Q:今年60歳になる夫の体調が
心配でたまりません。
夫が糖尿病になってしまい
生活改善が必要なのですが、
あまり積極的に改善しないことが気掛かりです。
私がもっと管理すべきとは思うのですが、
険悪になりそうであまり強く言うことができません。
夫がもっと病気と向き合い、
やる気がでるようにサポートしたいのですが
正直どうしたら良いのかわかりません。
これからも健康で長生きしてもらいたいと願うのも、
もしかしたら自分のエゴかなと思ってしまいます。
「どういう生活を選ぶのも夫の自由だ」
と自分に言い聞かせるものの、
そのくせ夫の生活から目を背けることもできず…
気持ちの整理がつきません。
【トリビー・50代・女性・医療事務】
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A:FROM 川畑のぶこ
トリビーさんが夫に元気で長生きして欲しいと願うのは、
決してエゴからではなく、
愛情や思いやりからのことでしょう。
愛する者の幸せや健康を願うのは当然のことです。
糖尿病は放っておくと合併症として、
足の壊疽(ときとして切断)、腎不全や心臓病、
また失明などの重篤な状態につながることもあり、
そうなると生活の質が著しく低下してしまいます。
そのようなことが自分の人生のパートナーに
おこるのは耐え難いことでしょう。
糖尿病は生活習慣を変えること、
すなわち、食事や運動や薬物治療などによって
適切にコントロールすることが重要ですが、
ご主人もおそらくそのようなことは耳にタコ、
多くの糖尿病患者さんがそうであるように、
頭では分かっているのだけど、
なかなかできないので
困っているのではないでしょうか。
これまでの考え方や行動など、生活様式を
一気に変えるというのは簡単ではありません。
では、不可能かというと難しいけれども可能です。
トリビーさんのようにサポーターができることは
何かと考えたときに、
食事や運動や治療を徹底的にコントロールする
サポートをしようと考えると思います。
その際、注意するべきことは、
ご主人のできていないところに目を向けすぎて
万年監視状態に陥らないようにすることです。
また、夫のできていない行動を逐一批判するのもNGです。
人間が行動変容を起こすときは動機づけが必要ですが、
これらは逆にモチベーションを削いでしまいます。
それよりも、出来ていることがあれば
そこに着眼して喜ぶことをしてみてください。
たとえば、毎晩お酒を飲んでいる夫が
週2日飲まない日があったとします。
恐怖からの監視状態だと
「あー、まだ5日も飲んでいる!」と
目くじらをたてるかもしれません。
ときに「そんなこと続けていると死ぬわよ」と
脅しをかける気持ちになるかもしれませんし
程度の差こそあれ、
それを実際に無意識的に伝えていることも
あるかもしれませんね。
たしかに脅すことで、恐怖によって行動を
ある程度コントロールできるかもしれませんが、
それは喜びからはほど遠く、心を抑圧しているだけで、
いつか爆発するかもしれません。
その代わりに「あ、今週は2日休肝日ができたね♪」と
微笑みとともに喜ぶのです。
相手に喜んでもらえたり称賛されたりすることは
誰でも嬉しいことですし、モチベーションに繋がります。
さらには、食事や運動もダメ出しをするのではなく、
いいものを一緒に取り組むという二人三脚の姿勢を
育むことをおすすめします。
「散歩くらいしたら」というかわりに、
「一緒に散歩にいきたいんだけど、付き合ってくれない?」
ということができます。
食事をトリビーさんが作っているなら、
「一緒に健康食に取り組もう」とか
「付き合って」と伝えてみます。
付き合ってくれたら
(ときにサボることもあるかも しれませんが)
「ありがとう」と「嬉しい」ことを伝えます。
また、医療機関などでさまざまな糖尿病患者さんと
ご家族のためのピアサポートグループ
(当事者のサポートグループ)があるので、
そのようなところに一緒にいかないか、
あるいは付き合ってくれないかと誘ってみます。
いずれも「あなたがやりなさい」を
「一緒にやろう」または
「一緒にやってくれない?」という
姿勢に変えていきます。
必要だと分かっているけれど、
面倒なことは一人で克服するのは難しいですが、
仲間がいるときっかけができたり継続できたりします。
このように、ご主人の健康回復に付き合うことは、
トリビーさんの健康にも大いに貢献する可能性が
あるわけですから、ぜひ共にこの逆境を乗り越える
姿勢で向き合ってみてください。
根気よく続けているうちに、
ご主人もトリビーさんの深い愛に
感謝する日が訪れるかもしれません。
トリビーさんなりのベストを尽くしても変化がなければ、
それはご主人の人生と割り切って、執着を手放し、
それぞれの課題の分離をすることも
大事かもしれませんね。
多くの現代人が抱える課題に取り組むにあたって、
真剣に取り組めど、深刻になりすぎず、
どうか愛ある好奇心とクリエイティビティを
忘れないでください。
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★川畑のぶこ心理療法の原点
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