断捨離メルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をあなたにシェアします。
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【Q】親への否定的な気持ちを断捨離したい
4年前に子供が心の病気になったことを
きっかけに、子供とともに私も
心理カウンセリングを受けました。
すると、自分は母からいかに否定的に育てられたか
を認めざるをえなくなりました。
たとえば、手伝いをすれば、
「ありがと。でも、それぐらいしても罰あたらへんね。」
テストで90点を取れば
「なんで100点取れへんかったの?」
大人になってからも、新しいことを始めようとすると
「そんなことして、なんになるの?」
仕事で疲れたといえば
「遊んでいる人なんか 一人もおらへんのだからね。」
という具合に・・・。
母に会うことが恐怖で、ここ2年ほど、
近くに住んでいるにも関わらず会っていません。
でも、ときどき「お茶でも飲まない?」と手紙がきます。
過去に一度、気持ちを伝えたら、
「あら、そりゃ悪かったわ。でも今更そんなこと言われても
知らんがな。」と相手にされませんでした。
父によると、今、母は毎朝ラジオ体操、テレビ体操を
欠かさず、元気いっぱいだそうです。
喜ぶべきことなのに、うんざりし、
早くお迎えがくることばかり願っています。
そして、母が逝けば、私の心は正真正銘解放されて、
子供も立ち直るのではないかと期待してしまうのです。
この気持ち、なんとか断捨離できないでしょうか。
【私立学校非常勤職員 40代 さくら】
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【A】 FROM 川畑のぶこ
さくらさんのように、カウンセリングに通うようになって
親子関係の課題に行き着く人はとっても多いですね。
ただし、これは母と子の、どちらかが悪くてどちらかが
正しいということに決着をつけることではなく、
さくらさんご自身がお母様との関係を
そのように観察したことから、
何を学べるかという、もう一歩踏み込んだ課題、
より客観的にお互いのダイナミクスを観察して
気づきが得られたなら、なお良かったなと感じました。
もしこれからカウンセリングを続けて行かれるのなら、
恐らくそのようなプロセスを辿ることとは思いますが、
今の段階では今一歩未消化な課題として
終わってしまっているのが残念です。
果たしてさくらさんのお母様が
どのようなトーンや文脈でさくらさんに
それらの言葉を発したかは分かりませんが、
恐らく、さくらさんに『強く賢い子に育って欲しい』と、
彼女なりの不器用でいびつな愛のかたちで
子を育てたのではないかと思います。
我が子のためを思ってこそ、優しさより厳しさをもって
育てる親というのはいるものです。
恐らくお母様ご自身も祖母様から
そのように育てられてきたのかもしれません。
残念ながらそれは、子どもであるさくらさん
が愛して欲しいかたちではなかった。
さくらさんは、お母様にもっとやさしく柔らかな言葉で
自分に愛を伝えて欲しかったかもしれません。
ところがお母さんにはそれを表現する力、
あるいはゆとりが無かった。
ただし、これは決してさくらさんのことを思っていないとか、
愛していないとかということではないので、
ここは少しひと呼吸おいて
丁寧に観察していく必要があるかと思います。
実際のところ、お母様はさくらさんの嫌いなかたちで
さくらさんを愛していたのではないでしょうか。
愛していなかったわけではなく、
一生懸命愛していたのではないでしょうか。
もしお母様と建設的なコミュニケーションをしようと思う
のであれば、「あのときこういわれて傷ついた」と
否定的な言葉で終わらせずに、
「私はこのように受け止めがちなので、こういうふうに
伝えてくれるととても嬉しい」と、己の受け止め方と
ニーズをきちんと相手に伝えることをおすすめします。
するともしかしたら「仕方がないじゃない」という答え
ではなく、「そうだったのね。今後はそうするね。」
というような答えも得られるかもしれませんし、
もし得られなかったとしても、少なくとも
さくらさんのニーズを知らせることはできます。
そのことで今後の言動に何かしらの影響が出る
かもしれません。
そうであれば相互理解が深まって、人間関係を
修復することも可能となるのではないでしょうか。
さくらさんとお子さんとの関係を振り返って、
お母様とご自身との関係に似たような
シチュエーションは無かったでしょうか。
お子さんはさくらさんの望む道を歩まなかった
かもしれませんし、さくらさんもお子さんの
望むかたちで育てなかったかもしれません。
それでも、お互いにそのときの自分に出来る
最善を尽くしている。
相手に伝わってはいないかもしれないけれど、
さくらさんも、お子さんも、物理的、肉体的、精神的、
知性的限界を尊重した上での、その時点での最善を
いつも尽くしているのではないでしょうか。
大切なのは、過去の不器用でいびつな関係から学び、
今後同じ過ちを繰り返さないように、
どのように人間関係を再構築していきたいかということに
意識を向けて、それらに取り組むことかと思います。
相手に変われと望むことはできませんが、
自分が相手の受け止め方を変えることはできます。
「愛しているなら態度を変えろ」と求めるのではなく、
「残念だけれど、それが相手なりの愛し方だったのだ」
と受け容れる。
「母さえいなくなれば」と思うかもしれませんが、
「誰かさえいなくなれば」という姿勢そのものは、
実際お母様がいなくなっても変わらず、別な誰かを
見つけて同じ課題に直面することも考えられます。
また、たしかにお母さんは少々暴力的な
コミュニケーションをされていたかもしれませんし、
暴力的な言動自体を許す必要はありませんが、
いまさくらさんにとって大切なのは、
母親がどうであれ、自分の人生を豊かに機能させて
行くちからを育むことかと思います。
あまりお母さんにこだわらず、自分がいきいきと
幸せを感じられる時間を重ねてみてはいかがでしょうか。
それはさくらさんの意識次第で必ず出来ることです。
何が悪いかと、問題に焦点を当て
それにこだわりすぎてエネルギーを浪費するよりも、
ぜひ、何が良いかに焦点をあてて、エネルギーを充電
することからはじめてみてください。
闇を蹴散らすのではなく、光に向かう姿勢ですね。
自分に喜びがもたらされて、心のゆとりが出てきたときに、
母と子の互いのニーズがどのように複雑に絡み合い、
機能不全に陥ってしまったかを、
冷静に観察できるようになるかと思います。
いつの日か、そのような自分たちを
愛おしく包み込む日がくるかもしれません。
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