Q.私は母との関係に悩んでいます。
母は昭和8年生まれ、87歳、
私は長女で57歳、
兄妹は54歳の妹だけです。
母は6人兄妹の5番目で、引っ込み思案で
兄や姉は優秀、末っ子の妹は末っ子故に
人一倍可愛がられており、そんな中、
声も上げられず人の後を付いていく人
だったそうです。
多分劣等感が強いんです。
正直、何をやっても中途半端で、
思慮深さや他人への思いやりや
想像力が欠けているんです。
妹が生まれると病弱で小さくて
可愛い妹は母の愛玩物。
私はそのお世話係みたいなものでした。
幼心に妹ばっかり可愛がって!と
母の愛が欲しかったと思っていました。
正直に伝えると、激怒して、
親に向かってそんなこと言うなんて!!
と聞く耳をもちません。
現在私は離婚して実家に出戻り、
嫌だった母とまた暮らし始めて3年。
28歳の息子も一緒に戻ったんですが、
母の理不尽さに息子も呆れています。
離れて暮らしている時は
母を大切にしたいと思ったりしたけど、
優しくするとつけ上がってどんどん
偉そうにするのでそんな母の姿を
見たくないので優しく出来ないんです。
劣等感の塊のような母ですが、
そんな人間に育てられた私は
本当に自分に自信が持てなくて、
思春期の頃は自殺したいと
何度も思った位でした。
私は大人になって色々
他人の家庭を見たりしてきた経験から、
母にこういう所が普通じゃないよ、
直した方がいいよ、と言えば
昔と同じく親に向かって意見するなんて!!
と激怒してしまいます。
私にとって母は毒親だと思うんです。
考えずに言葉を発するため、
すごく不作法で失礼な事ばかり発している、
そんな言葉を聞くだけで嫌な気持ちになります。
戦時中育ちのため、
物を捨てることを極端に嫌い、
家の中は不用品で溢れています。
でも母にとっての道具である私が意見しても
怒りこそすれ聞く耳なんて持つわけ無いんです。
こんなに私を蔑ろにする
母とうまくいく事って出来るでしょうか。
【トモコ・50代・女性・看護師】
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A:FROM 川畑のぶこ
トモコさんのお母様への憎しみと同時に、
「私を愛して!」という切実な叫び声が
聞こえてくるようです。
それだけに、
トモコさんはお母さんのことを
本当は大好きなのだと思います。
本当にどうでもいいと思っている人が
自分に配慮がないからといって、
さほど気にならないでしょう。
好きだからこそ、
相手が思い通りにならないと、
腹立たしく感じるものですね。
自分にとって大切な相手であるからこそ、
私の理想通りに私を愛することで、
その「愛を証明せよ!」と
迫ってしまうのですよね。
それが得られないことは、
子どもにとって死活問題です。
私たちはこのようにして、
愛の証を見える形で
手に入れようと必死になります。
それはとりもなおさず、
相手がではなく、自分自身が、
「果たして自分は愛に値するか?」
と疑っていることに起因します。
自分も妹のように
(わかりやすい見えるかたちで)
愛されるためには、
不足しているものが多すぎる、
なので私は愛されない、
という具合にです。
親の愛が健全に表現されていると、
子ども自身が自分の価値を
認められるようになりやすいのは
疑いの余地がないでしょう。
もちろん、それも度が過ぎて
猫可愛がりをしたなら、
甘やかしとなり、それもまたその先に
苦しみが待つことになります。
トモコさんの切望する、
愛とはいったいなんでしょうか?
答えは人それぞれなのでしょうが、
不可欠な要素には相手への
思いやりや理解が入るでしょう。
それは最終的に
自分自身への思いやりや理解、
そして受容にもつながります。
お母様の行動を、その背景も含めて
理解しようとしたときに、
トモコさんへの態度は
愛のなさからくるのか、それとも
大切だからこそ、第一子だからこそ、
過度のプレッシャーの中、混乱しながら
育てたことは考えられないでしょうか。
お母様も、自分自身を
受け入れられていなかったので、
自分自身を我が子に投影し、
この子を立派に育てることで、
自分を認めようと、自分にも子どもにも
過度な期待を持って接していた可能性も
否めません。
トモコさんの訴えに、
過剰反応するところをみると、
お母様自身も「どうか、私を責めないで!
価値のない人間だなんて言わないで!」
と叫んでいるように思えます。
お互いに、理想通りに相手が振る舞うことで
「自分を認めてください!」という綱引きを
してしまっているかもしれませんね。
私たちは、健全な子育てについて
教育を受けて育ってきているわけではなく、
多くは先代(親や祖父母)を模倣したり、
反面教師にしたりして不器用に
人生初の子育てに取り組んでいることと思います。
お母さんも、最初から
正解を教育されているなど、
トモコさんに対して
健全に愛を表現する術を育むゆとりがあれば、
そうしたかったのではないでしょうか。
ただし、残念ながらそのゆとりがなく
術を身につけてこなかった。
それがお母様のその時点での限界であり、
最善であったことと思います。
母親の態度が、
愛のなさ故の態度なのか、それとも、
自身も親から健全な愛情表現を
獲得してこなかったことなどを含めた、
生育歴や環境による
ゆとりのなさによる態度なのか、
表面的な部分だけでなく、
トモコさんなりに理解を深める努力を
されてみてください。
自分を満たすよう相手が変わることを
試みる姿勢の延長線上に、
愛ある関係を育むのは難しいですが、
トモコさん自身が、
無自覚に受け継がれてきた流れを
自分の代で止め、
調和を取り戻すと立場をとり、
まず理解ある姿勢から自分を受け入れ、
相手を受け入れることができたのなら、
大きな変化が訪れるかもしれません。
今回、実家に戻ることになったのも、
そんなライフレッスンの意味が
あるのかもしれませんね。
忍耐強く、智恵をもって
そのレッスンに取り組まれますように。
応援しています。
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