心理療法家でサイモントン療法認定トレーナーの川畑のぶこによる、皆さんからの質問へのアドバイスや、メンタルの整え方、実生活に役立つ心理学のお話。日本における「サイモントン療法」の第一人者であるほか、「断捨離アンバサダー」としての顏も持つ川畑のぶこ。この2つのメソッドをベースに、一般の方のストレスマネジメントやメンタルケアについて、わかりやすくお伝えしています。

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170306

こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、はるなさん(仮名・40歳・会社員)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
いつも心に響くお話、楽しみにしています。
子供との接し方でご意見を聞かせていただければ幸いです。

小学校低学年の子供がいます。
子供に接する時、つい子供を「自分の幼い頃」に置き換えている自分がいます。
「今、自分がどうしたいか(どう言いたいか)」よりも
「子供の頃の私だったらこうして(言って)ほしい」という感情が
優先されて発言や行動をしている自分がいます。

それでも愛情をもって接しているのでいいんだ、と思う反面、
「この子は幼い頃の私じゃない、混同するのは良くない」という、
子供への申し訳ない気持ちもあります。

子供の頃、親に否定され、愛情を受け取れずに成長したためか、
我が子を「幼い頃の自分の育て直し」に使っているような気もしてしまいます。

子供を自分とは別の人格、ひとりの人間として認めてはいるつもりですが、
どうしてもかける言葉、接する態度など「自分はこうしてほしかったな」
という気持ちが常にそばにいます。
~~~~~~~~~~~

子育てにはイマジネーションが必要とされますね。これは親子関係に限らず、
友人との関係であれ、夫婦関係であれ、上司・後輩・同僚との関係であれ、
みな同様だと思います。

私たちは、本当の意味で、相手の立場にはなかなか立てませんから、
自分が相手の立場だったらどうかなと、常に想像力を働かせながら人間関係を
構築しています。親子関係においても、「自分が子どもの時、こうだったよな」
というイマジネーションを働かせながら関わり合うことは必要です。

その流れで、自分が子どもの時このような言われ方をしたら、どのように
受け止めるか、どのように伝えたら、より伝わりやすいかなというような
文脈において、自分の幼少期と置き換えてコミュニケーションをするのは、
決して悪いことではありません。

ただ、はるなさんがどのような文脈の中で自分を置き換えているのか、
そして、なぜそれが悩みになるのかと考えたとき、お悩みの背景、根源が
見えてくるように思います。

例えば、子どもの時に親に否定されてばかりで、愛情を受け取ったという思い
がなかった。だから自分の子供のことは否定せず何でも受け入れよう、愛情を
たくさん与えるようにしようというような働きかけが考えられますが、
それが行き過ぎて甘やかしになってしまうと、問題が起こります。

与え過ぎもいけませんし、与えなさ過ぎもいけませんよね。賢い親や祖父母は、
いつ与え、いつ与えないかを知っています。おそらくですが、はるなさんは
常に否定されていたという感覚をお持ちだと思いますから、常に何でも
子どもの思い通りにというように、少々極端な方向に転じてしまっているのかも
しれません。それには注意が必要です。

私たちは、後悔する必要はないですが、反省はしたほうがいいですね。
はるなさんとお子さんとの関わり合いについても、試行錯誤した結果、問題や
疑問が出てくるようであれば、そこは反省して調整し、新たな関係性を構築
していく必要があるでしょう。

その一方で、はるなさん自身が癒されていない部分がきっとありますから、
お子さんを受け入れると同時に、まず、はるなさんがご自身を受け入れていく
というプロセスを大切になさってください。

続きは、ビデオでお話しします……

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170301_FB_kawabata

Q:私の会社の人の出入り、電話、メール、社内の会話を報告してといい、
会社がどういう仕事をするのかも気にします。
(似た業種ですが競合会社ではない)

最初はメールでのやり取りでした。
返事が15分位ないと矢継ぎ早に催促。
1報告すると疑問点が2点来ます。

しまいには録音を求められ、私もメールが面倒なので承諾してしまいましたが、
やましいことはなくても嫌な気分で窮屈、
他の人への裏切りのようにも思えて辛いです。

理由は「聞きたいから」としか言いません。浮気を疑うでもない。
どこに行くにも一緒で過保護気味ですがただ全部知りたいというだけらしく。

やり取りを覚えてない時はしつこく聞き、怒りだします。
私が爆発したら逆ギレ。
条件を付けた上で一部だけ教えるとの約束も徐々に元通りに。

一度だけ、「言うこと聞いてればいいんだ」と言ったことがあり、モラハラ疑います。
自己愛性人格障害、当てはまるところが多々あります。

傍からはとても仲良く見えるようです。
私のことをとても大事にしているようにも見えると。

