

詳しくは、ビデオでお話しします……

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