一度友人警察官に吐露したら、そういう人は治らない、別れる時も大変、
ストーカー体質ではと。

私が自動車学校に通った時は教習車をずっと尾行。
誰か知ってる人を見つけ気になったら付けていく。
思い当たるので、離婚と言ったらどうなるのか怖いです。

物に対しても執着心強く、シリーズ物は全部揃えるのに意味があるといい、
手に入れたものは絶対手離さず、置く場所がなくなると家族の物を
「捨てろ要らないだろ」と迫る自分勝手。

子どもの頃から物欲は強く、欲しいものは買ってもらった家だった模様。

あれこれ書きましたが、なにかしら改善のヒントが頂ければ幸いです。

【ユミ・40代・会社員】

―――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

ユミさんのご主人との関係性における苦悩がうかがわれます。

配偶者の一方が、威圧的な態度で相手をコントロールすることで、
相手の行動に制限を与え、自由や力を奪っているような状態は
ドメスティックバイオレンスに該当する可能性があります。

DV(ドメスティックバイオレンス)には、
身体的暴力の他に精神的暴力や性的暴力もあり、
精神的暴力には配偶者のメールや携帯を常にチェックしたり、
行動を監視して制限を与えることなども含まれます。

精神的暴力は、身体的暴力と違って、
当事者が被害者や加害者であるという認識が薄いこともあり、
問題が表面化しにくいです。

こちらに、法務省による人権活動啓発ネットワークの情報をあげて
おきますので、一度ご参照ください。

http://www.moj.go.jp/jinkennet/asahikawa/pdf/DV.pdf

まず、段階的にできることとしては、
ユミさんご自身の気持ちを、できるだけ相手の気を害さないように
コミュニケーションすることになりますが、
これも相手の逆ギレで危険を感じる場合や、話し合いにならない場合は、
手紙を書いて渡すのも良いでしょう。

文書は本人と面と向き合わずに済みますし、
互いが冷静なときに書いて読むことができますから、
ユミさんがご主人と仲良くやっていきたいと思っているのなら、
そのことを伝えた上で、ご主人の言動によって、
恐怖や危険を感じていることを伝えてみてはいかがでしょうか。

それと同時に、配偶者暴力相談センターと連絡をとって
対策を講じておくことをお勧めします。

警察のご友人からご指摘があるように、
暴力的な夫はそう望まない限り、妻の期待通りに改善することが難しい
のは事実で、更生も難航しています。

DVの被害者は、暴力を行う相手ではなく、
自分に問題があるのではないか、
自分が変われば相手を変えられるのではないか、
相手を変えられるのは自分だけではないか、
私がいなくなったらこの人の人生は台無しではないか、
などと、背負い込む傾向があります。

まず、暴力は許さないという毅然とした態度をとってください。
これは相手に攻撃し返すということではありません。

相手のコントロールが強く、力づくで攻撃をするような危険がある場合
には賢く行動することが大事です。

まず、DV相談ナビダイヤルというものがあります。
0570-0-55210

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html

ここに電話をすると、ご自身の地域の相談支援センターに転送されます。

ユミさんが懸念していることはどんなことなのか、
それが起きた場合、どのような援助が受けられるか
確認、相談してみると良いでしょう。

そして、ご主人がユミさんの会社で起きていることのすべてを報告するよう
求めてそれに応えていることに関してです。

ユミさんは、やましいことはないのでご主人に報告しているとのことですが、
これは社員の就業規約にある秘密保持義務の規約違反であることが考えられます。

たとえ個人情報が含まれていなくても、
企業の職務上知り得た情報で、公然のものとなっていない情報は
他者へ漏洩してはなりません。

ユミさんがそうとは知らずに企業にとって秘密にしたり保護したりする価値
のあるものもあるでしょう。

ユミさんの職場で起こっていることのすべてを、「録音して報告」を求めるなど
常軌を逸しており、規約違反によるユミさんの解雇につながってもおかしくない
行為と思われます。

夫に脅されているからという理由は個人的なもので、組織に対して不誠実です。

その報告をしている間は就業時間という事でしょうから、もしそうであれば、
ユミさんは給与を貰っている時間であるにもかかわらず、会社の仕事はせず、
他者(他社)の利益のために働いていることになってしまいます。

おそらく、今はご主人の事で頭がいっぱいなのかと思われますが、
個人的にやましいかどうかの問題ではなく、ご自身の行為が組織に勤める人間
として、また一般社会的に見て適切かどうか、冷静に判断してみる事が必要
かと思われます。

そのように不適切な行動をしてしまう原因となるご主人との関係性は、
先延ばしにせずに、これを機に、ぜひきちんと見直してみてください。

勇気が必要ですが、頑張って下さい!

ーーー
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